本日の名店「青葉新館」
青葉新館【ここがイチオシ】
ボードゲーム『ティカル』を熱く語ったトーク会場は、中華街の一角にたたずむ、落ち着いた雰囲気が素敵な「青葉新館」様でした。円卓のテーブル個室を上階に備えた2階建ての店内には、ランチタイムのオープンから、ひっきりなしにお客様が訪れます。実ははるばる北海道から来店する方もいるくらい、根強い人気を誇る「知る人ぞ知る」名店。財界から芸能界、文芸界まで、幅広く熱心な常連さんが多いのだとか。そんなお忙しい中、お店のママさんにお話をうかがうことができました。
①横浜中華街では珍しい、台湾薬膳料理の店
「青葉新館」では、台湾から取り寄せた材料で作る台湾料理と、台湾薬膳料理の両方が楽しめます。特に、古代中国に端を発する「薬食同源」、薬と食べ物はその源は同じである、という伝統思想を受け継ぐ台湾の「薬膳」に関しては、横浜中華街で唯一、提供しているのだそうです。体調の改善・美容効果などが期待できる、滋味あふれる薬膳は、一度は味わってみたい逸品です。
②口当たりがよく、やさしい味つけの料理
台湾料理の代表格というと、魯肉飯(台湾風豚の角煮ご飯)が有名で、濃厚な味付けを想像する方もおられます。ですが、台湾料理は地理的に近い、対岸の福建省の料理や、日本の料理の要素を取り入れていて、実は「サッパリ系のやさしい味」の料理が多いのだそうで、「中でも例えばビーフンとか汁ビーフンなんかは、すごく口当たりのいい、やさしい味付けですよ」とのこと。
しかも、中華料理には絶対欠かせない油の品質に関して一家言あり、妥協はしていないという「青葉新館」。どの料理もお腹にもたれるような油っぽさとは縁遠く、食べた感じ、むしろ良質な油を体に取り入れられて、全身の動きがスムーズになるのでは、と思うほどです。個人的には、就職活動で面接官に「青葉新館の料理を一言で説明してください」と問われたたら、「潤滑油です」と解答しておけば間違いない、などと思いついてしまうくらいの、口当たりの良さを感じます。
②一人一人へ、きめ細かな提案と対応
「おすすめ料理はなんでしょう」とお訊ねしてみたところ、「おひとりずつ、おすすめするものは変わります」というお答えでした。
それはなぜかというと、お客様の年齢・様子・その日の体調の具合・気分などを見たり聞いたりして、その上で料理を提案する、というおすすめの仕方をされているから。
「元気がない時、風邪っぽい時、あんまり食欲がない時、そういう時はお粥の方がいいとか、スープにした方がいいとか。たくさん食べたいときには元気の出る肉料理とか、色々お話しさせてもらいますね」
というように、あたかもワインのソムリエ、あるいは問診に秀でた漢方医のごとく、見事に食べずにはいられない一品を選びだしていただけます。ですので、メニュー選びの際には、ぜひ積極的に相談をしていくのがよさそうですね。
ちなみにこの酸辣湯麺、「麺も食べたい、酸辣湯も飲みたい」という常連さんの要望に応え、横浜中華街ではいち早くメニューに入れた品。これに限らず、お客さんのリクエストへの対応はとても柔軟。そのため、「本当は絞らなくちゃいけないんだけど、絞れない(笑)」という感じで、メニューがどんどん増えていくのだとか。
青葉新館【この日にいただいもの】
百を遙かに超えるメニューの中から、この日、いただいた料理は以下の四品。
「排骨飯(パイクーハン/豚の骨付きご飯)」。サクッと歯ごたえのよい豚の骨付きすね肉は食べ応え満点。リゴレ店長の一押しです。『ティカル』にも比されるマスターピース。
「擔擔湯麺(台湾風ラーメン)」。どうしても麺が食べたい気分だったのでお願いしました。中年以上の胃に優しいあっさり味のスープが、のど越しのよい細麺にからむ。スープも全部飲めます。『ティカル』をイメージさせる緑のニラ入り。
「大根餅(大根もち)」。セットで出てきた大根もちは、文字通りモチモチの食感が楽しく、単品でも頼める人気メニュー。アクションポイントを費やして確保しておきたい。
「豆干菜脯(脱水豆腐と台湾産切り干し大根の炒め物)」。スモークチーズのような風味も感じる珍しい一品。上に盛られたパクチーが良いアクセント。緑の盛り上がりから『ティカル』のジャングルを想起する……かもしれない。
料理の感想はあくまで与力の主観によりますが、間違いなくどれも美味しいです。他に、水餃子や魯肉飯(ルーローハン)も、特に若い方に人気だそうです。次に伺う時はどうしよう。「ダイス運やカードの引き運がよくなる料理を考えてください」とか、「ボードゲームで負けて悔しくて落ち込んでいるんですけど……」とか、相談してみようかしら。
通うほどにきっと味わい深い
親切なスタッフの皆さんが作りだす落ち着いた雰囲気の店内で、心に沁みる優しい味付けの台湾料理を味わって過ごす時間は、まさに至福のひと時です。
ゆったりと食事を楽しみたい大人の皆さんに、ぜひおススメの名店です……とかまとめておくと、なんとなくラグジュアリーな感じを醸し出して収まりがよさそうなものですが、実際のところは、老若男女問わず、おひとり様からお子様連れのファミリー層、果ては大人数の楽しい宴会まで、食事のことならみんな寄ってらっしゃい、という懐の深いお店が「青葉新館」です。お腹空いたな、中華料理食べたいな、と思った時にお店の側まで来ていたら、ぜひ訪れてみてください。
※ベビーカー入店OKですが、入り口前に段差があります。お母さんお一人で入店されるなどの場合には、スタッフさんに声をかけてみてください。
「青葉新館」からのメッセージ
「中華街では珍しい、台湾料理、薬膳料理のお店です。お客様に美味しく食べて帰っていただけるのが、私どもの一番の喜びなので、ぜひいらっしゃって、食べて、元気になって、ハッピーになっていただければ、と思います。ご来店をお待ちしております」
- 店名
- 青葉新館
- 郵便番号
- 231-0023
- 住所
- 神奈川県横浜市中区山下町97
- TEL
- 045-663-3770
- 営業時間
- 平日(金曜日以外)・日・祝日 11:30‐22:00
- 金・土 11:30‐23:00
- 定休日
- 月(祝日の場合は営業。翌日に振り替え)
- WEB
- 公式ホームページ「青葉新館」
- ぐるなび
※リゴレ提携店舗です。詳しくはリゴレ店頭にて。