『Eight Epics』を遊んでみた
Eight Epics(ボードゲーム開封編)
【プレイヤー紹介】
与力藩の買掛担当。説明書はきちんと隅から隅まで読むタイプですが、今回は珍しくやらかしました(申し訳ありません)。
奉行藩の決裁担当。説明は聞くものだ!
世界は滅びたがっている
与力割とシンプルなダイスゲームです。指示通りに出目を揃えるのが目的ですね。
奉行それだけ聞けば、いかにも容易いように思われるな。
まず、各プレイヤーが使用する英雄を選択します。選ばれなかった英雄は、プレイヤー共有の英雄となります。手番では、自分の英雄か、共有の英雄のどちらかを使用することができます。
与力英雄が持つ特殊能力は非常に強力ですが、カードの右側に記載されているLPの回数までしか使用することができません。LPを使い切ると、英雄は消滅します。
奉行ふむ、確かにどんな出目でも1や6にしてしまうとか、意味ありげな能力じゃのう。
与力最後にこの災厄カードをよく切って山札とします。
奉行始める前にどれどれ……うーむ……これは、本当に、解決できる、ように、なっておる、のか?
与力確かに一見すると無理っぽいですよね。
以上でゲームの準備は完了です。
ダイスの目を揃えろ!
適当な方法で決定したスタートプレイヤーからゲームが始まります。まず、山札の災厄カードをめくり、その一番上の条件に書かれている数のダイスを振って、最初の「災厄プール」を作ります。このダイスの出目を、条件通りに揃えていくことが目的です。
奉行この災厄を相手にするとなると、8回この通りの賽の目を揃える訳だな。
与力左様でございます。
手番のプレイヤーは、災厄プールのダイスから3個までを選び、これを振りなおすことができます。振り直さなくても構いません。
振り直しの結果に納得がいかなかった場合、LPを消費することで、「再度振り直しに挑む」か「特殊能力の使用」を行うことができます。これはLPが許す限り、何度でも行えます。
奉行つまり1にしなければならない訳だから、ここは振り直すか―
与力あるいは、1にできる特殊能力の英雄で挑んでいれば、その能力を使えばいいわけです。
奉行賽の目はままならぬからのう。なかなか上手くいかぬであろうなあ…
特殊能力は「出目を1に変える」「出目を6に変える」「誰かのLPを回復する」「行動終了している英雄をもう一度行動可能にする」など、非常に強力です。これを使用することなしに、災厄の条件を満たすことはまず不可能でしょう。
再度の振り直しや、特殊能力を行わなかった場合、手番は終了となり、使用していた英雄は行動終了となります。英雄全員の行動が終了するまでにすべての条件を揃えたら、その災厄は解決したこととなり、次の災厄に挑むことができます。
災厄を4つ解決できたら、最後はクライマックスとして2つ同時に災厄が襲ってきます。これを解決できたら、勝利です。どれか1つでも災厄を解決できなければ、敗北となり、世界は滅びます。
奉行何はともあれ、一つ世直しと参ろうか。
与力世直しではないですね。救世ですね。
奉行…これはいかんともし難い。我々の運がどうこうではなく、そもそもどうにもならん。余程の豪運の持ち主でなければ、解決なぞおぼつかぬぞ。
与力いやしかし、クリアするだけならそこまで難しくはないと…(説明書を読む)あっ。
奉行あっ?
大切なルールを忘れてはいけない
このゲームでの「振り直し」は、ダイスを1回振った後、“最低1つのダイスの出目を「確保」”、つまり、その出目をそのまま使うことにすれば、残りのダイスは再度振り直すことができます。振り直しは一発勝負ではない訳です。
奉行……
与力このように大切なルールを読み落とすとは何たる失態! これはデザイナー様にもお奉行にも申し訳が立ちません! かくなる上は蟄居して神妙にお沙汰を待ちま…
奉行その儀無用。直ちに再戦じゃ。感想をこのままにしておいたら、それこそデザイナー氏に申し訳が立たぬぞ。
与力ハ、ハハーッ!
奉行そして世界を救った後、腹を切れ……というのは冗談だが。
与力ひぃ!
奉行年寄ばかりが生き残り、世界の先行きは暗いがな。英雄はみな死に絶え、友を失った魔神も嘆き、いずれかへ隠遁するであろう。
与力人間は一握りの英雄だけに頼って世界を守ろうなどと考えてはいけない、という教訓を与えてくれたのではないでしょうか。
奉行深いな。
与力そこまでゲームの要素に含まれているかどうかは分かりませんが。
「Eight Epics」ここがイカス!
奉行正しいルールで遊べば、確かに難易度としては絶妙なところじゃな。無理のように見えて意外と最後の2枚同時くらいまではいける。正しいルールならばな。
与力まことにもって申し訳ございません。説明書はきちんと読まねばなりませぬ。肝に銘じます。
奉行理詰めで行くと淡々と進んでしまうかもしれんが、英雄の背景設定などがなかなか場面を想像させて盛り上がるものがある。
与力ラノベやTRPGに造詣の深い人たちで遊べば、よりのめり込みやすいかもしれませぬな。
奉行ゲームそのものとしては、とにかく特殊能力をどの場面で撃つか、英雄がどの順番に戦うか、そういう所をよく考えねばな。シンプルなダイスゲームと思いきや、なかなか。
与力考え所は結構濃密ですね。1人プレイだとかなり悩みそうです。
「Eight Epics」ここはちょっと…
奉行英雄が災厄に挑む順番が解決の鍵となる分、共有の英雄が多いほど、解決は楽なのではないかな。
与力行動終了したら、次は左隣のプレイヤーになりますからね。
奉行実は多人数だと、英雄の順番が固定化して難易度が跳ね上がる感じになるのではないかという懸念がな。
与力その他はいかがでしょうか。
奉行まあ賽を使うゆえになあ、賽を振って楽しい人でなければならぬであろう。
与力それは大切ですね。
奉行とはいえ、ある程度出目は操作ができる訳だから、解決するのにはちょっとの運があればよい訳だが。
与力手強い協力型ダイスゲームということで、一度話のタネに遊んでみて欲しいですね。
奉行あ、解決の条件が理不尽なものばかりで怒りがこみ上げてくるというのもあるぞ。こんな世界滅んでしまえばよいわ!というように。
与力いや、まあ犠牲者をいとわなければ一見理不尽なようで意外といけるのが不思議な難易度になってますけどもね。
奉行左様さな。しかし全員が生き残る完全解決までの道のりは険しそうだ。