パンデミック:迫りくる危機(ボードゲームプレイ感想編)

ボードゲーム愛好

『パンデミック:迫りくる危機』を遊んでみた

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【登場人物】

与力買掛担当。「紫」と言えば、ガンダムのドムですよ。

奉行決裁担当。「紫」と言えば、TO●IOの松岡さんを想像します。

3つの追加ルールだが、うち1つは見なかったことにする。

奉行なんじゃなんじゃ? いきなり脱力するようなことを言い出すな、おぬしは。

与力こればっかりはしょうがないんです。「バイオテロリスト」チャレンジは、説明書に「最低3人、できれば4人」とか書いてあるんですもの…。

奉行たしかに、それならばやむを得ぬなあ。

この『迫りくる危機』で追加されるのは、4種類の病原体のうち、1つが突然変異して大暴れする「猛毒株」チャレンジ、第5の病原体が出現する「変異種」チャレンジ、プレイヤーのうちの1人が世界をパニックに陥れんとするテロリストに扮する「バイオテロリスト」チャレンジの3つのルールです。

パンデミック:迫りくる危機
あと、役割もこのように追加されます。

与力追加された役割は、相当強いのも混じってますので、要確認です。

奉行ほほう、なるほど。

与力それから、イベントカードが新しく追加されているのと、プレイ人数に応じてイベントカードが増減する、というルールが入っています。あと、5人プレイに対応したとか、この辺は全部基本ルールの変更ですね。

奉行ひっそりと基本と同じエピデミックカードが入っておったが、これは?

与力上級では物足りなくなった人のために、7枚のエピデミックカードが出現する「伝説」レベルゲームが遊べるように、というご配慮ですね。

奉行…わしら、上級で勝てたのって何回あったっけ?

与力1回ですね。プレイしたのは10回くらいなんで、勝率1割ですか。

奉行それ以上の難易度って、なあ。

パンデミック:迫りくる危機
なお、ボードは入っていません。(写真は基本ゲームのもの)

予測不能、「猛毒株」

パンデミック:迫りくる危機
猛毒株チャレンジ用のエピデミックカード

「猛毒株」チャレンジでは、エピデミックカードを通常のものではなく、専用のものに差し替えて遊びます。それ以外の準備は基本ルールと変わりません。4種類の病原体の内、猛毒株に変異した病原体は、エピデミックが起きるたびに、特殊な効果が適用される手強いものとなります。

奉行ああ、『パンデミック:イベリア』の「歴史上の疫病」チャレンジ的な能力を持つ病原体が現れる、ってことだな。

与力あれの元がこれかもしれないですね。あと、むこうはそれぞれの病原体ごとに効果が固定されていましたが、こっちはどれが能力を持つか、どんな能力を発揮するか分からないってことがあります。

奉行そこは何とも厄介じゃのう。

パンデミック:迫りくる危機
例えばこのカードなら…

「猛毒株の病原体コマがあったら、最低1個は治療してからでないとその場を離れられなくなる」という事態になります。

どの病原体が猛毒株になるかは、最初のエピデミックカードが引かれた時に決まります。その時にボード上に最も多く配置されている色の病原体が、猛毒株化するのです。

パンデミック:迫りくる危機
とはいえ、まあ。

奉行ふふふん♪ ベテランパンデミッカーの我らとしては、十分に対処しようがある。

与力「猛毒株」チャレンジの標準ルールでは、エピデミックカードが4枚しか入ってないですからね。6枚になったらこうもあっさりいくとは思えませんが。増やしましょうか?

奉行調子にのってすまなかった。

パンデミック:迫りくる危機
奉行が衛生兵、与力はトラブルシューターでした。

危険なアイツ、「変異種」

パンデミック:迫りくる危機
はじめまして。

奉行紫は本来、高貴な色なのだぞ?

