「集中しすぎずに、集中して」
球体が立方体になります。
もふがんばってもらったので、羊毛がギュッと丸まって、球体になりました。
与力(球体を指でつまみながら)この手触りの硬さは、お好みの具合になれば、でよろしいのでしょうか。
もふお好みだけど、ダイスだから転がった方がいいよね。だから適度な硬さになるまでつついた方がいいね。あと、あんまりフワフワだと、このあと形が崩れやすいよ~。
与力なるほど……で、この丸いのを角ばらせて行かなければならぬわけですな。
もふつきましては、こちらをごらんくださいな。
Tips9 つつけば、凹みます
羊毛フェルトは、基本的に針を刺した方向にむかって凹んでいきます。ですので、凹ませることで最終的に目指したい形へ近づけていくことになります。今回のダイスは正立方体。先生はまず与力に球体を作らせ、その丸みを凹ませて面を作る作業を6回繰り返すことで、立方体が出来上がることを教えてくれました。あとは、与力のバランス感覚です。
与力ふむふむ……丸みを潰して平らにしていく……。
もふだいたいでいいからね。だいたい。
与力うーむ、うーむ。
与力こんなものでしょうか。
もふ上手にできました~。これを、後5回繰り返す。それで四角くなるよ。
与力成程。ですが、その前にこの面をもう少々平らに……。
もふあー、そんなに頑張りすぎなくていいんだよ、今は。それでだいじょうぶだから。
与力そう、なのですか?
Tips10 こだわりすぎはよろしくない
羊毛フェルトは「刺せば凹む」のですが、沢山の糸とからまって固まっていきます。ですから、一か所刺すと、例えば全然刺していない場所でも、わずかずつそこへ引っ張られて、全体的に形は変形していきます。今、与力は一面ずつ集中的に真っ平にしていこうとしましたが、たとえ満足が行くように平らにできたとしても、他の五面を平らにしていく過程で、恐らく少しずつ変形してしまうわけです。ですから、「だいたい」平らな面を六個作ったのち、全体のバランスを見ながら、最終的にしっかりとした立方体に作り上げる。この方がきれいに仕上がるのです。
ダイスの目をつけましょう。
与力途中若干凹んだところに足し毛をしましたが、なんとかなったのではないかと。
もふうん、いいかんじ。では、ダイスなので目をつけていきますよ。この黒いフェルトを小さくちぎって、大体おなじくらいの大きさに指先で丸めましょう。
与力むっ、むっ。こんな感じにちねっていけばよろしいですか?
もふうん? うん、そう、ちねる。ちねってちねって~。
与力なんとなく不揃いではありますが……数は宜しいかと存じます。
もふうんうん。ギュッと丸めてくれてるね。こういう小さいパーツは、しっかりとまとめてね。そうしないと、くっつけた時にぽわぽわ~ってなって見た目が良くないし、何度もつつくことになって、形が崩れやすくなるよ。
与力で、どうやってこれをあの立方体にくっつけるのです?
もふそりゃもちろん、刺すんだよ。
与力ほほう、なるほど。
もふぐっとやると、しっかりくっつきます。けど、その分、凹んでくからね。形がちょっとずつ変わることだけは、よく覚えておいて、適度にうまく埋め込んでいって。
与力目が出っ張っていないように、埋め込みつつ、刺しすぎぬように……。
Tips11 もういちど全体のバランスを意識すること
小さいパーツをしっかりまとめ、大きいパーツへくっつけていきます。当然針で刺す訳ですが、ここでも少しずつ形が変わることを忘れてはいけません。深く刺すと当然大きく形が変わりますから、適度な感じで刺しては、どこが変形したか、よく観察することを意識しつつ、作業を進めていきましょう。そして全部のパーツがくっついたら、全体のバランスを整えてあげましょう。特に、ダイスの場合であれば、カドが大切ですので、カドが丸くならず、立つように気を付けてくださいね。
与力いちおう、それらしきものは出来上がりました。
もふパチパチパチ。上手にできましたー。うん、初めてにしては上出来上出来。
与力いや、集中力を使いますな。しかし、このホワホワな羊毛フェルトが、このようなダイスの形にできあがるとは。
もふ楽しいでしょ。基本はね、最初はおおざっぱにダイタンにベースを作って、そこから完成をイメージしながら刺して形を作っていく。一か所だけ刺すことに夢中になっちゃうと、いびつになっちゃうから、全体をよく見ながら作業を進めていくんだよ。ちょっとボードゲームの進行に似ていないかい?
与力たしかに、盤面全体を把握していかないと勝てないゲームも多いですな。そういわれるとそうなのかも、という気がしてきました……。
もふね。羊毛フェルトもボードゲームも楽しいよ。さあ、次は何を作ってみたい?
与力そうですな。では……。
またいずれ、次回。
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