戦国トルネード(ボードゲームプレイ感想編)

ボードゲーム愛好

『戦国トルネード』を遊んでみた

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【登場人物】

奉行藩の決裁担当。竜巻と言えば?「竜巻旋風脚。後、ポケモンのわざの”たつまき”って、ちとモチーフに反して弱すぎなかったか?」

与力藩の買掛担当。竜巻と言えば?「竜巻旋風脚、あるいは野茂英雄」

人間五十年

奉行内閣総理大臣かあ。

与力なっていましたね、その役職にも。

奉行女の子になってみたりな。

与力『織田信奈の野望』ですか? 考えてみれば、信長公も現代社会で色々酷使されていますね。

奉行なんかで「転生者とかタイムトラベラーとか来過ぎているから、そろそろ信長はUSBの規格の違いくらいは理解している」みたいな描写を読んだが、げに、な。

与力私の世代だとファミコンの『時空の旅人』ですかね?

奉行ああ、あれか…。あれは…いや、こんな無駄話より、本題のゲームを始めんか。

ゲームの準備を行います。各プレイヤーは車座にすわり、サマリーカードを1枚受け取ります。ゲームカードをよくまぜ、裏向きにして山札にして、場の中央に置きます。
山札からカード2枚を引き、表にして2色のカードが並ぶように配置します。これで場の準備は整いました。もっとも声の高いプレイヤーがスタートプレイヤーになり、ゲームを開始します。

戦国トルネード
出陣の支度が整いました。

奉行車座になる。身分の上下は無いという一揆的なアレか?

与力いや、どうなんでしょうか。

奉行声が低い人しかいない場合はいかがいたすかな。一番最近部下を叱責した人とか?

与力それ、下手すると寝首を掻かれますよ…。

天下布武

与力ザックリまとめて説明すると、このゲームは、カードの組み合わせを集めて高得点を目指すゲームです。

奉行ほうほう。『コロレット』的なことかな。

与力まず、「獲得フェイズ」で集めてくるカードには、信長軍団の味方武将と、敵勢力が混ざっています。そして続く「合戦フェイズ」で、自分の軍団で集めてきた敵勢力を倒す、という二段構えになっておりますよ。

奉行信長なら三段構えでもよさそうじゃがな。

与力ゲームが冗長になるでしょ。という訳ですので、「自分の軍団を強化できて、倒したい敵がいる」組み合わせのカードを取ってくるのが大切ということになりますね。

奉行自分で引き取り、自分で倒す。JJ方式じゃな。

ゲームは「獲得フェイズ」から始まります。手番のプレイヤーは、まずカードの配置を行います。山札から1枚引くか、山札の隣に並んでいる「待機札」を、山札の下側の「中央の場」へ並べることで、配置が実行されます。

戦国トルネード
山札から登場したのは安藤守就。

与力西美濃三人衆の一人で、『信長の野望』では、政治・知略がやや評価される傾向にありますね。本能寺の変の前くらいに信長に追放され、本能寺後に再起をかけて挙兵しましたが、おなじ西美濃三人衆の稲葉一鉄に打ち破られて、滅亡した人です。

奉行まさか1枚ずつそれをやるのか(ゲッソリ)。

与力流石に文字数の関係でやりません。やりませんが、配置の際にはルールが有りまして、「同じ色のカードが中央の場にあれば、必ずその下に並べる」というものです。

奉行ふむ?

