Welcome to…(ウェルカム・トゥ)(ボードゲームプレイ感想編)

ボードゲーム愛好

『Welcome to…(ウェルカム・トゥ)』を遊んでみた

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【登場人物】

奉行藩の決裁担当。理想の家といえば?「ハンモックがあって夏は涼しくて冬は暖かい家」

与力藩の買掛担当。理想の家といえば?「ボードゲームを幾らでも格納できる収納棚」

夢のマイホームを建てて大型犬も飼おう

奉行ふぅむ。都市計画か。理想的な多摩ニュータウンとかを建てていこう、的なゲームじゃな。

与力だいぶ高度経済成長期を思わせるご発言ですが、そんな心構えで臨んでいただければ結構かと存じます。

奉行相当雑な理解だと思うんだが、いいのか、本当に。

ゲーム開始時、各プレイヤーはペンを1本用意し、専用プレイヤーシート、早見表を受け取ります。その後、都市計画カード「n1」「n2」「n3」のグループから今回のゲームに使うカードを1枚ずつめくり、場に置きます。建築カードをよく混ぜ、27枚ずつに分けてから番地面(数字が書いてある面)を上にして3つの山を作ります。これでゲームの準備は整いました。

Welcome to…(ウェルカム・トゥ) ボードゲーム
お気に入りのペンを用意しよう。

奉行よしよし、並べたぞ。では、スタートプレイヤーを決めようではないか。どうせ“最近マイホームを建てた人”とかだろう?

与力いえ、このゲームは同時進行なんで、スタートプレイヤーとかは無いんです。はい。

奉行へ?

与力おや、鳩が豆鉄砲を食ったような顔。では、落ち着いて次の説明を聞いてください。

ああ、お隣の壁が気になる

ラウンド開始時、各山札から1枚ずつカードをめくり、山の横に公開します。これで「山=番地」「めくったカード=効果」という並びができあがります。

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このように。

与力そしたら、この3つの組み合わせの中から、好きな1つを選びます。で、シートに3列用意されている通りのうちの任意の1区画に番地を記入し、それから効果を適用します。これだけですね。

奉行ほう、好きな所で良いのか?

与力結構です。が、決まりが2つ。各通りいずれも、左から右に向かって昇順になるよう番地を書かねばならない、というのがまず1つ。

奉行ほほう、なるほどな。キレイに数字を並べていく必要がある訳だ。

与力はい、とにかく“小さい方から大きい方”ですね。昇順になるのであれば、間をあけておいて、後から入れても構いません。

奉行一番左に1をいれて、右隣は空白にして、更に右に3をいれておいたとしたら、残った空白は2しか入れられないって感じか。ふーむ、なんとなく『コンプレット』を思い出すな。

与力決まりの2つ目。各通りいずれも、同じ番地を二度使うことはできません。制限は以上です。

奉行ふむ、分かった。だが、どうしても制限を守れない場合もあるだろう? どうなる?

与力ゲームの展開によって制限にひっかかる場合もあるんですが、その場合にはシートの「建築不許可」欄にチェックを入れてください。誰かが3回目の建築不許可になったら、それでゲームは終了しますので、ご注意を。

奉行うへえ。案外とありそうだな、それ。

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途中経過。数字はうまいこと並んではいますが。

やはり雇用創出は大切なんですね

奉行で? 数字を並べていっていち早くきれいに並んだ人が勝利する、とかいうゲームではあるまい?

与力その通りです。数字がきれいに並ぶことは大切なのですが、そこに付加価値をつけて、より多くの得点を稼いだ人が勝利します。勝つためには、番地ばかりではなく、くっついてくる効果をよく理解しておく必要がありますね。

番地と組み合わせられる効果は全部で6種類あります。これらはいずれも得点の獲得・計算に大きく影響を及ぼします。

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カラフルな効果面。

①測量士(白)

番地を記入した後、好きな通りの区画と区画の間に柵を立てて、区切ることができます。

奉行柵を立てるとどうなるのだ。武田騎馬隊を防ぎやすくなるとかか?

