『パンデミック:新たなる試練』(ボードゲームプレイ感想編)

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【登場人物】

与力藩の買掛担当。こう見えてハリウッド好き。でも、見ているのは爆発とか銃撃とか沈黙とかに寄っているとかなんとか。

奉行藩の決裁担当。映画やドラマに疎いが、与力の会話に付き合っているうちに、(若干系統が偏りつつも)知識がついたとかなんとか。

奉行さて、いまさら『パンデミック』というのもまた、随分遅きに失した感が無きにしも非ず、だが。

与力ええと、『パンデミック:クトゥルフの呼び声』とか『パンデミック:イベリア』とか、元気にスピンオフタイトルが発売されていますので、我々も本家も紹介しておくに越したことはないかなあ、というコンセプトだとかなんとか、理由はつけてあります。大丈夫です。

奉行ふうん。ところで、プレイ前の確認だが、我々が長く親しんできた2008年版と2013年版で、何か大きな変化はあったのかな。

与力2013年版は、全体的なデザインが近未来感あふれるものになったかな、と思います。大きなところでは役割が増えてますね。イベントカードを1回再利用できる「危機管理官」と、自分の周囲の都市に病原体コマを置かせない「検疫官」は、新版からの登場かと。

奉行ちなみに、今敢えて旧版を購入する意味は何かありそうかな。

与力極め付きのパンデミックマニアなら、棚に置いておくと嬉しい…とか。

奉行さようか。そんなに一生懸命探すこともないということだな。

いまさらながらゲームの概要

『パンデミック』は、世界に蔓延する4種類の病原体の感染を防ぎつつ、それらを治療する特効薬を発見することが目的です。

パンデミック
病原体キューブ。無機質ですが、これが敵。

なお、写真に写っている入れ物は塗料皿です。パンデミックの拡張「迫りくる危機」に専用のシャーレが付属しているため、そちらを揃えて遊ぶとなお雰囲気が増します(拡張は新旧それぞれに対応した版がありますが、どちらにもシャーレがついてますので安心)。

奉行キューブについては、旧版では木製だったな。

与力ビミョーに形や塗装が甘いやつが混ざってましたね。

世界は4エリアに分割されており、基本的にそれぞれのエリアで違う種類の病原体が猛威を振るっています。

パンデミック マップ
青い病原体が暴れる北米・ヨーロッパエリア
パンデミック マップ
黄色の病原体が拡大する南米・アフリカエリア
パンデミック マップ
黒の病原体が危険な東欧・中近東・南アジアエリア
パンデミック マップ
そして赤い病原体で死者続出な東アジア・極東・オセアニアエリアです。

奉行世界地理の勉強みたいになってきたな。

与力なお、各色の病原体が引き起こす病気については、いろいろと想像されるところではありますが、説明書には特に明言はされていないので、お好みの病気を設定して遊ぶといいんじゃないかと思います。

奉行お好みの病気なんて普通は無いと思うが…。

プレイヤーはそれぞれ1つずつの役割を受け持ち、病原体が人類を滅亡に追いやってしまう前に、各病原体に対する治療薬を開発すれば勝利となります。

パンデミック 勝利条件
ここが…
パンデミック 勝利条件
こうなれば人類の未来が開ける。

奉行間違いがちなのが、ボード上に乗っている病原体キューブを全部取り払わないと勝てない、という訳ではないことだな。

与力たとえボード上が病原体キューブまみれでも、4つめの薬を開発した時点で勝利ですね。

奉行まあ、エンディングでヘリから特効薬を撒いて根絶していくシーンがあるんだろうな。

与力ハリウッドですねえ。

プレイヤーは、参加人数に応じた都市カードを手札として受け取ります。また、感染カードを9枚めくり、病原体の初期配置を行います。そして、都市カードの中にエピデミックカードを混ぜ、プレイヤー手札の山を作ったら、ゲーム開始です。

奉行このゲームの鍵を握るのが、エピデミックカードだな。できれば引きたくないという。

与力エピデミックカードを何枚使うかで、ゲームの難易度が変わります。枚数が多い方が引く可能性が高くなってくるので、難易度は高い、ということですね。

プレイヤーの行動も一応説明

奉行さて、プレイヤーは全員、北米のアトランタからスタートするが…

与力これはアトランタにアメリカ疾病予防管理センター(CDC)があるから、らしいですね。

『パンデミック』では、各プレイヤーは自分の手番ごとに原則4つのアクションを行います。同じアクションを連続して行うこともできます。また、役割によっては特別なアクションが使えたり、アクションの内容が少し変化することも有ります。

奉行『パンデミック:クトゥルフ』と同じような形であるな。

与力そりゃまあこちらが本家本元ですから。

主なアクションは以下の通り。

移動:隣接する都市へ移動するか、手札の都市カードを使った直行便・チャーター便移動、あるいは調査基地間を行き来するシャトル移動を行います。
調査基地の設置:自分がいる都市の都市カードを持っていたら、それを捨てて調査基地コマを配置することができます。調査基地がある都市では、「シャトル移動」と「治療薬の発見」を行うことができます。