与力たとえば、写真のケースでは、次のプレイヤーが、待機札にある青の「丹羽長秀」を配置することにしたら、同じ青の「安藤守就」の下に並ぶことになります。緑の「前田利家」や、赤、黄のカードを並べる時、「安藤守就」の下にくることはありません。

奉行なんか一生分の安藤守就を聞いた気がするな。

与力そんなことはないです。こうして並べられた同色のカードは、ひとまとまりのグループとして考えます。これが次のカードの引き取りに関わってきますね。

配置を行ったプレイヤーは、次に今回自分がカードを配置していないグループを、1つまとめて引き取ることができます。欲しいカードがない場合には、引き取らなくても構いません。

戦国トルネード
ゲームが進行して、こんな感じになったとして。

与力場に出ているのは4色です。このうち、「自分がカードを置かなかった列」のカードを全部引き取ることができる訳です。

奉行つまり、引き取ることを視野に入れて、カードを置かなければいかんのか。うかつに坊主めくりしていてはならぬのだな。

与力そしてカードの引き取りには、もう一つ制限がありまして。

戦国トルネード
引き取りコマンドには回数がある。

与力最初に配布されたサマリーカードの表面の四辺に、「残りあと○回」という表記がございます。これが、1回のゲーム中にカードを引き取れる回数を示しています。いま1回引き取ったので、サマリーカードを回転させて、3回に減らしました。

奉行なるほど。つまり「欲しいカードだから」ということで、1枚しかないグループを引き取ったりすると、軍団強化もままならないうちに手仕舞いになってしまうということか。

与力その通りです。ですので、どこまで堪えるかが肝要になってまいりますね。

引き取りを終えたら、補充を行います。山札の横に置かれている2色の待機札の片方が使われて空いていた場合、山札から1枚補充します。すでに待機札に置かれているカードを同じ色だった場合には、重ねて置き、さらにもう1枚引いて、2色のカードが並ぶようにします。

与力と、多少細かいルールは省略しておりますが、これを繰り返して手番を進めてまいる訳ですね。

奉行ふむふむ、自分の軍団と、その軍団で倒せそうな相手を引き取っていく、と…。

与力「全プレイヤーが4回引き取りをおこなった」か「山札も待機札もなくなった」ら、このフェイズは終わり、合戦フェイズに入ります。

天下静謐

戦国トルネード
引き取ったカードを敵味方に分けました。

与力はい、カードが並びました。ここで大切なのは、敵のカードはレベル順に並びます。そして、「より低い」レベルの敵から倒していかないといけません。

奉行弱敵を無視して大敵を倒すことはできぬ、と。

与力そうです。レベルの高い敵ほど高得点ですが、倒すためには軍団が充実していないといけないんですね。

奉行なるほどのう。

与力そういうことで、合戦フェイズは、集めた信長軍団の味方武将、敵勢力とのカードの組み合わせで、どれだけ得点を獲得できたかを確認していくフェイズと思ってください。

奉行よし、では見てまいろうか。

与力手順がありますので、それに従ってみていくのが推奨されています。というわけで、やってまいりましょう。まずは2種類の特殊アイコンをもつ武将カードですね。

①文化人コンボ

「文化」のアイコンが3つ以上集まっていれば、4点の敵を獲得し、レベルⅠの敵を自動的にすべて倒すことができます。

②美濃人コンボ

「美濃」のアイコンが3つ以上集まっていれば、レベルⅢの敵を1枚だけ倒すことができます。

戦国トルネード
やはり文化。文化は全てを解決する。

奉行ほお。そういうところに着眼して味方武将を集めておく必要がある、というやつだな。

与力はい、ただし、この写真では文化人コンボは炸裂いたしません。

奉行なぜ?

与力実は「前田利家」の文化アイコンは、4人以上のプレイ時に有効となります。ただいまは2人プレイですので…。

奉行ただの槍の又左なのかあ。ええい、お前は冷水の風呂にでもつかっておれ。

与力強いは強いのでいいんですよ。

③味方カードの効果解決

味方の武将カードの下側には、1~5の数字がふられた特殊効果が書かれています。これを1~3まで順に解決していきます。4と5は、合戦の際に発動する能力です。

戦国トルネード
なぜ裏切ったのか結局よく分らない人を説得。

奉行ほー、こういうのもあるのか。

与力ですので、合戦に持ち込む以前に何とかできてしまえる敵味方の組み合わせを覚えておくと、強いかもしれませんね。これで荒木村重は裏返り、味方の援軍として使うことができるようになります。

