『オンリーワンコレクション』を遊んでみた
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奉行藩の決裁担当。薬の調合といえば?「回復薬と蜂蜜だなあ…」
与力藩の買掛担当。薬の調合といえば?「漢方の煎じ薬を飲んでいた時期がありましたが、煮出す時の匂いの強烈さに家族を困らせていました」
No1に…ならないと
奉行ふぅん、魔女が薬を調合するゲームか。
与力テーマ的にはそうですね。『クアックサルバー』とか『ワーリングウィッチクラフト』とか、海外では魔女というのは身近なテーマですけども。
奉行海外ならではだな。海賊とかも日本より身近なようだし。
与力日本発のゲームでは珍しいでしょうか?
奉行いや、電源系だがアトリエシリーズとかあるから、まあ普通なんじゃない。なにしろ、日本的に薬を調合する部分にフォーカスすると、あの腹筋ローラーみたいなやつで生薬をゴリゴリする感じになっちゃうからな。
与力薬研(やげん)ってやつですね。それはそれで見たいですけど。
ゲームの準備、ルール等については、操られ人形館さまのホームページから各種の方法で詳しくご覧いただけます。
https://ayatsurare.tokyo/product/021_only-one-collection/
奉行あ、サボったなこやつ。
与力サボってないです。製作者様が間違いの生じぬよう公開されているものがあるのであれば、そちらを案内するのが正道というものです。
奉行一応簡潔にまとめてもらってよいかな。
与力基本的には、まず全員にスコアボードとプレイヤーマーカーを配布します。そしてカードを「1」を除く材料カードを全部混ぜて山札を作ります。で、一番下から5枚をとって、その上に「1」を乗せてからまた山札の下に戻します。
奉行あれか、出てきたらゲーム終了の合図ってやつか。
与力ご名答。ですので、「1」の材料カードは両面表…でいいのかな? どちらもイラストが印刷されている仕様ですね。
奉行裏表が無いということだな。
与力で、山札から人数分のカードをめくって、カード列の最初の行を作ることになります。ただ、今回は2人なので、+1で3列作ります。
奉行2人プレイは準備が少し異なると。
与力はい。材料カードもよく見ると下の方に「3、4」とか「4」と黒丸の数字が描かれているものがあります。これらは、それぞれ「3人から用」「4人から用」のカードですので、山札を作る時にゲームから除外して箱にしまっておきましょう。
一人一人違う列を取る
与力さて、このゲームは基本的に「自分の欲しいカードを集めていく」というごくシンプルなプレイが中心です。
奉行シンプルじゃな。
与力ただ、勝とうと思うと、取り過ぎてもよろしくなかったりします。相手の動向をよく見ること、選択と集中をしっかりすることが肝要です。
奉行急に難しげなことを言い始めおったな。
与力で、ゲームは、「準備フェイズ」「探索フェイズ」で構成される「ラウンド」を終了条件に到達するまで繰り返し行なっていきます。
奉行ふむふむ。
与力「準備フェイズ」というのは、ラウンドの開始時にカード列の最初の行を作る作業です。
奉行まあ、場を整えるということじゃな。
与力そして「探索フェイズ」はさらに2つに分かれます。“材料探し”か“採集”かです。
奉行うん、なんとなく分かるな。前者は山札からカードを引いて列に並べる。後者はどれかの列を引き取る、じゃろ。
与力おお、さすがのご賢察。
奉行まさに『コロレット』的なことじゃな。
与力ただ、材料探しにはいくつか制限がございますので、気をつけなければなりません。まず、1列には最大4枚までしかカードは並べられません。もしもすべての列が4枚になったら、その後は採集を選ぶしかなくなります。
奉行ふむ。であれば、2人プレイでは最大3×4の12枚までしか並ばんのか。
与力それから、列に既に並んでいる数字のカードと同じカードを並べてしまうと、バーストが発生します。
奉行バーストするのか。
与力はい。数字には「A・B」といったアルファベットが追加されている場合も有りますが、バーストの判定ではそれらは無視します。例えば「4A」と「4B」は同じとします。バーストさせたプレイヤーは、山札から引いてきたカードを手元に獲得し、その列に置いてあったカードはすべて捨て札とします。そしてラウンドから離脱します。
奉行あ、なるほど。どこをバーストさせるかは選べるわけだ。それが嬉しいかどうかはわからんが。
与力場合によっては嬉しいかもしれません。
奉行で、採集は?
与力どれか1列のカードを全て獲得し、ラウンドから離脱します。獲得したカードは自分の前に整理して並べておきましょう。ちなみに、ラウンドに最後まで残っていたプレイヤーが、次のラウンドのスタートプレイヤーになりますので、スタートプレイヤーチップを受け取ります。
奉行獲得カードは公開情報になるのだな。
与力採集やらバーストやらでプレイヤーが離脱していき、最終的に全プレイヤーが採集するか、バーストするかして全ての列が無くなったらラウンド終了です。たら、2人プレイではちょっと違った列の動きをしますので、ここは例外になりますね。
奉行常に1列が次のラウンドに繰り越される形になるのだな。
得点を取ることだけに一生懸命になればいい
奉行まあしかし、カードを引くか列を引き取るか、どこを潮目にするかの加減よな。相手を利したくもなし、不意のバーストもしたくもなし。しかしラウンドから早々に降りるも勿体なし。
与力色々考えはおありと思いますが、準備で山札の下から6枚目に入れた「1」が引かれて列に並びましたら、そこで全プレイヤーは材料探しができなくなります。山札は最早引けず、列を引き取るのみとなります。
奉行終了の合図が出たのだな。うーん。
奉行で、これがどう得点になるのだな。
与力はい、ここがこのゲームの心髄といっても過言ではございません。というよりもむしろ、この「何がどう得点になるのか」をよく知らないと、得点が伸びませぬ。
奉行なんと。
得点計算が開始されたら、まず「特別な材料」による得点を計算します。これはカードにカギの絵が描かれているカードが該当します。1枚1点です。
続いて、材料カードの獲得による得点計算です。ここでは「1」から「10」までの材料カードについて、小さい数字から順に各プレイヤーが何枚獲得できているかを比較していきます。
与力一番たくさん獲得できていたプレイヤーが、対応する同じ数字の魔法薬チップをもらって1点獲得します。あと、スタートプレイヤーチップも手元に置きます。
奉行1点? 何枚持っていてもか?
