ヒューゴ オバケと鬼ごっこを遊んでみた
ヒューゴ オバケと鬼ごっこ 開封編 裏面プレイ感想編
【登場人物】
与力藩の買掛担当。お化けと言ったら? 「マシュマロマン。ゴーストバスターズ好きでした」
奉行藩の決裁担当。お化けと言ったら? 「うーん、耳なし芳一」
なぜ、廊下でダンスするのか?
奉行なるほど、オバケに捕まらないように逃げ回れ、と。
与力はい。オバケに捕まるのが早ければ早いほど、負ける可能性が高くなります。
ゲームの準備は難しくありません。ボードを広げ、オバケコマを「‐10」と書かれているマスに置きます。そして各プレイヤーは自分の色のゲストコマを受け取ります。続いて、スタートプレイヤーから1人ずつ順番に、ボード上の回廊のマスにコマを置いていきます。この初期配置の時には、他のプレイヤーのコマと同じマスには入れません。全員がコマを置き終わったら、ゲームの準備は完了です。
奉行まあ、難しいことは無いな。ところで……
与力あ、3人目はダミーで入れてみました。適度に人数が多い方が面白いようなので。
すべてはサイコロ次第
奉行で、とりあえずこの幽霊に捕まらないように、とっとと安全な場所に逃げればよい、ということじゃな?
与力そうですね。ただ、脅威が迫るまで、パーティに参加しているこのコマの皆さんは、呑気に廊下をグルグルとダンスして回ってるだけです。
ゲーム中にプレイヤーがやることは、サイコロを振って自分のコマを動かすだけです。付属のサイコロを振り、普通の出目が出た場合、その目の数だけ、コマを置くマスを、時計回りに進めます。
ただし、サイコロを振った時にオバケの出目が出たら、地下牢に封印されているオバケ「ヒューゴ」が行動を開始します。彼は必ず3マス(6人プレイまで。7、8人は2マス)進み、まず廊下を目指して地下から上がってきます。
与力これでダンスパーティの参加者諸氏は、ヒューゴに捕まらないよう、廊下の周りの部屋へ逃げ込むというアクションを選べるようになる訳です。
奉行ふむふむ、ようやく状況が動き出したのう。
ひたすら早い者勝ち
廊下の周りには全部で11の部屋が有り、ヒューゴが廊下に上がってきた後は、プレイヤーはゲストコマを部屋に入れることで難を逃れさせることができるようになります。ヒューゴは扉を通過することができないので、部屋の中へ入れたゲストコマは安全です。
奉行これは普通に部屋も移動できる1マスと考え、サイコロの出目が足りれば移動できる、でよい訳だな?
与力はい。ただし、注意点が3つほど。まず1つは、「サイコロの出目はちょうどではなくてもよい」ということです。余りが出るようでも、入っちゃって構いません。
奉行ふむ、ピッタリでないとゴールできない的なことは無い訳か。
与力次に「1人ひと部屋」ということですね。基本的にシングルルームなので、相部屋は不可です。コマが入ってしまった部屋には、別のコマは入れません。
奉行あわや命の危機かもしれぬという時に、世知辛いのう。
与力最後に「部屋によってはちょうどの出目でないとダメ」ということですね。緑色の盾シンボルが描かれている部屋にコマを逃げ込ませたプレイヤーには、ゲーム終了後の得点計算時にボーナスポイントが入るのですが、ここはピッタリちょうどの目で移動しないと入室できません。
奉行ほほう、そこは特殊な部屋なのじゃな。では、この赤い盾の部屋は……?
与力そこは、入ると別のオバケだか怪奇現象だかでビックリする部屋です。あとでマイナスポイントを喰らうだけで、普通の部屋と移動のルールは変わりません。
奉行お化け、多すぎやせんか、ここ?
地下への招待
ヒューゴがゲストコマのいるマスを通過した、あるいは同じマスに停止すると、そのゲストコマは捕まってしまい、地下の奥深くへご招待されてしまいます。
一度捕まったゲストコマはもはや身動きは取れなくなります。早く捕まれば捕まるほど、マイナスポイントの大きいマスへ置かれてしまうので、注意しましょう。複数のコマが置かれているマスをヒューゴが通過した、停止した場合には、それらのコマは全て同じマイナスポイントのマスへ置かれます。
奉行なぜ、ヒューゴ殿は地下へ連れていきたがるのか……
与力地下でもダンスパーティをやりたいかなんかじゃないですかね?
