第9節 課題だらけの後半戦
- DATE
- 8月26日 第24節
- VS
- 川崎フロンターレ(H)
- SCORE
- 1-0
- GOAL
- 3’ 内藤(甲)
ほぼ一か月前の鹿島戦以来、勝ち点は重ねているものの、それまでの勢いにかげりが見え始めた甲府。今節ホームに迎えたのは、多くの代表級メンバーを揃える川崎、試合の行方が注目されます。
甲府はコンディション不良で黒木を欠き、ボザニッチと兵働が中盤に顔を揃えます。2トップはこのところゴールに見放されている内藤と、今シーズンは中盤起用の多いドゥドゥ。チームをけん引できるか。
もっと意外なのは川崎て、1トップの日本代表・小林悠の後ろには長谷川竜也を起用。ゲームコントロールは大島に任されて、中村憲剛はベンチスタート。
試合は3分、内藤が技術の高さを見せます。ペナルティエリア前からドリブルで川崎ゴールへ切り込み、正確なシュートで川崎ゴールを破りました。いきなりの失点に、川崎サポーターはややがっかり。
この後はお互いに見せ場が訪れません。中盤の両サイドからプレッシャーをかける川崎に対し、甲府は2トップまで守備に下がって必死の防戦。しかし、川崎も甲府の選手の壁を乗り越えるだけの攻撃を見せずじまい。甲府陣内でボールが動いているものの、盛り上がる場面はほぼ無いという、見ているファンには不思議な90分が経過して、甲府が勝ち点3を獲得。リーグタイトルへなんとか一歩進みました。
敷島総合公園多目的運動場 ―試合翌日―
きつい。実にきつい。全然、ボールが自分の足元に回ってこない。あと、やっぱり味方ゴール前で危ないシーンが凄く増えた。ボールに絡むためにも、ポジションを下げたいのぅ。
山本勘助「引いてはなりませぬ。引けば相手は嵩に懸かって前へ出てまいります。御屋形様も北信濃を守らんがため、長尾景虎相手に二百日余り、一歩も引きませんでしたぞ」
黒田官兵衛「さすが勘助殿、第二次川中島の戦いのことですね。さておき、監督からの評価が低下することは、先の試合でもすでに実証済み。あまりに評価が下がると、ポジションを失いかねませぬゆえ、我慢は大切です」
くそぅ。やっぱりボールに触れないと焦るんだよなあ。さりながら、そこをポジションのためにこらえよ、と。2017年、2018年と、大河ドラマ再放送枠のポジションをキープしたお主ららしい、的確なコメントだな。
勘助「……何を仰いますやら」
官兵衛「何故、自ら火中の栗を拾うような話題を持ち出されるんでしょうね」
兎にも角にも、だ。どうも甲府のチームメイトも疲労が溜まりはじめたのか、試合の間隔が詰まってくると、なかなかベストのメンバーを組めていないようだ。あたかも、信虎様の時代の甲斐の軍勢のような。これはベテランが多いラインナップがやや影響しているのかもしれぬなあ。フロントは少し補強に動いてくれるだろうか?
勘助「場合によっては、有り得るかもしれませぬ。水面下ではそのような話も聞かぬではありません。近々、発表が有るやもしれませぬな、官兵衛殿?」
官兵衛「まあ、そこはあまり期待し過ぎてはいけませんな。現有のメンバーでシーズンを乗り切るやりくりを監督に期待する方が、現実的と言えましょうが……おっ、なにやらメッセージだ」
おっ、おっ。さすが敏腕代理人。移籍の情報がいち早く手元に? 早く、早く見せてくれ。
うちが交渉していた選手は……ニューヨーク・レッドブルズ(米・MLS)の控え選手で、なんか幅広くポジションをこなせるマルチロールなんだね。確かに、疲労にあえぐチームとして、目の付け所としてはよかったのかも。しかし、ガンバは不動の正GKを出してしまってよかったんだろうか。
官兵衛「CPUのフロント陣の移籍優先度は、よう分かりませんな」
勘助「まあ、仮想世界の移籍ですからな」
勘助さん、元も子もないことを仰らないで。
―試合ダイジェスト―
- DATE
- 8月30日 ルヴァンカップ準々決勝 1stleg
- VS
- ガンバ大阪(H)
- SCORE
- 1-0
- GOAL
- 72’ リンス(甲)
- DATE
- 9月3日 ルヴァンカップ準々決勝 2ndleg
- VS
- ガンバ大阪(A)
- SCORE
- 2-1
- GOAL
- 11’ 島川(甲)
- 20’ バホス(甲)
- 89’ アデミウソン(ガ)
- DATE
- 9月10日 第25節
- VS
- 清水エスパルス(H)
