大胆に、でも気をつけて
いよいよチクチクします
もふじゃあ、これから羊毛をチクチクつんつんしていきます。
与力お目覚めになられましたか。では、宜しくお願いいたします。
もふまず、作りたいものの大きさに合わせて、だいたい目分量で羊毛をそっとちぎります。
与力ふむ……ぎゅっとちぎるのではなく、そっと引き抜く感じですな。
与力ではこれを針でつついて、固めていくのでしょうか。
もふそれは大変だよ~。日が暮れても終わらなくなっちゃう。だからまず……。
もふ思い切って、ぎゅっと巻いてね。両端も真ん中に集めるように、中へ入れながらまるーくしていって。
与力丸く、丸く……なかなか指先を使いますなあ!
Tips5 材料はぎゅっと固める
羊毛フェルトは端的に言えば「針で刺して羊毛をまとめていく」のですが、ふわふわな状態の羊毛から希望の形に羊毛をまとめていくのは、とんでもなく時間がかかり、大変な労力を必要とします。ですから、まずは羊毛を「作りたい形に変形させやすい形」に、手でしっかりとまとめていきます。今回、四角いダイスを作る予定の与力は、先生の指示で羊毛を丸く、ボール状にまとめはじめました。これがちゃんと四角くなってしまうのが、羊毛フェルトの面白いところです。
針は真っすぐ、目標をセンターに入れてスイッチ。
与力だいたい、まとまったでしょうか。
もふうんうん、じゃあこの形をしっかりキープできるようにします。いよいよ針の出番だよ。
与力おっ、では早速……。
もふ慌てない慌てない。まずは基本の刺し方を教えるね。
もふ針はいつも真っすぐね。真っすぐ刺して、そのまま真っすぐ抜く。
与力真っすぐ、真っすぐ……真っすぐじゃないと、どうなるんです?
もふ針が、折れるかも?
Tips6 針は真っすぐをキープ
羊毛フェルトの針は、常に真っすぐで刺し、抜きます。先生はこれを必ず守るように強く教えてくれました。それはなぜかというと、とても危ないからなのです。
金属製の細い針は、縦の力には強いのですが、曲げるように動かして横の力をかけてしまうと、ちょっとだけしなった後、耐えられずに曲がったところからポキッと折れてしまいます。特に、扱いやすい細めの針は、この曲げに対する耐性が高くないので、思ったより折れやすくなっているのです。ですから、針を刺したら抜く時にこじったりせず、必ず真っすぐ抜きましょう。
作りたい形をイメージしておこう
もふ怖がらないでグッと刺してね。そうすると、このくらいのサイズだと、“ザクザクッ”って手ごたえがあると思うんだ。
与力ぐっ、ぐっと……。
もふ刺すと、羊毛が押し込まれていって、まとまるでしょ。それで形ができたら、今ちょっと横に細長いので、両端を刺して、丸くしていこう。あと、ピロピロってなってるとこも、刺してみてね。きれいになるよ。
与力むっ、むっ……なんかクロワッサンを作ってるというか、これは……。
Tips7 立体的によく見て刺しましょう。
まとめた羊毛は、一方向からではなく、いろいろな角度から作りたい形になっているかどうか確認しながら、針を刺していきましょう。「いい形にならないなぁ」と思って、何度も一生懸命同じ所を刺してしまって、どんどんそこだけ凹んでいってしまう……ということは、比較的有るそうです。特に慣れないうちは、ちょっと刺したらよく観察して、作りたい形のイメージよりはみ出ている、余分な刺すべきところを探してみましょう。
凹みすぎた!でも、凹まないで!
もふうん、こういうときは、少し足してあげよう。ちょっと羊毛をちぎって、かる~く指で丸めてから、このへこんでるところに当てて、刺してごらん。
与力えーっと、どれどれ……こういうことでしょうかね。
Tips8 足りないとき、羊毛は足せます。
羊毛フェルトは、「大きいものを小さくする」のはとても難しいのですが、「小さいものを大きくする」ことは比較的簡単にできます。先生によれば、「基本は足して足して、それで形を作っていくイメージかな」とのことですので、今回の与力のように、「ちょっと足した方がよさそう~」という場所には、羊毛を継ぎ足して形を補ってあげることができるのです。「大から小」ではなく、「小から大」の心構えでがんばりましょう。
もふうん、きれいに丸くなったね。これをちょちょっと四角くできたら、もうダイスは完成間近だよ。カンタンカンタン。
与力はい、あとは先生が二度寝ならぬ三度寝に突入されなければ、確かに完成間近ですね。
もふやだなあ、もう寝ないよ~。
つづく
追記:続きはこちらからどうぞ!