奉行で、捕まった順にマイナスの大きいマスへ……だが、このマス全てに捕まったコマが置かれた後に、さらに捕まるコマが出た折には、如何様にすればよい?
与力その時は一番マイナスの少ない-2へどんどん押し込んじゃってください。
奉行もうひとつ質問。ヒューゴを追い越すようにゲストコマが移動したら、捕まるか?
与力いえ、それは大丈夫です。ヒューゴがいるマスで移動を終えたら即座に捕まりますけど。
以上のようにして、全てのゲストコマが廊下からいなくなるか、逃げ込んだゲストコマによって全ての部屋が埋まったら、そこで終了です。どこにも逃げ込めないまま終了を迎えたゲストコマがいたら、それらは全てまとめて-2のマスへ直行となります。
与力ここでも注意点なんですが、他プレイヤーのコマがまだ逃げ回っているのに、自分のコマが全部動けなくなっちゃった、あるいはというプレイヤーが出てくるかと思います。
奉行うむ、あり得る。
与力そういう、コマを動かさないプレイヤーも、サイコロ振るだけは出来るんですね。従って……
奉行ああ、ヒューゴの動きが鈍るってことは無い訳だな。
得点計算は、自分のゲストコマが置かれているマスに書かれているマイナス、プラスのポイントを合算し、記録していきます。これで1ラウンドが終了です。基本ルールでは全3ラウンド遊び、全てのポイントを合計して、最もマイナスポイントが少ないプレイヤーが勝利となります。
奉行恐怖体験が少ないもの、あるいは冷や汗の量が少ないものが勝利、といった塩梅じゃな。
与力一応、マイナスのポイントは「恐怖ポイント」、ごくわずかに加算される可能性のあるプラスポイントは「幸運ポイント」と呼ぶようです。
『ヒューゴ』ここがイカス!
奉行すごろく風かと思いきや、椅子取りゲームというか、そんな感じのあるゲームであったな。
与力やることはサイコロを振ってコマを動かすだけ。きわめてシンプルなゲームです。
奉行サイコロの出目で動く、制御不能なヒューゴの移動が凄まじいな。これを体感するのは人数が多いほど、面白かろう。
与力そうですね。自分のプレイ順がくるまでに、ヒューゴがどれだけ動くか、間に入る人数が多いほど分からなくなってきますからね……
奉行この後、4人プレイも遊んでみたが、実際、一気に9マス移動してきて度肝を抜かれたぞ。
与力ぺんぺん草も生えない廊下になりましたね。
奉行という訳で、サイコロ振ってワーキャーいうだけのゲームっぽくはある。しかし、侮るなかれ。『ヒューゴ』で使うサイコロは、オバケの面がある関係上、通常の6面体サイコロとは違って、無い出目があるのだ。それをよく理解してゲストコマの初期配置や、移動をしっかり考えておくと、周りよりも差をつけられる可能性があるな。
与力思っているよりも戦略的に遊べるところがありますよね。
奉行とはいえ、とにかくヒューゴの猛烈な動きは非常に楽しい。それによって廊下に巻き起こる混乱・混沌を楽しむことこそ肝要、と思う。一種のパニックゲーム、と呼べばいいのかな? 子どもがいたら「早くダイスを投げて!」とか大騒ぎになりそうだ。
『ヒューゴ』ここはちょっと……
奉行サイコロを振って、コマを動かすだけではないか、と言われると、まあそこまでになる。サイコロを使うゲームの宿命じゃな。
与力最終的には、単純に運ってことになりますからね。
奉行サイコロ運によるコマの移動、ヒューゴの動きを楽しめるならばよし。勝つも負けるも運次第じゃないか!と思うてしまったら、相性は良くないということだ。サイコロの出目自体を制御するルールとかは無いしな。
与力でも、ごくシンプルで非常に簡単なルールという点は、良くも悪くも、子どもを含めた家族で遊べるゲームという看板に偽りなし、ということですね。
奉行ボードゲーム慣れしている方々の集いに、“あえて”とおススメするゲームではないと思うが、ゲーム慣れしていない人と遊ぶ時には、ぜひ候補に入れるべきゲームだと思う。そういう場にゲームを持ち込んで遊びたいなあという場合は、非常に重宝しそうだ。
奉行しかしな。これほどの城での宴であるならば、大広間で踊ればよいと思うのだ。
与力広間は別の団体さんが宴会やってるかなんかじゃないですかね。
奉行なんでそんな温泉旅館みたいなことになるのだ。
ヒューゴがビュンビュン動く、裏面のプレイ感想はこちらからどうぞ!