エルドリッチホラー 完全日本語版(ボードゲームプレイ感想編)

ボードゲーム愛好

『エルドリッチホラー完全日本語版』(原題:『ELDRITCH HORROR』)を遊んでみた

【関連記事】
エルドリッチホラー 完全日本語版 開封編/感想編(この記事)
エルドリッチホラー 拡張 失われた知識 完全日本語版 開封編感想編
エルドリッチホラー 拡張 狂気の山脈にて 完全日本語版 開封編感想編
エルダーサイン 完全日本語版 開封編感想編
エルダーサイン 完全日本語版 見えざる軍団拡張セット 開封編感想編
アーカムホラー ザ・カードゲーム完全日本語版 開封編感想編
パンデミック:クトゥルフの呼び声 開封編感想編
【登場人物】

与力藩の買掛担当。クトゥルフは『青心社の暗黒神話体系シリーズ』と『ラヴクラフト全集』は読破。「最近はタイタス・クロウ・サーガの続きが気になります」

奉行藩の決裁担当。クトゥルフは『ラヴクラフト全集』の四巻で挫折。「クトゥルフは蛸が恐ろしいものと思うておるぞ」

まず準備を頑張ろう

与力ではまず準備をいたしますゆえ、暫時お待ちを。

奉行これは骨が折れそうな量じゃな。ちと手伝おう。指示をくれ。

探索者となって世界を駆け巡り、協力して邪悪な旧支配者の復活を防ぐ協力型ボードゲーム『エルドリッチホラー』。元々時間のかかるタイプのゲームですが、プレイ前の準備が大変です。ルールに従って内容物の準備進めていきます。慣れていないと30分近くかかるかもしれません。その中でも特に大切なのは二つあります。

与力ということで、我々が操るキャラクターを決定します。お好きな人を選ぶか引いてみてください。

奉行ほほう、これはまた多士済々だのう。

各プレイヤーは、自分がゲーム中に操るキャラクター「探索者」を、全十二人中から一人ずつ選び、探索者シートを受け取ります。探索者はそれぞれに特徴が異なり、得意な行動や分野、スペシャルな特技、さらに装備品を持っていますので、違う探索者を選ぶごとに、ゲーム中の行動は変化してくるでしょう。今回はランダムにシートを引いてみました。

奉行わしの探索者は、この年増か。

エルドリッチホラー キャラクター
“予見者”ジャクリーン・ファイン。豊富な知識と鋭い観察力を持つ、頭脳労働派。

与力私はこの武骨者ですな。

エルドリッチホラー キャラクター
“エルドリッチホラーのジャン=クロード・ヴァン・ダム”(かどうかは知らない)マーク・ハリガン。強靭な体力にものをいわせて敵をなぎ倒す肉体派。

続いて、今回のプレイで復活しようとしている“エンシェントワン”旧支配者を選びます。平たく言うと今回の敵となるボスキャラです。ゲームに同梱されているのは4柱。やはりそれぞれ特徴が異なり、ゲームの難易度や内容が変わってきます。

与力ちなみに、“グレート・オールド・ワン”とは説明書には記載されておりません。

奉行クトゥルフ学的な呼称は、正しくは大分細目にわたるようだな。

エルドリッチホラー アザトース
で、今回選んだのは、“狂気に満ちた宇宙の真の造物主”アザトース

アザトースは処理が簡単なボスです。他の3柱と違って、復活してしまった場合には即ゲームオーバー。地球は滅んで探索者の敗北です

エルドリッチホラー アザトース 裏面
このように裏返ると、おしまい

奉行うへえ。つまり、泣きの一回はない訳だな。

与力ありませんよう。勝ち負けが分かりやすいので、初回プレイにはオススメの相手です。

ボスが決まったら、そのシートに指示されている内容も合わせて、準備を続行します。「神話カード」の山の作り方と、「リサーチイベントカード」「クエストカード」が、ボスによってそれぞれ変わってくるので、注意しましょう。

与力やれやれ、なんとか整いました。

奉行いやはや、これを準備している間に別のゲームができそうなくらいじゃな。

与力準備の練習が必要ですね。ある程度慣れれば、黙ってさくさく準備できます。

奉行麻雀の牌を積む時の綺麗さや素早さが、初心者とベテランで違う感じだな。

与力どういうたとえですか、それ。

探索者は何を目指す?

エルドリッチホラー 初期設定
ジャクリーン・ファインの初期設定

奉行さて、わしの年増とその方の脳筋、二人それぞれに縁の場所から始めるわけだが……

与力はい。探索者はみなマップのどのマスから何を持ってスタートするか、探索者シートに記載してありますよ。

奉行……何をすればよいのかな?

与力あらら。ちょっと見てみましょう。

実際のゲームのステップに入る前に、探索者側、つまりプレイヤー側が勝利するための条件を確認しておきましょう。このゲームは協力型なので、勝つときも負けるときも全員が運命共同体です。まず、勝利条件は、「エンシェントワンシートに指定された枚数のクエストカードを解決する」ことです。

与力ちなみに同じようなクトゥルフボードゲームの『アーカムホラー』では、ゲーム中最も活躍したプレイヤーが「アーカム第一市民」として最終的な勝者、というようなルールがあったために、勝ち負けに拘るプレイヤーは、己が勝てないとなると協力を拒否し始める場合もございましてね……。

奉行裏切りがあり得るのか。しかし、お主もつらい過去を背負っておるようだな。

一方、敗北条件は、複数あります。

  • 「破滅トークン」が0のマスに到達し、エンシェントワンが復活した後に明らかになる敗北条件が満たされてしまった。
  • すべての探索者がゲームから取り除かれた。
  • 神話カードを引く際に、山札がなくなっていて引けなかった。

奉行敗北には力負けと時間切れがある、というような塩梅であろうか。

与力おおむね、その通りです。焦って未熟なまま事を急いてもいけませんし、時間がかかりすぎてもいけません。

奉行とりあえずクエストカードの内容をよく読み、解決していくのが基本的な目的である、というわけだな。

与力はい。多くの場合、そして解決するために必要になるのは、「クルートークン」という、エンシェントワンの復活を阻止するための手がかりを示すトークンですので、ゲームが進行するに従ってマップのあちこちに出現する、このトークンを集めていくのが大切です。

奉行なるほどなあ。おおよそは分かってきた気がsるので、とりあえず挑んでみようか。

エルドリッチホラー コマ
準備万端、出発を待つジャクリーン