与力何に攻め込まれているんですか。両サイドに柵が立って囲まれた区画は、「団地」になるんです。そして完成した団地は、最後にそれぞれ得点になります。

奉行ほほお。

与力それから団地に関係性が深いのは「都市計画カード」ですね。「都市計画カード」には、基本的に特定の区画数の「団地」を完成させるように指示が記載されています。

奉行うむ? 行政主導の工事計画みたいなものがあるのか。

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団地造成は重要な得点源。

与力たとえばこの一番左、「n1」の都市計画では、「5区画の団地を2つ作ってくださいよ」ってことなんです。そして「達成すると8点手に入る」ということですね。

奉行ははあ。適度なサイズに区切って、住まいを提案すると良いということか。

②不動産業者(紫)

不動産業者は、宣伝を行うことで団地の価値を上昇させることができます。

与力さっき言った通り、1区画から6区画までで完成している「団地」は、最後に得点になります。基本は1区画1点ですね。

奉行ふむ。1区画の団地なら1点、5区画なら5点、ということか?

与力はい。ですが「不動産業者」は、任意の大きさの団地の価値を上昇させることができるんです。例えば、1区画の団地を1回宣伝してもらうと、3点になります。自分の都市の状況に応じて、宣伝を重ねておくと大量得点につなげやすくなります。

奉行はあ、すごいな。不動産業者の営業は。

③造園業者(緑)

番地を記入した通りの公園を整備することができます。

奉行公園と言われるとシムシティっぽくなる気がする。

与力各通りの右肩に数列が並んでいます。「公園」を作ると、その中で一番小さい数字を塗り潰して、より高い数字が見えるようにすることができます。作った分だけ塗りつぶしていって、得点計算時に見えている数字が獲得できる得点になります。

奉行緑が多いと地価が高いってやつだな。おや、それぞれの通りで微妙に数字が違うのか。

与力注意点は「今番地を記入した通りのもの」しか塗れない、ってことですね。「測量士」の柵は好きな通りに立てられるんですが、公園はダメです。

奉行む。数字の順列の規制があるから、案外と公園ばっかりにはできそうにないなあ。

④プール製造会社(青)

番地を記入した区画にプールの絵が有れば、プールを作ることができます。

奉行いかにもアメリカの家だ。最終的に、プール付きの区画を何個整備できたかで得点が変わってくるのであろう?

与力ご明察です。なお当然と言えば当然なのですが、そもそもプールの絵が描かれていない区画では、この効果は発揮されません。

奉行ふうむ、するとプールの効果を当て込んで、プールの位置を空けておいて……みたいなプレイも求められるのか。しかし、ここでも数字のルールが立ちはだかるだろうなあ。

与力なかなか頭を悩ませる要素ですよねえ。

⑤労働者派遣会社(オレンジ)

区画に番地を書く際、数字を2まで増減させることができます。この効果により、カード上では1から15までの番地が、0から17まで広がることになります。

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例えば、こういうことですね。

与力写真の例の場合は1番地なんですが、「労働者派遣会社」の効果によって、0ということにして通りに記入しています。

奉行ああ、これはだいぶ手が広がるなあ。で、労働者を沢山使うと、また良いことが有るのであろう?

与力その通り。最も多くこの効果を使用したプレイヤー上位3名は、雇用を創出できたご褒美として得点を貰えます。

奉行都市計画ばかりか、社会貢献も考えねばならぬのか。

⑥Bis〔増築〕(ピンク)

プレイヤーは既に書かれている番地の横に、「Bis」を追加した同じ番地を記入することができます。

与力基本、同じ番地は使えないですが、唯一使える手段がこれです。まあ増築ってことなんで、広げてるという扱いになってしまいまして。

奉行ははあ。横を空けて待っているのに、なかなか理想的な番地が出てこない時、やむを得ず使う手段……といったところか?

与力そうですねえ。確かに数列は埋まるのですが、増築するごとに得点はマイナスされます。景観が悪くなるから、ですかね?

奉行そこは他より広い家と言うことにして欲しかった、と言う戯言はともかく、お助け手段じゃな。

与力注意点は2つあって、増築は複数回重ねることができますよ、ということ。ただし、増築で広げた区画の間に柵を立てることはできませんよ、ということですね。

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これらの効果は、全て早見表にまとまっていますので、ゲーム中は適宜参照しましょう。

以上の手順を繰り返し、いずれかのプレイヤーが以下の状況になったらゲームは終了となり、各自シートの得点を計算して、勝者を決定します。

  • 建築不許可3回目
  • 建築計画3つ全て達成
  • 全ての通りの全ての区画に番地を記入
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ええっと……何点になるんだ?

