エルドリッチホラー 完全日本語版(ボードゲームプレイ感想編)

ボードゲーム愛好

1ラウンドに行うこと③ 神話フェイズ

エルドリッチホラー 星座
星座は巡る。

このフェイズでは神話カードを引くことによって世界を覆う状況が(たいていの場合、悪い方向に)変化します。探索者リーダーは、ゲームの準備時に用意した神話カードの山から1枚引き、その内容を解決します。その結果として……

エルドリッチホラー 破滅トラック
破滅トラックが進行し、エンシェントワンの目覚めが近づいたり
エルドリッチホラー ゲートからモンスター
異世界と地球をつなぐゲートが開いてモンスターが出現したり
エルドリッチホラー イベント
解決しないと敗北に直結するイベントが発生したりします。

奉行これはしたり! 事態がどんどん悪くなっていくではないか!

与力はあ、まあボスの復活が徐々に近づいている、というような演出ですね。しかし、悪い事ばかりでも無いです。クルートークンが出現したり、世界の真実に気づいた協力者が現れたりもしてくれます。

エルドリッチホラー 協力者たち
大きな力となる協力者たち

奉行ううむ、とにかくのんびり構えておると、雪だるま式に問題が積みあがって参るな。

与力ちなみに、ゲートやモンスターなどが出現する場合、プレイヤーの人数によってその数が変わってきます。少ない場合はより少なく、多い場合にはより多く、ですね。

奉行均衡をとろうとしておるわけだな。対応人数内できちんと遊べるようにする工夫か。

エルドリッチホラー 人数による変動
今回は2人なのでこの数字。

神話フェイズが終了したら1ラウンド終了となります。そして再びアクションフェイズに戻り、勝敗がつくまで繰り返します。

今回、我々二人が何度かラウンドを繰り返した結果は……

奉行うむ、長かったがこれで勝利かな。

与力これはリプレイ形式にしないと、盤面からでは勝敗が伝わりづらいですね。

奉行が、リプレイにするにはいささか長すぎるなあ。

与力漫画の才能か動画編集能力でもあればいいんですがねえ。

エルドリッチホラー クリア時 マップ
クリア時のマップ状態

エルドリッチホラー【ここがイカス!】

奉行いやはや、堪能した堪能した。どのくらい興じておったかのう。

与力二人でおおむね90分ほどでしょうか。たっぷり遊びましたね。

奉行うむ、満足した。まさにやりきった充足感があるな。まあ、その分最後の最後でやられてしまった時の絶望感たるやという感じだが。

与力やはり協力して一つの目的に向かう醍醐味を、十分に味わえるゲームですね。

奉行そうなんだよな。集中しているせいか、時間はかかるが、面倒だとは感じないんだよなあ。

与力一見すると煩雑にみえますが、案外スマートに進行できましたね。この辺は慣れも必要になってきてしまいますが。

奉行なにせ劇的な展開も多くあったしな。サイコロで成否を決めるぶん、「ここは決めたい!」というところで外してしまったり、「これは無理じゃ……」というのが存外に上手くいったり、二転三転、波乱万丈の探索となったわ。

与力そうですね、絶対ということがないシステムなので、どっちに転ぶか分からない辺りが、ドラマティックな体験を生み出しますね。

奉行そしてクトゥルフ物の要素が豊富に含まれた文章や道具、呪文の数々なども、探索を盛り上げるな。

与力はい。クトゥルフ物の小説に出てきたお馴染みの品物や呪文、人名から、「そうそう!」といったようないかにもクトゥルフらしいシチュエーションを想起させるイベントの文章まで、スミからスミまで本当に濃厚なクトゥルフですよ。

奉行わしは正直そこまで知っているわけではないんだが、クトゥルフの世界を余すところ無く堪能できるよな。とりあえず酒とたばことダイナマイトは毎回欲しくなってきた。

与力雰囲気だけでも楽しめるところはあると思うんですよ。ただ、クトゥルフTRPGなどで冒険を楽しんでいた、よりどっぷり深く味わいたいベテランマニアにも、ある程度納得して遊べる、高いレベルの仕上がりかと存じます。

エルドリッチホラー【ここはちょっと…】

奉行まあしかし、ダイスとカードの引き運はあるよな。頑張ったところで結局全て運ではないか、と言われてしまうと……

与力返す言葉もございませんな。ダイス運、カードの引き運、モンスターの引き運、あらゆるところに運がからんできますので、運の要素を嫌う方には最悪な印象を受けるかもしれません。結局ダイスとカードの運だけじゃねーか!というように。

奉行その辺の好みはなあ。いわゆる“大味”という評価を受けてしまうのかな。本当に運次第で、呆気なく勝利や敗北が決まってしまいかねないし。

与力そうですね。原作のイメージを大切にするアメリカンゲームには、よく見られますかね。何せ原作ではとても抗えない感じがぷんぷんしますから。

奉行ある意味でよく表現されているのかもしれんが、その原作という部分もポイントだよな。クトゥルフに興味が無い人が「よく知らないし……」と参加に二の足を踏んでしまうのはもちろん、原作を全く知らぬものが遊んだとしても、ちょっと損をしてしまうような気がしてならぬ。

与力ゲームの特徴全てを味わえなくなるかもしれない、ということですか。

奉行別にクトゥルフの話を知らなくても遊べる。遊べるわけだが、知っている者にとっては「あれだ!あれだ!」と興奮できる道具や怪物でも、知らない者には単なる便利な道具と倒す相手としか認識されない。ちょっともったいなくないか?

与力そうですね。クトゥルフ世界を冒険するという体験もこのゲームの楽しみの大きな部分を占めていますから、それが分からないとなると、ちょっと残念かも……。

奉行ということでそういうプレイヤーがいる場合は、むしろ無理をしてこれを遊ぶこともないのかな、と思う。90分前後はかかる協力ゲームということなら、他にも沢山の選択肢があると思うし。

与力ですね。「やってみたいけど、知らないから教えて!」というクトゥルフ初心者プレイヤーと、「オッケー任せろ、解説しちゃる!」となるベテランプレイヤーが、一緒にボードを囲むという理想郷があれば別ですが。

奉行その辺はプレイ環境だよな。「少しのことにも、先達はあらまほしき事なり(ちょっとしたことでも、指導者はあってほしいものだ)」だ。

エルドリッチホラー ユゴス

奉行ところでユゴス星とはいかなるところかな

与力あまりよい所とは申せませんな