奉行またいつか裏切りそうじゃけどね。

④合戦

味方の武将カードの左側に描かれている戦力アイコンを必要数だけ集めて、敵を倒していきます。

戦国トルネード
だいたい、こんな感じ。

与力先ほども申し上げた通り、必ずレベルの低い敵から倒していきます。で、敵カードの下部に、その敵を倒すためのコストとして戦力アイコンが描かれています。写真の六角承禎なら、刀1個ですね。ですので、刀1個のアイコンを持つ味方武将をぶつけてやれば、倒したことになります。

奉行ここでは佐久間信盛を起用した、と。

与力で、味方武将は使い切りとなりまして、次の戦に再起用することはできません。また、余剰戦力があっても、おつりは発生しないので、無駄の内容に陣立てをお考え下さい。例えば、六角相手に刀2個の味方武将をぶつけると、1個余りがでるということは無いのです。

奉行コストが大きい大敵相手ならば、複数の味方武将カードを組み合わせてもよい?

与力もちろんです。そうしなければ倒せませんから。

戦国トルネード
甲斐の虎、武田信玄は流石の強敵。

与力この処理を行って、「倒した敵の得点」「裏返った敵カードの得点」「アイコンのボーナス得点」の得点合計がいちばん高かったプレイヤーが勝者になります。

奉行同点であれば?

与力カードの枚数が少ない方ですね。それでも決着がつかなければ、「松永久秀」を倒したプレイヤーが勝者です。

奉行唐突な松永弾正エンド!

『戦国トルネード』【ここがイカス!】

奉行考えどころが多くていいね。

与力前後半の2フェイズに分かれているので、そう見えますね。

奉行実質的には集めるタイミングが勝負で、合戦フェイズは得点計算だからね。ただ、望まずに取っちゃったカードとか入ってくるから、そこはしっかりみんなで合戦という形で確認していくのは、面白い。

与力カードを列ごと引き取るのは、お奉行おっしゃられていた通り名作『コロレット』が最初に想起されますが。

奉行得点になるカードを集めよう!というよりは、得点になるかもしれないカードをうまく集めよう!だからね。ちょっと言葉が増える。

与力似たようなカードの動きではあるけど、って捉え方でいいですか。

奉行製作者様によれば「形を変えたリソースマネジメント」になるから、まあだいぶ違うわな。

与力テーマ性も良かったですね。

奉行うん、少ないカード枚数で、敵味方の武将の関係性までよく練り込まれていると思ったよ。見事なテーマとシステムの融合具合だ。

『戦国トルネード』【ここはちょっと…】

奉行ただまあな、もう少し武将を登用したい。

与力ちょっと『信長の野望』に引きずられ過ぎじゃないですか。

奉行もっといろんな信長軍団の武将も出て欲しいじゃない。蜂屋頼隆とか。

与力私みたいなこと言わないでくださいよ。それになんで蜂屋?

奉行いや、お主が貸してくれたマンガの蜂屋が強そうだったから…。

与力池上遼一先生の『信長』ですね。そっちに引きずられてましたか。

奉行ともあれ、カードの種類についでは、同時に発売された「ミニ拡張」を入れることで、多少緩和されるので、武将の顔を眺めて色々想いを馳せるタイプのゲーマーは、是非買うと良いと思う。

与力5人プレイにも対応しますよ!

奉行仍って件の如し、と。

戦国トルネード
松永弾正「わしってやっぱり悪人かね」

奉行若干、吉田鋼太郎さん味を感じる…感じない?

与力『麒麟がくる』の松永弾正ですね。悪評は後世に尾ひれがついた部分があるとも言われていますが、実際問題、いろいろやらかしたのは事実のようですからね。

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余談ですが、与力が一人で戦国武将っぽくゲームで遊んでいる文章とかあります。→ゲームリプレイ記録

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