- SCORE
- 5-0
- GOAL
- 4’・29’ リンス(甲)
- 53’・70’ ドゥドゥ(甲)
- 58’ 内藤(甲)
- DATE
- 9月16日 第26節
- VS
- サガン鳥栖(A)
- SCORE
- 1-1
- GOAL
- 34’ 福田(鳥)
- 45’ 島川(甲)
練習場 ―試合翌日―
ガンバとの2試合、あちらのGKは藤ヶ谷選手に戻っていたな。ちょっと、懐かしい光景だったように思う。
官兵衛「来シーズンは代役を獲得する予定なのでしょう、たぶん」
勘助「ガンバの心配はともかく、甲府はルヴァンカップで準決勝へ駒を進め、リーグ戦の25節では清水に久しぶりの大勝利。おめでとうございます」
そうね、活躍した気はしてないけどもね、やっぱり(4試合1G3A、評点平均6.8)。前半戦のように、独力で仕掛ける力、昨今の流行で言うと“デュエル”に勝つ力ってことか? それが十分ではないように思うんだ。
官兵衛「OVR79、市場価格17億の方が、何を仰いますやら」
勘助「ほほう、もはやそこまで世上の評判は高まっておりますか。それはまた大層なものですな」
最近の試合の結果を見る限り、明らかに過大評価って言われるやつだよな、それは。今の状態でその価格に浮かれて移籍などしようものなら、「損な買い物」とか「金額に見合わぬ」とかいう文字が各種メディアで躍るのが目に浮かぶ。
官兵衛「悲観的になり過ぎるのも良くありませぬ。課題は明確なのでしょう、勘助殿」
勘助「左様ですな。先の指摘以外なら、Lを押したままの低速ドリブルなどをもう少し使用されて、落ち着いたプレーを心がけてもようござる。どうしても“縦に早く”いきたいのが人情というものでございますが、マーカーが張り付いた状態でプレーするは、自由がきかず、良いことはございませぬ。緩急をつけ、味方の動き出しなどを見計らい、フリーでプレー出来るものへボールを回していくこと、縦に早くボールを運ぶ上でやはり肝要となりもうす」
気を遣わなければいけない部分が増えてきたね、ホントに。選手の能力が高いだけでは勝てないもんだなあ。よし、次のマリノス戦では、よくよく気を配り、フィールドをよく見渡しながらプレーしてみようか。
―試合ダイジェスト その2―
- DATE
- 9月23日 第27節
- VS
- 横浜F・マリノス(H)
- SCORE
- 1-0
- GOAL
- 13’ 内藤(甲)
……また、薄氷の勝利だよ。
勘助「課題に挑みながらも勝てておるのです。思い通りにいかぬことを悩み過ぎてはいけませぬぞ」
官兵衛「左様。これが課題は山積み、チームは負け続き、というのであれば、深刻な問題ではありますが。しかし、そもそも、スタッツを御覧なさい。この試合、支配率でいえば、甲府44%に対し、横浜56%です。実際、試合の大半は甲府陣内で推移しました。これは何も貴方様1人が招いた結果でもございますまい」
むーん、だが、劣勢の試合が続くからこそ、ストライカーは確実にゴールを陥れなければならないよなあ。一発で仕留める技、それを磨き上げていかねばならぬ。リーグ終盤戦を迎えて、いよいよ正念場じゃ。
勘助「(残り7試合で2位との勝ち点差は20。まず優勝は間違いないのですが)」
官兵衛「(自分に精いっぱいで、順位表を見ておられぬのでしょう。まあ油断されても困る。最後まで悩みながらプレーしていただきましょう)」
武田晴信(武田信玄)の父親・信虎は一般的に暴君として知られ、凶作や家臣の疲弊を顧みず、毎年のように戦を繰り返していたと言われています。それに耐えかねて逃散する(別の土地に逃げる)農民や、浪人になってしまう家臣もいたほど、国内は荒れていたとか。
第二次川中島の戦い
武田晴信(武田信玄)と長尾景虎(上杉謙信)が二度目に激突した時の戦のこと。文中で勘助が言っている通り、この戦いは約七ヶ月という長期間に及んだとされています。
大河ドラマ再放送枠
BSプレミアムの毎週日曜午後1時は大河ドラマ再放送枠があります。2017年は山本勘助主役の「風林火山」でしたが、2018年は黒田官兵衛主役の「軍師官兵衛」となりました(純真イケメンからキレッキレ坊主まで進化する岡田准一さんを是非観ましょう!) しかし、約40年ぶりの大河ドラマ再登場を願う内藤さん、なんで近年非常にフィーチャーされている軍師二人をサブキャラクターにしちゃったんでしょうね。(答:有名人だから)