奉行効果を適用する度にどっかしら塗りつぶしていけば、最後の得点計算は自然とできるようになっているな。このシート、よくできている。

与力そうですね。しっかりと記入漏れなく塗っていきましょう。各項目とも、「見えている中で一番小さい数字」が得点ですね。マイナス点は逆ですけど。

奉行で、なんかもうちょっと上手いことやれば高得点になった気がするので、もう一度やろう。

与力はいはい。なお、建築計画3つを一番最初に達成したプレイヤーだけは、希望するならば山札を作り直してゲームの続行を選択することもできます。

『Welcome to…』【ここがイカス!】

奉行ふうむ、「紙ペンゲーム」というのは初めて遊んだ気がするが、独特のゲーム感じゃな。

与力なるほど、そうですか?

奉行うん、最初はなんかアプリゲームっぽいなあなんて思っていたが、明確に何かが出来上がっていく過程が見えるのと、目論見通りになった時、目論見が外れた時の一喜一憂が濃厚に味わえる……気がする。

与力ほほう。ダイレクトに感情に働きかけてくる、と。

奉行で、なんかこう、色々やってみたい気がして、すぐにもう一度遊んでみたいなあ、と思うな。

与力面白かった! という感じですか?

奉行うむ。人から妨害されることなく共同で手が進んでいって、例えるならビンゴをみんなで楽しんでいる感覚なのだが、ボードゲームとしては「自分の思考を形にしていける」のが好きだな。でも、1人で遊んでいるのとはちょっと違う。他のゲームにはない、実に不思議なゲーム感だな。

与力なるほど。お奉行は妨害ありの要素はやや苦手ですしね。

奉行場合によるが得意ではないからなあ。後はテーマも面白い。これ、仮にただの数列並べだったら、そんなに楽しめたかどうかは自信が無いなあ。論理パズルは嫌いではないが。これだけ要素が多くなっていたら、何かしら味付けは欲しくなるが、この味が実に巧みだと思う。

与力全米震撼の都市建設を目指すとなると燃えますか。

奉行震撼はせんだろう。

『Welcome to…』【ここはちょっと…】

奉行そういう訳で多人数ソロプレイゲームじゃよ、と。

与力まあ、そうですね。都市計画を他人より早く達成する、ぐらいしか直接的な絡み合いは無いでしょうし。

奉行一応、誰がどの手段で点を取りに来ているかくらいは見といた方が勝てそうだし、楽しいから、完全ソロではないんだが。

与力確かに。同じ条件なのに、プレイヤーそれぞれの選択による得点の差を楽しむゲームですよね。

奉行番地と効果を選ぶ時に他プレイヤーとの重複OKだから、ゲーム感は軽いよな。「あいつがここを取るだろうから、俺はこっちで……」というビシビシ感は無縁だ。こういうゴルフみたいな、割とはっきり上手くやれたかどうかが出るゲームを好きか嫌いかで、このゲームの楽しさは相当変わるんじゃないかな。

与力気軽なだけに、ハイスコア目指して何度も遊びたくなるゲームではあります。

奉行そういや、ペン選びも重要だな。わしのように「いつものペンでいいや」とか言って、テーブルにマットとか布とか敷いてる上で記入しようとしたら穴が開くぞ。お気をつけあれ。

与力お奉行、プスプス開けてましたね。サインペンを用意すべきでした。

奉行二回目以降は反省した。後、最大対応人数の100人で遊ぶと、一発でシートは0枚になる。ご注意されたい。

与力実行できる人はそう多くないと思いますが。なお、シートが無くなった場合には、メーカーHPにpdfファイルが準備されていますので、印刷して使うといいですかね。あと、プレイヤーシートアプリも準備されていますので、電子的な手段もアリです。

奉行このシート、なんかおしゃれ感も凄いから、別売りでも売れそうだよな。

Welcome to…(ウェルカム・トゥ) ボードゲーム
おわかりいただけるだろうか(画面中央、奉行のペンが開けた穴)

奉行タイトル『Welcome to…』の続きは『Your perfect Home』なのじゃな。

与力完璧な家……どんな家が完璧なのでしょうねえ。

奉行うーん、小田原城みたいな家とか。物理的なセキュリティ対策が凄い。

与力数キロに渡る空堀や壁に囲まれた家とか、嫌ですよ!