与力はい、基本は1点です。ただし、ここから2パターンのボーナスが入ります。まず、捨て札を確認してください。捨て札の中にいま比べていたのと同じ数字のカードがあれば、それが1枚1点になります。
奉行今度は1枚1点か!? 急に跳ね上がったな!?
与力ただし、この捨て札ボーナス点は2人プレイの時には加算されません。
奉行な、なんじゃ、大声を出させよって…。
与力いえ、まだもう一つボーナスが有ります。次は、自分の右隣のプレイヤーが獲得しているカードを見てください。その中にいま比べていたのと同じ数字のカードがあれば、それが1枚1点になります。
奉行なぬ。
与力なんか、リアクション薄くなりましたね、急に。
奉行…つまりだ、ラウンド中は自分が集めたいカードを総取りしていくのではなく、ほどほどに取りつつ、特に右隣が取ってくれるようにセーブしつつ、のようなさじ加減を利かせた立ち回りが求められていたのだな?
与力高得点を目指すならば、そうなります。
奉行因みにだ、獲得した枚数が同じであればどうなる?
与力その場合には、スタートプレイヤーチップを持っているプレイヤーが優先されます。
奉行…あー、つまり、前の数字比べで勝っていたプレイヤーが有利になる訳か…。
与力ですので、連続した数字のカードを上手く集められているほど、勝ちやすくなるはずですね。
奉行バラバラなのではなく、5、6、7のように連続したところを狙うべき…考えることが増えた。
与力以上の計算を行って、一番得点を稼いだプレイヤーが勝利ということになります。以上、大まかな説明でございました。
奉行確かに、なにをどうすると点になるか知っているかいないかで、だいぶプレイが変わるのう…。
『オンリーワンコレクション』【ここがイカス!】
奉行第一に、絵柄が可愛い。素晴らしい。
与力いの一番に目が行くところですね。
奉行これは衆目の一致する所だと思うよ。で、ゲーム。これも特に迷うことは無いね。カードを引いて並べるか、取って降りるかの2択じゃから。
与力やることはごくシンプルです。
奉行そしてそこにバーストの危険性という、ちょっとしたスリルも加えられていてな。
与力山札を引くときのドキドキ感はいいですね。カード枚数は各数字と同じですから、8とか9とかの高めばかりが列に出ていると、バーストの確率考えてビビったりしますよね。
奉行そんな感じでカードの引きに任せた遊びでも楽しいのだが、条件付きの得点計算を理解して遊び始めると、考えることが一気に増えるな。これもよい。
与力右隣のカードが自分の点になるとか、なかなかですよね。
奉行ライバルが多くなりそうカードなら、敢えてバーストさせて捨て札送りにしてしまうとかな。戦略的バーストじゃな。
与力この得点計算が、ゲームプレイを面白くしてくれますね。
奉行じゃな。ゆえに、お主が申すように初プレイ時には、得点計算をよくよく各プレイヤーに説明する必要が有ろう。
与力あと、私としては使い魔カードを使ったプレイも試してみたいですね。どうなるんでしょうか。
『オンリーワンコレクション』【ここはちょっと…】
奉行「実は結構考えます」という要素が、見た目とのギャップを生んでおるな。
与力それはまあそうですね。坊主めくり的な運次第ゲームかと思いきや、周りの状況を見て勝てるギリギリのラインを狙って調整するゲームですから。
奉行そういう点でカウンティングをしておると当然強かろうと思うが、まあ各プレイヤーの獲得カードは公開情報になっておることだし、考えすぎるプレイヤーは出ぬかな?
与力その辺りはどうでしょうねえ。
奉行繰り返しになるが、なにがどう得点になるか、その辺りが理解できているかいないかは非常に重要だ。下手にカードを集めても2位には何も与えられず、あまつさえ隣を利することすらあり得る。その時に「え、なんで?」とならぬように、気をつけないとな。
与力インスト重要ってやつですね。左隣と同じカードを集めて熱くなり過ぎないことが大切です。
奉行ゆえに、争いが発生した時はどこまで突っ張るか、あるいは適当な所で降りるか、判断が肝要となるる…目の配りどころが多いゲームじゃな。
与力直接的なインタラクションはないですが、他プレイヤーの動向から目を離していると、得点が伸び悩みそうなゲームではあります。
奉行場の全体を見るという習慣がつきそうで逆に良いかもしれぬ。他のゲームにもいろいろ応用が利くじゃろ、そういうのはな。
奉行なんか思いのほか得点が伸びて、得点トラックを1周以上してしまった。
与力私がことごとく微妙な競り負けをしたせいで、お奉行の点がすごく伸びたんですね。くそう。
奉行ははは。「与力さん、優しいやよ!」ってな。
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