『ファイティング・ファンタジー・アドベンチャー』を遊んでみた
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奉行藩の決裁担当。グループSNEといえば?「うーん、自分にとって馴染みが深いのは妖魔夜行だな」
与力藩の買掛担当。グループSNEといえば?「絞るのが難しいですが、ソード・ワールドRPGでしょうか」
”タイタン世界”で紡ぐ冒険
与力私の記憶にあるゲームブックというのは、『クレオパトラの魔宝』が最初ですねえ。出版していたのは、ケイブンシャだったか双葉社だったか。(調べてみると前者でした)
奉行オリジナルタイトル?
与力いや、これはたしかファミコンディスクシステムのゲームを、ゲームブック化したやつなんですよね。友達が遊んでたファミコン版が羨ましくて、本なら買ってもらえるから手に入れたような記憶があります。
奉行ふぅん、そこまで気になるゲームだったのか。
与力その後、『ドラゴンクエスト』とかコンピューターゲームをゲームブック化したやつをいくつか遊んで、小学校高学年になって、『モンスターの逆襲!』に図書館で出会いまして。
奉行おお、山本弘先生。
与力こりゃあゲームブックは面白いぞということで、その図書館の書架にあったゲームブックを何冊も借りたんですよね、それが『ファイティング・ファンタジー』シリーズだった、ということになります。
奉行“お前とファイティング・ファンタジー”の話は、こんなに引っ張る必要、あったか?
与力その後、『トンネルズ&トロールズ』のソロアドベンチャーにどっぷりハマった話はしなくてもいいですか?
奉行もういいもういい。
*注意!
『ファイティング・ファンタジー・アドベンチャー』の各アドベンチャーは、内容が明らかになってしまうと、解答が分かってしまう可能性があり、実際のゲーム体験を損なう恐れがあります。そのため、アドベンチャーの内容に関わるカード類の写真については、可能な限り公開しない形で記事を進行いたします。予めご了承ください。
ゲームの準備を開始します。
まず、4枚のヒーローカードを取り出し、各プレイヤーが誰を担当するかを決定します。このとき、プレイヤーの人数が4人に満たなくても、ヒーローは必ず4枚全てを使います。例えば、プレイヤーが2人であれば、2枚ずつヒーローカードを選ぶことになります。

続いて、各ヒーローの能力カード、カウンターを配布します。能力カードは1から4までのレベルがあり、ゲーム開始時は、1レベルのカードしか使えません。そのため、それ以外のカードは、いったん横にどけておきます。タクティカルボード、トークン類を場の適当な位置に置き、全員から見えるようにしておきます。
最後に、アドベンチャーを選択します。このゲームには、5つのアドベンチャーが封入されていますが、決まった順番で連続シナリオの形式になっています。そのため、初めてゲームを遊ぶ時には、「火吹き山の魔法使い」を遊ぶことになります。

アドベンチャーを選んだら、箱の中に封入されているダンジョン/ロケーション/バトルカードと、エンカウンターカードの2種類のデックを取り出します。これらのデック同士は混ぜてはいけませんし、順番も変えないでください。

ダンジョン/ロケーション/バトルカードの「1」を場に置き、その上にパーティーの現在位置を示すマーカーをのせます。そして「エンカウンターカード1」の内容を読み始めて、ゲームスタートです。
ダンジョン内は左手法
与力ゲームの進行自体は、そんなに難しくないです。「エンカウンターカードの内容を聞いてどうするか決めて解決」「現在地からどっちに進むかを決めて、必要であれば対応するダンジョンカードを場に並べてつなげる」「エンカウンターカードを読んでどうするか決める」、この繰り返しです。
奉行まさにゲームブック的というか、GMレスのTRPGというべきか。
与力GMレスではありますが、エンカウンターカードの内容を読み上げる必要があるので、読むのが苦にならない人、好きな人がエンカウンターカードのデックを担当すると良さそうですね。
奉行なるほど。そしてダンジョンの内容はお見せできないよ、と。
与力ランダム要素でダンジョンの構造やイベントが変化するゲームではないですからね。その方がよいのかなと思います。
奉行まあテーブルいっぱいにダンジョンカードが並んでいく、とイメージしてもらえると良いかな。
与力そうですね。カード自体も大きいので、遊ぶ場所は広めに取った方がいいです。はい。あと、一度エンカウンターを解決したダンジョンカード上は、自由に移動することができるようになります。
奉行さて、ダンジョンカードやらエンカウンターカードはお見せするのは自重するよ、ということで、では何をご紹介しておくかね。
与力そうですね。ダンジョンで必要な隊列、そして戦闘の方法についてちょっと話しておきましょう。

新たなダンジョンカードに移動した際、「誰が先頭で部屋に入ったか」が問題になる場合があります。それをハッキリさせるため、ヒーローが現在どのような隊列で歩いているのかを示すのが、このタクティカルボードとカウンターです。
奉行ダンジョンと言えば、やはり盗賊が先頭で歩きたいものだが。
与力罠警戒ならそれでいいかもしれませんが、いきなりダメージとかなら、体力の高い戦士が前に出るとか、魔法的な罠なら魔法使いが前でもいいかもしれませんからね。
奉行よく考えて進めってことね。
与力そうですね。ここを決める相談は、ゲーム中で非常に重要な部分かと思います。

