取り扱いにご注意を
すっかり新年度が始まりまして、そろそろ「コイツは何を担当しているんだったっけ?」と周囲から指摘されるまでもなく、「僕は何をさせて頂いてましたっけ」と自問自答せざるを得ない状況になりました。自称・SE兼園芸担当のサジマです。
前置きとして、何にかまけていたかと言うと、この新年度を迎えるにあたって、色々と新しい形で業務を運営したいという友人の相談などを請け負っておりました。それこそデータ入力や電話番までお手伝いさせて頂いた形で、個人的には楽しかったです。
その経験のうち、需要があるかは分からないのですが、備忘録として書き留めておきたくなったネタについて、記しておきたいと思います。以前、WindowsXPを(ビジネス利用もするPCで)使い続ける人は困ったなあという(ほとんど愚痴の)記録をしておりますが、似たような系統でしょう。
ということで、メールアドレスを、ビジネス・パブリックの場面で使うものと、プライベートの場面で使うものとに分けないのは、ちょっと危ないかも?というよもやま話です。
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体験その1 Gmailで見た、送信者名の罠
友人のサイトで公開してあった問い合わせ先に、Gmailのアカウントで、メールを送信してきた方がいらっしゃいました。丁寧な挨拶から始まっているなど、内容についてはなんら問題はなかったのですが。
受信したメールボックスに表示された名前が、間違いなくペンネームかハンドルネームの類。
メール本文中で名乗られている苗字と思しき名前と、明らかに違う!ということで、受け取った友人から「これはどういう事なのか?」と聞かれて説明をする羽目に。「そこは見なかったことにしてしまえよ…」と思いつつ、名前をぐぐって見た結果、その名義で販売されている(いた?)同人誌が引っ掛かりました。マニアックもしくはエロティックな内容ではなさそうだったので胸をなでおろしつつ、「こういった創作活動をしている人で、ペンネームのようなものだ」と答えました。
今回の場合とは反対のケースとしては、「本名を伏せてメールをしていたつもりが、知らず知らずのうちに、本名を開示してしまっていた」という逆のパターンもあるかと思います。Gmailの送信者の名前にはお気をつけください。
メーラーがThunderbirdの場合だと、「ツール」→「アカウント設定」で送信者名が変えられるはずです。
参考:差出人情報を使用する(mozilla support)
体験その2 こだわりの文字列
今回の仕事では、ほんの少しだけですが「採用面接の下準備」のような仕事を手伝う機会を得ました。コンタクトを取ってきた方の情報を処理しつつ、そのデータを今後どうやって処理していくべきかの検討などを担当しておりました。
昨今の採用作業においては「インターネットで名前などを検索し、特別、問題視するような情報が出てこないかは最低限確認する」と耳にします。で、今回初めてそう言った作業を行うことになった友人と相談した結果、「財政上、トラブルが起きたら立ち直れない。少しでもリスク回避できるなら、そうしたい」という結論に至りましたので、その辺りも手伝っていました。
といっても方法は単純。名前と、アドレスのドメインを除いた部分(ローカル部分/@の前)をググるだけ。
ドメインを省いた理由は、アドレスのローカル部分で、SNSのアカウントなどが引っかかることがあるからです。今回もお一人だけ、既に使っていない様子の(最終書き込み年月日が相当古い)SNSのアカウントが浮上しました。
僕の率直な感想としては「この文字列に思い入れがある方なんだなあ」というところ。なお、その後の対応にはなんら影響を与えなかったようです。
そんなの探すなよ!と感じる方も多いかもしれませんが、ビジネス・パブリックに使うアドレスなどと、個人の感情や思想の発露を行う場所は、分離しておいてほしい、と考える雇用側は珍しくないと思います。
例えば、個人が「仕事の雇い主、足臭え~」とプライベートな空間で発言することは、自由であると思います。家族や友達同士の会話なら「まじかよ~、そりゃつらいわ~」で済むでしょう。
しかし、「この愚痴を書いた人は、●●というところで働いている店員らしいぞ」から、「足が臭い雇用主とは、●●という店の▲▲という人なんだ」という具合で、三段論法の如く繋がってしまうことは避けたいからです。この場合は「匂うのは良くないので、身支度に気を付けようか」と考えるべきかもしれませんが、うっかりビジネスに密接な情報などをばらまかれてしまったら大変です。
もしも「退勤でーす。今日も疲れたな~」と毎日呟いているスタッフがいたとして、その情報から「店が無人だと判断できて空き巣が入った」のでは困りますし、「スタッフ本人に良からぬことをしようとたくらんだ輩が、店の前で待ち伏せしていた」というのも困ります。
その危険性を高める恐れの一つが、メールアドレスとSNSのアカウントが密接に連携してしまっているパターン、ということです。「でもお店の名前だしてないじゃん!」と思っても、断片的な情報を繋ぎ合わせて大きな情報を暴き立てることが不可能でないというのが、インターネットの怖いところです。
お気に入りの文字列を使い回したいという気持ちや、長年使ったアドレスなどを愛用することは何ら問題の無い、ごく当たり前の行為です。ただ、時と場合によっては、「使い分ける」ということが推奨されるのだろうな……実感した一件でした。