あいにくの天気を物ともしない賑わいでしたね
行く前の能書き
前日がこの秋一番の冷え込みで気温10℃前後とか、最早真冬なのか?という環境から、やや持ち直して若干暖かくなった11月23日。年に2回のお楽しみ、国内最大規模のアナログゲームイベントであるゲームマーケット、その秋の初日を迎えました。
この日はカレンダー的には勤労感謝の日ですので、つまり我々ゲームファンは、ゲームデザイナーの方々のたゆまぬ勤労に感謝し、その努力の結晶であるゲームを有難く遊ばせて頂いたり、購入させて頂きなさいという、そういった趣向でこの日が選ばれたのではないでしょうか。やるな、アークライト=サン。と、言っておいてなんですが、単にカレンダー的に土日だったから、ってことで、深読みのし過ぎだろうって話ですけども。
今回の会場は春と同じ東京ビッグサイト青海展示棟です。ウォーターフロントの(飲食やコンビニなどでの買い物面で)砂漠地帯的な立地条件から、事前準備やゲーム購入プランニングにより緻密さを要求される会場として認知されつつありますね。言い過ぎですか。そして今回こそ誤って青梅へ行ってしまった方はいらっしゃったのでしょうか。そして2020年まではこの会場で開催だそうですから、それまではこの話も引っ張れそうですね。
さて、ゲームの話です。今回もまた前回に輪をかけて出展者さんが多い!ということは発表されるゲームも多い!ということで、事前情報収集が相当に大変でした。カタログを一通り通読した後は、最新の情報発信に備えて公式サイトや各出展者さんのTwitterのチェックを定期的に行い、購入候補となるゲームを絞り込みつつ、幾つかのゲームは予約で抑えさせてもらいつつ、迎えた当日となります。なので、事前にやったことは「見てグッと来たゲームを買う」「チョンマゲ優先」と、いつも通りと言えばいつも通りなんですが、より輪をかけて第一印象でゲームを選んだ感じは有ります。
寒さが持続するとか
到着したら外は氷雨。そして待機列がまだ解消していなかった! ので、会場の外を雨に打たれながら練り歩くことに。ぐるぐると列が回る様子は、あたかも青海展示棟がゲーマーの巡礼地、カーバ神殿と化したかの趣です。そういや、ドクトル・ハサンが監修したゲームが出るんだっけ…などとボーッと十数分のウォーキングを経て、ようやく会場内へ入れました。いやあ、寒かった。そしてカタログが濡れて表紙がボロッちくなった。
今回も大きく分けてAホールは企業、ショップが中心で、Bホールがインディーズ、同人という配置になっています。で、その中間地点の通路が入り口になっていたので、どちらでも目当ての方向に行けてすごく便利な反面、主催のアークライトブースがAホールのずっと奥なので、気合の入った出迎えに圧倒される感はありませんでした。
最初はAホールから。ぶらりと歩いてみると、お馴染みの大手、老舗が居並ぶ中、Engames(エリア19)やケンビル(エリア49)などといった、精力的に海外ゲームの日本語版をリリースしているショップのブースに勢いが見られたように思います。あと、ドンナースタークシュピーレ(イ07)は、4つのサークルさんが合同で展開しているブースでした。個々の出展だとBホールのスペースになるのでしょうが、4サークルで分担すればエリア出展も費用的に現実的になってくる、ということでしょうか。非常に野心的な取り組みだと思います。広いスペースの方が目につきやすいですしね。あ、あとライブイベントをやってるエリアが多かったというのと、今後発売予定の新作タイトル発表の場としてゲムマを活用しているケースを結構見ました。後者については、加熱したゲムマの後もテンションが長く持続するので、非常に嬉しい傾向です。まあお財布には厳しくなった、とも言えますが…。
で、初手にアークライト(エリア01)で『マンション・オブ・マッドネス』が激安だったのを見てカッとなり、思わず購入してしまったため、以降、重荷を背負っての行脚となりました。さすがの(質量も)ビッグゲーム。
Bホールに移ってみると、こちらは個々に趣向を凝らしたブースが居並ぶ、ゲームの海です。ここんところ毎回言及していますが、この中を巡り歩いて良さそうなゲームとの出会いを求める…というのは、開催を重ねるごとに難易度が上昇していく難題であることを、会場を見渡して感じます。何しろ数も多いし、売り切れたら…という懸念もあります。そんな心配性ですから、事前準備で予めピックアップしていたブースを中心に、予約品の受け取りも含めて、速足にゲームを眺めていきます。時間はまだ11時30分手前ぐらいでしたが、この時点で人気作や少数頒布のゲームは売り切れ表示もありました。
特に、最後のゲームマーケット大賞に輝いたSoLunerGさん(T17)の『FOGSITE』は開場後1時間程度、また、早い時期から積極的にクオリティの高い宣伝を展開していたマッチダンディズムさん(P16)の『オダノブなんだっけ?』なども、昼前には完売だったようです。こういうのを見ると、どうしても欲しいゲームが予約できなかった場合には、なんとか開場に合わせて入場しておかなければ…なんて思ってしまいます。そして若干のご挨拶回りとノー予約でのゲーム購入を何件かこなし、フィニッシュです。滞在時間は約3時間というところでしょうか。
購入ゲームの御披露
てな感じで、そぞろ歩きの感想が長くなりましたが、今回購入したゲームのご紹介を以下に。
①左『狩歌パラダイムシフト』『狩歌イレギュラー』(Xaquinel エリア03)
J-POPカルタ『狩歌』の進化版。『パラダイムシフト』は、カード内容が動詞の語幹となり、幅広い楽曲に対応可能。前作と混ぜればゲームに戦略性も生まれる、というのをデザイナー様自ら熱く説明して頂きました。『イレギュラー』は「取れるのか、これ!?」というような内容のカードばかりだそう。開封が楽しみです。
②右『みんなで本をもちよって』(ケンビル エリア49)
プレイヤーが自分のお気に入りの本を持ち寄り、出題される質問に対して、それぞれ手元の本の内容を引用して回答する、という読書会的光景が広がるらしいゲーム。
③左『ソクラテスラ拡張版 神々の宴』(Azb.studio ウ04)
勝利が約束された拡張セット。今回は神様ですって。名前を呼んではいけないあの神様とかも入っているのかな? あと、ブースの聖杯がちょっと豪華になったような…気のせい?