敵が出現して先頭に突入した際にも、タクティカルボードを使用します。ヒーローと、出現したモンスターが、それぞれ1対1を作るように、カウンターを配置して、誰が何と戦っているのか、ひと目でわかるようにします。
与力戦闘のやり方は簡単で、敵味方ともに、「技術点」という能力を持っています。で、6面体サイコロを2個振って、その出目の合計と、技術点を足します。この数字をお互い比較し合って、高かった方が低かった方との差だけ「体力点」にダメージを与えます。体力点が0になったら、戦闘から離脱となります。

奉行超シンプルだね。サイコロ運以外に、戦闘を有利に運べる要素はある?
与力2つありますかね。ひとつは、ヒーローの能力カードです。能力カードは、原則として1アドベンチャー中に1回だけの使い捨てですので、使いどころは難しいですが、上手く使えば、非常に強力な手段となります。

与力もうひとつは、人数ですね。ヒーロー側、敵側どちらも、相手より人数が多い場合には、戦闘を有利に運べる可能性があります。

与力タクティカルボードの左側に、+1から+3の数字が並んでいます。1人の敵に対して戦う2人め以降のヒーローは、この+がついた数字を、技術点に足すことができるんですね。
奉行ほほお、つまり、戦闘は敵の数を減らしていくことが肝要ということか?
与力はい。戦闘開始後、ダイスの判定が1回りするごとにラウンドが変わっていきますが、その時に、数が優勢な側は、隊列を変化させて、このような有利な状況を作り出すことができます。ヒーロー側は戦闘から離れたり、逆に参戦することも可能ですけどね。
奉行ふむふむ。

与力なお、体力が0になったヒーローは、即死する訳ではなく、気絶するだけです。戦闘が終了した後、回復してもらえれば、冒険に復帰できますよ。
奉行回復の手段がなかったら…?
与力とりあえず、ダンジョンのその場所に放置されていくことになります。重いんで。
奉行『ダンジョンマスター』みたいに、骨を持って移動することにはならんのだな。

与力大略を説明してみましたが、最後にこのゲームでもっとも大切な数字を。ヒーローカード左側の一番下にある緑色の数字ですね。これは「運点」となります。
奉行運か。お主に最も縁遠い話だな。
与力その件について多くは申しませんが…。これを1点使うと、戦闘やその他の局面で、振るように指示されたサイコロを振りなおすことができます。このシステム無しでは、冒険の完遂は困難と思いますので、ぜひ覚えておいてくださいね。
奉行ほほう、振りなおしがあるんだな!
与力さらに大切なのは、戦闘においては、自分の相手であるモンスターが振ったサイコロを“振りなおさせる”こともできるという点ですかね。ぜひ、上手く活用したいものです。
『ファイティング・ファンタジー・アドベンチャー』【ここがイカス!】
奉行とても分かりやすいシステム、分かりやすい冒険の広がり方だ。
与力細かいルールはなく、展開する物語に没入しやすいですね。
奉行気を抜くと敗北する戦闘や厳しい罠、それを切り抜けるためのいくつかの手段、そしてそれらをどこで使うかの決断。まさにゲームブックのシビアな世界の再現と言えるのではないか。
与力ある種、理不尽とも言える展開ですよね。
奉行クラシックな冒険は理不尽や不便をどう乗り越えるかってとこだと思うからな。とりあえずアドベンチャーを1つクリアしただけだから、今後どうなるかは分からんが。
与力一連のキャンペーンが終ったあと、新たな冒険に進めるかも気になりますね。
奉行拡張の発売に期待しておるのか? 『ファイティング・ファンタジー』シリーズが全部これになれば、面白いがなあ。
『ファイティング・ファンタジー・アドベンチャー』【ここはちょっと…】
奉行古のゲームに慣れているプレイヤーは、比較的この冒険に順応できそうだが、最近はリッチな冒険が体験できるRPG系のゲームも、少なくないからなあ。
与力何とは申しませんが…確かに。
奉行フィギュアだなんだと絡んでしまうと、ゲームの値段が上がるので、それはそれってとこでもあるが。しかし、このゲームは見た目にどうしても地味なのは、否めない。
与力そのぶん、手に取りやすい価格に収まっているというのは、良い所です。
奉行古という点では、現代ゲーマーはどう捉えるのかな。冒険において時に発揮される理不尽さに、果たして納得してもらえるかどうか。簡素なゲームシステムに満足してもらえるかどうか。この辺はノスタルジーを感じて楽しさが先立つ年寄りには測りかねる所ではあるな。ゴホゴホ。
与力急に老け込むのはやめてくださいよ。レトロな感覚が逆に新しい体験につながると思うんですけどね。
奉行まあ、まさにゲームブックを複数人で遊べるようにしたボードゲームだった訳だが、それだけにプレイ感もゲームブックに近いとは思う。だから、結局ゲームブック、ひいては『ファイティング・ファンタジー』を遊びたいかどうかが、このゲームを選ぶポイントになってくるんではないかね。

与力先に進めってことなんでしょうね。
奉行そりゃ、5話構成だからな。
与力そういった意味では、箱絵のミノタウロスっぽいこいつも、どっかでお目にかかることになるんでしょうかね。
グループSNE(Group SNE) ファイティング・ファンタジー・アドベンチャー (1-4人用 90分 14才以上向け) ボー...
時代が変わってもゲームブックが発売されていて嬉しい限り(子どもが読んでました)。