パンデミック 調査基地コマ
調査基地コマは全部で6個。

つまり同時に6か所までしか設置できない。そして最初の1個はアトランタに設置されている。

感染者の治療:今いる都市に置かれている病原体キューブを1個取り除くことができます。

カードの受け渡し:手札の都市カードを同じ都市にいる他のプレイヤーに渡すか、受け取るかできます。この時受け渡しできるのは、両プレイヤーが一緒にいる都市のカードのみです。

奉行カードの受け渡し…これがなかなか足枷になってくるのだよなあ。

与力つまり、例えば「東京」のカードを受け渡ししたければ、2人のプレイヤーがどちらも東京にいなければならず、やりとりできるのは「東京」のカードのみ、ってことなんですよね。

奉行したがって、プレイヤー同士が離れ離れになりすぎている場合は当然、渡したいカードの都市まで距離がありすぎる場合には、かなり厳しくなる。

治療薬の発見:調査基地コマが置かれている都市で、同じ色の都市カードを原則5枚捨てることで、その色の治療薬を発見したことになります。

奉行カードを手元に貯めることで治療薬の発見につながっていく訳だが…

与力手札上限は7枚ですんで、2色のカードを集めていくのは難しいですね。上手く全員の手札をやりくりして、できるだけ1人1色ずつ集めていく感じがいいかなあ、と思います。

奉行なお、治療薬が発見されている色の病原体がボードから1つもなくなった場合、病原体は「根絶」されたことになる。以後、その色の病原体キューブが配置されることはなくなるぞ。

与力勝利条件には含まれませんが、ゲーム進行のうえで余裕が出てくるので、狙えるようなら狙いたいところです。

そして以下のように状況が悪化します♪

手番のプレイヤーが4アクションを終えたら、手札の補充と感染の拡大を行います。

奉行来たな。一番緊張するところだ。

与力手札補充って、フツ―はうれしいタイミングなんですけどもね。このゲームはちょっと違う訳です。

まず、プレイヤーは手札を2枚補充します。都市カード、あるいはプレイヤーを有利にするイベントカードを引いた場合には、そのまま手札に加えられますが、エピデミックカードを引いた場合には、爆発的感染によって、世界の状況が悪化します。悪化の手順は以下のようになります。

パンデミック 感染率
まず、「感染率」が上昇します。

感染率は、病原体が拡大していくスピードを示します。最初は2から始まりますが、エピデミックカードが引かれるごとに、1つ上昇し、最大で4になります。

次に、感染カードの山札の一番下からカードを引き、そのカードの都市に病原体キューブを3つ置きます。

最後に、感染カードの捨て札を取り、シャッフルして未使用のカードの山の上に戻します。これにより、今まで病原体が発生していた都市のカードが山札に戻るため、爆発的に病原体が増加する恐れが出てきます。
1つの都市における病原体キューブは1色につき3つまでで、すでに3つある都市にキューブを置かなければならなくなった場合、“アウトブレイク”が発生します。

奉行しかも直前に3つ置いた都市のカードも戻っているから、少なくとも一つの都市では“アウトブレイク”が発生する可能性が生じるのであったなあ。

与力ですね。エピデミックカードが連続した場合、あっという間に窮地に陥るのは、病原体が同じ都市に何度も現れるこのシステムのせいですね。

奉行まったく、恐ろしい事だ。

手札の補充が終了したら、(エピデミックが起きていようがいまいが)病原体の新たな感染の処理を行います。感染カードの山札の上から、感染率と同じだけカードを引き、そのカードの都市に病原体キューブを1つずつ置きます。

パンデミック 感染
さて、どこに置くことになるか…

奉行この写真だと、アウトブレイクが恐ろしいな。

与力そうですねえ。

なお、アウトブレイクが起きた時の処理としては、

パンデミック 感染処理
まず、アウトブレイク表が1つ進みます。

更に、キューブを置けなかった都市につながっている周辺の都市すべてに、置けなかったのと同じ色の病原体キューブを1個ずつ配置しなければなりません。

奉行そして、飛び火した先の都市にも3つ置かれていた場合…

与力連鎖するんですよね。この連鎖は、『パンデミック:クトゥルフ』では無くなっていた概念ですね。

奉行あちらの相手は邪教徒だからな。むしろ、さすがにこの様子で増殖したら手に負えない上だろうし、不気味すぎるぞ。

パンデミック 感染処理
したがって、こんなことも起きます。

奉行これは香港で起きたアウトブレイクがお隣のバンコクに飛び火して、そこでもアウトブレイクを引き起こしたの図であるな。

与力こうなったらもう覚悟を決めた方がいいってパターンです。

以上の手順を1人ずつ行い、4種類の治療薬開発を目指します。ただし、以下の場合にゲームは敗北となります。

  • アウトブレイクマーカーが最後のスペースに到達してしまった。(8回目のアウトブレイク)
  • 病原体キューブを配置しなければならないのに、足りなくて置けなかった。
  • 手札を補充するときに、山札が尽きていた。