④右上『エイジ・オブ・クトゥルフ』(サザンクロスゲームズ A21-22)
『エイジ・オブ・サモナー』の改訂新版。『エイジ・オブ』シリーズの面白さは安定していると思うので、こちらも手堅く楽しめるゲームだと期待しています。
⑤右下『GRILL HOLIC』(GLILLHOLIC F34)
肉が食べたかったんです。はい。ステーキですよ。美味しいステーキを焼くゲームですよ。拡張『ブラックペッパー』も特典でいただいちゃいました。
⑥右上『八人の魔術師』(ゲームNOWA L01-02)
ロゴが一新されたゲームNOWAさんの改訂新版。パッケージの色合いがファミコン時代のカセットっぽく、個人的にはまずそこがお気に入りです。
⑦左『四畳半ペーパー賽系』(桜遊庵とハレルヤロックボーイが L39-40)
2サークル合同のブース名で、こちらはハレルヤロックボーイさまのゲームですね。学生生活最後の1年の思い出で四畳半を埋めるという紙ペンゲーム。私の場合、四畳半全て野球観戦の記憶で埋まりそうですが。
⑧右下『オダノブなんだっけ?』(マッチダンディズム P16)
チョンマゲ枠。抑えておきました。3人からのゲームなので、なんとか遊んでくれる人を見つけてやってみたいです。オダノブ様の頭に生えてた短刀、薬研藤四郎だったんですね。
⑨『マンション・オブ・マッドネス第2版』(アークライト エリア01)
白黒ブラスとか最新作の先行販売もありましたが、衝撃特価だったこちらを購入。クトゥルフ好きな当奉行所的には、待ち望まれた一品であります。なお、こいつを運搬するのに、無料配布されていたリバーシブルバッグ(MAGI エリア10)が大変な助けとなりました。リバーシブル仕様の大きなサイズのバッグ(縦35×横47㎝くらい)なんですが、パンを買ってシールを集めてバッグを貰おう!的なキャンペーンとかの景品に近いくらいの質感が有ると思います。これが無料でしたから、すごいですね。ただ、表面の絵柄で家路につく度胸はなかった模様。
ゲームマーケット2019秋【今回の雑感】
兎にも角にも参加者は出展側・来場側ともに依然増加傾向にある模様で、購入と試遊のバランスの見極めがいよいよもって難しいです。特に「遊んでみてから買うかどうか決めたい」派にとっては、無責任ではありますが、フルゲームではなくともゲームのコア要素を体感できる試遊があるといいな、ということと、フォアシュピールのような事前試遊への参加が、今後はより大事になってきそうですね。
あと、前回はやや微妙感があった昼食スペースは、お店、食事休憩用のテーブル・イス共に大幅増していたので、近隣に飲食店が不足するこの会場では非常に有難い方向性の進化を遂げたと思います。
まあ、Bホールに入った時に煙らしきものが立ち上るのが見えて、一瞬「火事か!?」と思ったんですが、ここのラーメン屋さんが出していた湯気でしたね。もちろんラーメンの匂いもすごかったですけど。
最後に、今回数多く発表されたゲームが、ゲームマーケットの興奮が過ぎた年末年始、そしてその先と、末永く楽しまれるように祈念しております。当ブログもその一助となるべく、購入させていただいたゲームのレビューなど、情報発信に努めて参りたいと思っております。「いや、レビュー記事は通常営業じゃん」とお奉行から突っ込みが飛んできそうですが、”買って”兜の尾を締めて、改めて頑張るっつうことですよ。