「羊毛フェルト、始めました」もふもふ×ほ~らく奉行所《もふレポ》 第1回

ボードゲーム愛好

何ごとも最初が肝心です

【もふもふ×ほ~らく奉行所《もふレポ》って?】
「これからのボードゲーマーにはクラフト精神が必要になるのでないか」と唐突に思い立った与力が、頼りになるもふもふ先生の指導によって、羊毛フェルトでオンリーワンなボードゲームグッズを作り上げていく修行の様子と、お役立ちな羊毛フェルトTipsをお届けする、やや心温まるレポートです。
【登場人物】

与力思いつきに定評のある多趣味な中年男。何ごとも広く浅く、取りあえず初めてみるタイプ。

もふプロ羊毛フェルト作家の「もふもふ先生」。主に横浜みなとみらいを中心にもふもふ活動中。二度寝が大好き。

奉行与力のボードゲーム仲間。最近はよく、与力に置いていかれている。

初めに

与力そういう訳でハンドメイドをやってみよう、と思うんですよね。

奉行待て待て、さっぱり話が見えん。お主はいつも論理に飛躍が有るんだよな。いいから落ち着いて話してみよ。止めはせぬから。

与力いえね、前回のゲームマーケットで、オリジナルなボードゲーム関連グッズを結構見かけたんですよ。これが、どれもなかなか格好よくってですね。ちょっと憧れておりましたら、「そういうハンドメイドとか手芸とかやりたければ、いい先生がいますよ」とご紹介いただきまして。これは少し習ってみたいな、と。そういう塩梅です。

奉行はあ、左様か。

与力ご納得いただけましたか!

奉行納得も何もなあ……唐突過ぎて驚いただけだ。何にせよ、新しいことに挑戦するのは良いことだと思うぞ。まあ良いようにやってきてくれ、何を作る気か知らんが。

与力いやあ、やはりどんなゲームでもクラフトスキルは大切ですからね。実生活でも身につけておくに越したことはありません。じゃあいってきます。

そして与力は、ランドマークタワーの地下を目指したのだった……。

羊毛フェルトでなにしよう?

もふもふ先生「おや、新しいお弟子さん。話は聞いてるよ~」

与力はじめまして、先生。よろしくお願いいたします。

もふいらっしゃい。ここでは羊毛フェルトの技術がイチから学べるよ。羊毛を針でチクチクつついて、固めて形にするワザだね。

与力なんだかちょっとRPGのお店やさんチックなセリフですね。

もふそれはちょっとわからないけど、頑張れば色んなものが作れるようになるからね。頑張ろうね。

Tips1 「羊毛フェルト」とは?
羊毛フェルトで楽しくハンドメイド! といった場合、羊毛フェルトを材料にできるのは、針でチクチク刺して繊維をまとめていき、立体造形する「ニードルフェルト」、セーターを間違って洗濯したときに発生する“縮絨”という現象を使って、水で羊毛を形にしていく「水フェルト」と、2つあります。今回、もふもふ先生は与力に針を使う「ニードルフェルト」を教えてくれます。
(以降、文中の“羊毛フェルト”は「ニードルフェルト」を示します)

ダイスを作ろう

もふゲームに使えるグッズとかを作りたいんだったっけ?

与力そんな希望ではございます、はい。

もふうーん、いきなり難しいものは作れないからね。じゃあ……

もふもふ先生「サイコロ……ダイスとかはどうだろう?」

与力おおお! 羊毛でこんな綺麗にダイスが出来るんですか!?

