ポケット・マッドネス完全日本語版を開けてみた
勝者となるためには、あなたはできるだけ長く正気を保つことが大切です。(パッケージ裏面より)
2-4人 8歳以上 30分
お手軽な狂気を
『ポケット・マッドネス完全日本語版』は、2016年にフランスのFunforge社より発売された、クトゥルフ神話をテーマにしたカードゲームです。デザイナーは、ブルーノ・カタラとヴィック・モーブロン。カタラは『キャメロットを覆う影』『アビス』『ファイブ・トライブス』などの大箱から『世界の七不思議:デュエル』のような2人専用ゲーム、そしてファミリー層にも受け、2017年のドイツ年間ゲーム大賞も受賞した『キングドミノ』まで、幅広い作風の名作で知られています。また、モーブロンとは『クレオパトラと建築士たち』『ダイスタウン』『ダイススター』などでコンビを組んでおり、御馴染みといった感じです。
さて、アメリカならば「ゾンビとクトゥルフは三割増し」という格言が有るとか無いとかいうくらい、それだけで評価が高くなるクトゥルフ系ゲームですが、ファン以外には正直しんどいというようなゲームも少なくありません。ヒット作連発中のデザイナーコンビは、このテーマをどんなゲームに仕上げているのでしょうか。
絵柄はアメリカンなリアル触手を感じない、ポップなものです。
箱のサイズは約15.5×8×3.5cmという縦長コンパクトなサイズ。
箱の中は大判のカードと蛍光グリーンな狂気トークンが詰まっています。スリーブをつけると収納は難しいくらい、みっしり。
場所カードとゲートカードの2種類。サイズは約12×7㎝。
こんなにきれいなのに狂気を表すのに使うんだなんて。
プレイ前雑感
『ポケット・マッドネス完全日本語版』の発売がアークライトから発表されたとき、これはかなりの確率でクトゥルフ関係だろうな、と思って情報を見に行きましたら、案の定クトゥルフだったので購入を決定した作品です。値段も高くは無いですしね。
さて、またぞろクトゥルフで手頃な値段だから、というだけの理由で買ってしまったゲームですが、見てみれば2名のデザイナーのうち、片方が有名なブルーノ・カタラ。特にデザイナー買いをしている訳でもない私ですが、カタラデザインのゲームは割とお気に入りになる率が高いです。ボードゲームでは『キャメロットを覆う影』、カードゲームでは『モウ』『プゥー』が、特に音の出る箱のギミックと、へんてこなテーマがツボにはまり、一時期相当遊ばせてもらいました。
個人的には彼のデザインするゲームは、特殊効果を上手く使って、状況を切り抜けたり逆転したりする判断が重要になるような印象を持っていますが、今回の『ポケット・マッドネス』はどうなっているでしょうか。