奉行負け筋は色々とあるんだよなあ…

与力特にじっくり構えすぎていると負けるパターンが多いですね。

奉行巧遅は拙速に如かず、じゃ。世界を救うにはスピード感と緊張感を持って真摯に取り組んで参らねばならぬぞ。

与力どこの政治家ですか。

『パンデミック』【ここがイカス!】

奉行協力ゲームでは傑作中の傑作だと思うぞ。今でもナンバーワンと言っても過言ではないのではないか。

与力どの辺りがですか?

奉行いろいろあるとは思うが…わしが一番気に入っているのは、プレイのスピード感じゃな。考え所は確かにあるが、プレイヤーがやれることは明確なので、かなりサクサクとゲームが進行する。箱にプレイ時間45分とあるが、初プレイでなければ、ほぼそれで間違いないくらいだ。

与力なるほど、スピード感ですか。

奉行危機が迫っておるという設定であゆえ、気分的にも良いと思うぞ? あとは、毎回の展開じゃな。まあなにせ毎回世界危機の初期配置は異なっておるからして、毎度毎度飽きることはない。

与力ふむふむ。

奉行また、プレイヤーに割り振られる役割も秀逸じゃな。どの役割でも、どれか一つの行動に秀逸な能力を発揮することができるので、全員に活躍の場がきちんと巡ってくる。「たのむ!来てくれ!」みたいな場面が何度もあるぞ。だから全員ヒーローになれて、本当に楽しい。

与力昔は「作戦エキスパートの能力はどんなもんだろうか…」なんてことも有った気が…。

奉行それは触れてやるな。彼もその後、大変力強くなった。

与力失礼いたしました。ちなみに、だいたいそういうスペシャルな能力は回数制限なんかがかかったりするものですが…

奉行それが無いというのも、かなり気楽に遊べるポイントでもある。

『パンデミック』【ここはちょっと…】

奉行協力ゲームを語る際に避けて通れぬ「奉行問題」が顕在化しているゲームであるのは、仕方がない点だ。

与力いわゆる、「慣れている人や先を読める人が周りにアドバイスを通り越して指示を出すようになってしまい、他プレイヤーがその人の指示通りに動くだけになってしまう」という問題でよろしかったでしょうか。

奉行そんな感じであろう。まあ、それだと協力しているのか数合わせで参加させられているのか分からなくなってしまう人も出てきてしまう。かといって、明らかに不利な手を打とうとしている仲間がいる、というのであれば、アドバイスを送りたくなるのもわからんではない。

与力悩ましいっすねえ。助言を求められたらごく短いアドバイスにするとか、いくつか選択肢を提示してあげるくらいなら許されますかねえ?

奉行まあ、『パンデミック』に限らず、協力ゲームを遊ぶ時には、場を囲んでいる同士でよく相談するしかあるまいなあ。

与力ゲームの内容的には何かありますか?

奉行役割の組み合わせによっては難易度が結構変わるゆえ、初心者が混じったり、高い難易度で遊ぶ場合には、そこら辺は慎重に選んだ方がよいかもしれん。って、これは攻略法か?

与力つまり、あれですね…

パンデミック プレイヤーキャラクタ

仲間を移動させられる「通信指令員」と、高い病原体除去能力を持つ「衛生兵」の組み合わせなんかは相性がいいですが…

パンデミック プレイヤーキャラクタ

都市カードの受け渡しが自由な「研究員」と、治療薬開発のためのカードが4枚で済む「科学者」の組み合わせは、2人だとちょっとつらい。

与力みたいなことですね。でも、これ、今回の敗北体験に基づいてますね?

奉行まあとにかく、役割の組み合わせもエピデミックカードの枚数と同じくらいゲームの難易度を左右する要素だぞ、と、そう言いたかったのだ!

パンデミック 勝利
苦労が報われた勝利の瞬間

与力正直、勝利の瞬間はア〇マゲドンの主題歌(byエア〇・スミ〇)を、大音量で流してもいいくらい「感動できるゲームNo1」だと思ってますよ。

奉行その方も大概ハリウッド好きじゃな。

与力別にス〇ィーブン・セ〇ールのカントリーミュージックでしめてもいいんですが。

奉行このゲームに銃撃戦や、国家の陰謀といった要素を追加するのはよせ!

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投稿者:与力

ボードゲームやコンピューターゲームが好きな30代。ボードゲームは毎月買いたいものの、予算不足などの問題から、購入候補を厳選すべくネットサーフィンに勤しむ「買掛担当」。 相棒たる「お奉行」は一番のボードゲームプレイ仲間。いざと言う時に優柔不断な与力に変わって、最終選択を担っている「決裁担当」。

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