与力この病原体も、名門出身の病原体なのかもしれませんよ。

奉行うぬぬ。

「変異種」チャレンジでは、治療すべき病原体が1種類増加し、5種類となります。従って、プレイヤーが勝利するためには、5種類のワクチンを生成する必要があります。

パンデミック:迫りくる危機
付属のカードでボード上にワクチン置き場を作る。

「変異種」ワクチンの作り方は、紫の病原体コマが配置されている都市のカードを1枚以上含む5枚の都市カードを捨て札にすることです。

奉行なんじゃ、さほど面倒ではないな。

与力そう思うじゃないですか。

パンデミック:迫りくる危機
変異種は感染処理時に出現する…

変異種病原体の動きは非常に変則的になります。感染処理時に「変異種出現カード」が引かれるとボード上に現れますが、このとき、感染カードの山札の一番下からカードを引き、出現する都市を決定します。

奉行エピデミックの時と同じ処理が入るのか…

与力という訳なんで、こいつが出てくると対処しないといけない都市が増えるんですよね。

また、変異種専用のイベントカードが、エピデミックカードと同様にプレイヤーカードの山札から出現します。

与力これが突然考えてもいなかった都市に紫コマを置くよう指示してくるので…

奉行こいつを引いてしまうと、対処する都市がまた増えてくるのか。ううむ。おたおたしている間に増えよる。

パンデミック:迫りくる危機
変異種に立ち向かった奉行の標本管理者と、与力の現地調査員。

与力標本管理者は手札が1枚多い上に、今いる都市のカードを捨て札から再獲得できる。現地調査員は病原体コマを採取して、一定数溜まると都市カードの代用にできる、となかなか面白い能力の持ち主ではありますが…

奉行紫コマの動きが広範囲で対処しきれんのよ。警戒していなかったところから突然生えてきよる。

パンデミック:迫りくる危機
奉行、変身。

奉行このままではじり貧だ。スピーディな対応力を強化したいので、研究施設を立てられる作戦エキスパートにジョブチェンジ!

与力新しいイベントカードの効果ですね。

パンデミック:迫りくる危機
なんだかんだ、勝利。

奉行…これ、エピデミック4枚だったか? 初級だな?

与力はい。紫の病原体コマは12個と、他の色の半分しかないので、実に気をつかわされました。

『パンデミック:迫りくる危機』【ここがイカス!】

奉行とりあえず新しい役割、新しいイベントカードが追加されるだけでも、基本ゲームが結構変化するので面白いぞ。

与力新しく追加されたキャラクターは、プレイヤーカードの枯渇に対処できるような能力持ちが目立つので、特に4人プレイの時に有利になるかもしれませんね。

奉行4人だとカードの回りやらなんやら、気を使うからなあ。「捨てざるを得ない」からの「足りぬ!」はよくある話だった。

与力体験した2つのチャレンジルールはどうでしょうか。

奉行どっちも悪くないな。エピデミックカードを入れ替えるとかその程度なので、余計な処理が増えるとか、ルールの見落としが発生する、という感じはあまりなかった。だから、『パンデミック』で気に入っている“プレイのスピード感”への影響は最低限だったかな。

与力それはよかったです。

奉行正統派な難易度アップ、といった趣なので、基本を遊び倒したと思ったら、ぜひ導入してみてもらいたい。

与力個人的には「変異種」チャレンジがお気に入りです。根絶しないといつまでも変な所から襲ってくるのが面白い。

奉行ワクチン作れたといっても油断できんのだよな。ある意味でリアリティがある…。

『パンデミック:迫りくる危機』【ここはちょっと…】

奉行カードの印刷の濃淡が気になる。

与力基本ゲームとの差ですか?

奉行もしかしたら、最近流通しているやつでは解消されているかもしれんが、わしらが遊んだやつでは、プレイヤーカードの裏面が大分薄いんだよな。だから、山札からカード引くときに、「お、これは拡張のカードだな」って分かってしまった。

与力うーん、イベントの発生がばれてしまいますねえ。

奉行ま、気にし過ぎと言えば気にし過ぎかもしれんが、基本と拡張の色具合やカードサイズの微妙な差は、ゲームを公平公正に遊びたい人にとっては、少々気になる点ではあろう。

与力内容はすごく面白いんで、そこは何とか目をつぶっていただきたいところです。

奉行あと、「バイオテロリスト」チャレンジは、これ、字面が凶悪でルールがちょっと面倒な『スコットランドヤード』だな?

与力あっ、はい。

奉行これはどんなもんなのかなあ。いつか遊ぶ機会があったら、感想を述べたいものだ。

与力やりましょうやりましょう、是非。

パンデミック:迫りくる危機
敗北を覚悟した一瞬(直後に5個目のワクチン完成)。

奉行プレイヤーコマやワクチンコマがプラスチック製になっていたのも、個人的には少し残念であった。

与力これはこれで、サイバーチックで良くないですか? 基本のコマと整合性が取れないからですか?

奉行いや、子供の頃に全く勝てなかった『ダイヤモンドゲーム』のコマを思い出させるからだ……。