もふもちろん出来るよ~

Tips2 作りたいものをイメージしよう
羊毛フェルトは頑張れば様々な形の作品を作り出すことができますが、基本的な原理やコツがつかめないと、なかなかいきなり大きいものや複雑なものは難しいでしょう。従って、最初はごくごくシンプルなものを作ってみて、材料や道具の扱い方、基礎テクニックなどに慣れるのがおススメです。そしてどんどんステップアップを目指しましょう。ちなみに、「ゲームグッズ」という要望に対して、先生はダイスを提案してくれましたが、本当は四角いものよりも、丸いものの方が作りやすいらしいので、実はちょっとだけ難しめのお題のようです。与力の運命やいかに。

まずは道具から

もふじゃあ道具なんだけどね。使うのはフェルティングマットと針。とりあえずこれだけあれば大丈夫だよ。マットは、羊毛を刺す時に、針を痛めないよう下に敷くんだ。

フェルティングマット
フェルティングマット。先生のおススメはこれ。
フェルティングマット
堅めの白いのも有ります。

もふ針はね、太いのから細いのまであるけど……一般的には細い方が作業がしやすくて、太い方が折れにくいよ。

与力へえ、縫い針とかミシン針とは違うんですね。

もふうん。この針の途中にある引っ掛かりが、刺す時に羊毛をからめとって、中に置いてくる、って形状になってるね。

羊毛フェルト 針 ニードル
針。ニードル。ペンみたい。
羊毛フェルト 針 ニードル
よく見ると段のような返しのような……が付いています。

与力なんかちょっと化粧道具みたいですね。

もふホルダが付いているからね。針だけでもできるけど、ホルダがあると便利だから、つけることをおススメしたいな。

Tips3 道具選びは相当大切
羊毛フェルトを手軽に始めたい人向けに、100均などで道具や材料が全部そろったキットを売っているのを見かけます。一方で、手芸用品メーカーもスタート用のオールインワンキットを売っています。両方使ってみた先生としては、「初めてやる人ほどメーカー製を使った方がいい」と実感しているそうです。特にメーカー製キット同梱の針は、大切な引っ掛かりがしっかりしており、刺すほどに羊毛がまとまっていく実感を味わえて嬉しくなってくるそうで。「ストレスフリーで楽しむためにも、ぜひぜひ使いやすい道具を選んでくださいね」だそうです。

羊毛フェルト
メーカー製といっても、お手軽価格なんです。

“羊毛フェルト”ではありますが

もふほかの道具はそのうち必要になったら……で、次は材料だね。

羊毛フェルト 羊毛 アクリル
どっちがいい?

与力ん? う~ん? 色以外になにか違うんですか?

もふ実は、こっちの赤い方はアクリル繊維なんだ。で、青いのが羊毛。“羊毛フェルト”だから羊毛を使いそうだけど、初めてのひとにはアクリルの方が扱いやすくて楽しいから、こっちをおススメしよう。キレイに出来上がるしね。

与力ちょうど赤いダイス作りたかったんで、では是非それでお願いいたします。

Tips4 最初はアクリルで
羊毛フェルトは当然羊毛が材料になるのですが、“より扱いやすく、まとまりやすい”羊毛フェルト専用のアクリル繊維が販売されています。「簡単・手軽」という点で、アクリルの方が上回っているので、先生は与力にこちらをおススメしてくれました。
なお、羊毛を材料にする場合、買ってきたものはそのままでは使えません。一度ほぐすなどして、針で刺した時にまとまりやすくなるよう、下ごしらえをしてあげる必要が有ります。アクリルの場合には、買ってきてそのまま作り出せるので、その点でも細かいことを気にせず、手間なしで使えますね。
ちなみに、「これを買えばこれを作れます!」といった羊毛フェルト制作キットの材料は、羊毛が使われているものが多くあります。「作りたいわぁ」と思って買ってきて、開封してやり始めたけど、ちっとも出来る様子が無くてやんなっちゃう……そういう場合、材料の羊毛をきちんと下ごしらえしなかったのが原因、というケースが少なくないそうです。ご注意を。

もふ先生のボディは羊毛製です。でもアクリルでも質感や見た目は、よほどの達人でない限り区別できないくらい、ほとんど変わらないです。

与力へぇ。確かに分からないですね。まあ、完成できないと悲しいだけですから、おススメの通りにやってみます。

もふうん。……ちょっとしゃべり過ぎて疲れちゃったから、二度寝してもいい?

与力いやいやいや。まだ道具と材料の説明だけじゃないですか。せめて作り方を教えてからにしてください。お願いします。

つづく

追記:続きはこちらからどうぞ!

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