『ゆびスゴロク』を遊んでみた
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奉行藩の決裁担当。ユビの思い出は?「ささくれから入ったらしい雑菌のせいで、指がぱんぱんに腫れた状態で受験に挑んだ」
与力藩の買掛担当。ユビの思い出は?「左手の中指を短期間に二度突き指したことがあります」
ルビーの指環
奉行真っすぐに“知育ゲーム”をうたったゲームをお主が購入したというのは、初めてではないか?
与力結果的に知育に役立ちそうというのはあるかもしれませんが、そうですね。
奉行なるほどのう。脳が柔らかく、発想が豊かに育つ訳か、わしらも。
与力もう手遅れな年代なんじゃないですかね、我々は。
ゲームの準備を始めます。まず、ゆびタイルをすべて裏向きにしてよく混ぜ、並べます。このとき、全てのタイルが一本につながっていればカーブが含まれても構いません。列の最初にはスタートタイル、列の最後にゴールタイルをそれぞれ配置します。
各プレイヤーは好きな色のコマを選んで、スタートタイルの近くに置いたら、スタートプレイヤーを決めてゲームを始めます。
奉行まあ、たぶんつづら折りにした方が処理が楽よね。
与力床で遊んでるとかならば、一直線もありかもしれません。
奉行この辺の自由さも、なんか知育っぽい気がする。素人考えだが。
小指の思い出
奉行で、ゲームの目的は誰よりも早くゴールにたどり着くこと、ではないかな?
与力ご賢察痛み入ります。
奉行むふふ、と言いたいところだが、すごろくだからな。
与力しかし「コマの進め方がランダムではない」という辺りが、このゲームの頭を捻る部分なのです。
奉行ほほう。
各プレイヤーは、片手でパーを作ります。この開いている指の本数が、パワーとなります。パワーを使った分だけ(握り込んだ分だけ)、自分のコマを進めることができます。
奉行ああ、つまり、1歩なら1本、3歩なら3本握れということか。
与力その通りです。5までの数で自分の進みたいだけパワーを使ってください。
奉行そこはある程度思い通りに進むことができる訳だな…。
与力はい、4つ進みましたね。では、お奉行が進んだところまでのタイルが、全て表向きになります。
奉行お、おう。わしの後に道ができるといった塩梅か。
与力そして止まっているマスのタイルに描かれている指、その本数だけパワーが回復します。タイルの一番下にドットでも描かれていますね。
奉行ということはつまり、わしは5-4+1で…残り2パワーで次のターンを待つことになるのか。
与力はい、左様です。
奉行進む先しだいでパワーが回復するのであれば、後発が有利になってくるのではあるまいか?
与力まあそうも見えますが、他人の後をついていくのでは、先着はできない訳ですよ。
奉行むう、たしかに。すごろくはどっかで前に出ないといかん。
与力ただまあ後方から捲くるにしても、単に追い抜くよりも、パワーを補充しながら一気に抜き去る方法があります。それがじゃんけんです。
奉行じゃんけん?
薬指の決心
与力止まったタイルの指が「0」「2」「5」、すなわち「グー」「チョキ」「パー」であるとき、自分のパワーが「0」「2」、すなわち指が「グー」「チョキ」になっていると、じゃんけんが発生するんですね。
奉行なんと。見知った形だと思ったが、まさか。
与力タイルと自分のパワーでじゃんけんをして「あいこ」だった場合、通常通りパワーが回復するだけで終わります。
奉行なるほど。まあ、普通だな。
与力タイルに勝った場合、パワーが回復した上で、もう一度自分のターンを行うことができます。
奉行連続行動か。理論上、じゃんけんに勝ち続ければ一気に…ということも?
与力あり得るかもしれません。で、負けた場合はパワーを回復した後、コマを裏返して「一回休み」になります。
奉行ふむう…ところで「グー」で引き分けた場合、どうなるのだ。パワーを回復しようにも、0ではないか。
与力説明書のQ&Aによれば、次のターンで「一回休んでパワーを1回復」するというオプションを使うことになるそうです。
奉行げえ。てことは、パワーを使い切った所でグーのマスには止まりたくないな。
与力といった考え方をしつつ、ゴールに先着できたプレイヤーから得点をもらえます。全部で3回プレイして、合計得点が一番多い人が最終的な勝者に輝きます。
奉行3回戦制なのね。
与力ただし、2回目のプレイでは「4」、3回目のプレイでは「3」のゆびタイルを抜いてコースを作ることになりますので、ご注意を。
『ゆびスゴロク』【ここがイカス!】
奉行よーーーく、頭を使うぞう。
与力そういうゲームですからねえ。
奉行なんか、一見するとそこまで難しくなさそうじゃん? この指の本数を減らしたり増やしたり、単純な計算なんだけど、脳が活性化される感じがあるのよね。
与力活性化ですか。
奉行脳を元気に保つためには、指を動かすといいとか言うじゃない。こういうことなのかもしれないな。
与力本来の知育玩具としての方向性ではなく、中年の脳トレみたいな話になってきましたね。
奉行つまりそういう効果も見込まれるということだよ。わし、知育が必要な年じゃないから子どもとやってみたいよな。
与力小さい子を交えてのプレイ感も気になりますよね。ゲーム的にはいかがですか。
奉行先が見えない中へ突っ込んでいく面白さと、開いたタイルを見て後方から一気に追い上げる策を練る面白さと、前目でも後方待機でも、両局面でそれぞれに面白さがあると感じた。
与力分からないところへ入っていく勇気、どこかで欲しいですよね。
奉行ギリギリまで後ろをついていって、最後、一気に抜き去るとか決まるとカッコいいかもね。
与力ロードレースみたいな。
奉行そうそう、割と戦略が生まれてくることは間違いないと思うよ、うん。
『ゆびスゴロク』【ここはちょっと…】
奉行グーに勝てない。勝ちたい。
与力いや、そうおっしゃられましても。
奉行まあ、コマが止まったタイミングでパワーがフルの5、つまりパーという状態はあり得んからな。グーには負けるか引き分けしかないが、引き分けでも1回休みを要求されるから、できれば止まりたくないというところか。同じ理由で、パーにも引き分けがないな。
与力左様でございますな。勝てはしますが、ただパーに勝ってもパワーの上限は片手の指の本数までなので、プラス5とはいかないのが残念なところ。
奉行ただ、勝てばもう1手番だからな。勝ちに行く価値はある。
与力グーとパーをどう処理していくかという点に気を遣わねばなりませんね。通り過ぎてしまうか、止まりにいくか。
奉行そう考えてみると、やはり相当考えるなあ。
与力後方に控えていて前にオープンになったマスが広がっている場合、悩みは増えそうです。
奉行しかしこれほど指を動かすことになるとは…
与力「いっせーの」以来かもしれません。
奉行ああ、あの親指を立てるゲーム? わし「指スマ」とも言ってたな。
与力地域差が強いらしいですよね。
地域差がすごい"あの"指ゲームはこちら→「名前がわからない指遊びを調べる(デイリーポータルZ)」