第18節 結局、しまらない。
- DATE
- 4月14日 プレミアリーグ 第31節
- VS
- チェルシー(A)
- SCORE
- 2-0
- GOAL
- 36’ エルネニー(ARS)
- 74’ 内藤(ARS)
リーグも終盤、ファンが待ち望んだビッグマッチの舞台はスタンフォードブリッジ。9ポイントさで首位アーセナルを追う2位のチェルシー。この試合は絶対に負けられません。D・コスタ、ウィリアン、アザールに期待が集まります。
アーセナルは、このところ調子が下降気味。2月は無敗で乗り切りましたが、3月に入るとフランスのリヨンに2試合完封負けで、ヨーロッパリーグからは敗退。さらに前節リヴァプールとの試合で、リーグ戦今シーズン初の黒星を喫しています。この試合の注目は左サイドから先発の内藤。2月以降の出場試合ほぼ全てで、必ず点を取っている日本人ストライカー。監督は今日も彼の得点力に期待しているはずです。
試合が動いたのは36分。ジャカに代わって起用されたエルネニーが、ペナルティエリア内までボールを持って侵入します。チェルシーDF陣、一瞬チェックが遅れてシュートを打つのに十分な時間とスペースを与えてしまいました。アーセナルが先制します。
さらにアーセナルはカットインから内藤がクルトワのゴールを脅かします。40分過ぎのこのシュートは枠を捉えきれませんでしたが、やはりゴールの予感が漂います。
予感が現実のものになったのは後半に入って74分のことでした。途中出場のジャカからボールを受けた内藤。鋭いターンから放ったシュートがチェルシーゴールに突き刺さります。出れば点を取る日本のサムライ。パフォーマンスが安定すれば、リーグのベストプレイヤーに成長するかもしれません。
チェルシーも反撃を狙いますが、最後はFWまで自陣ペナルティエリアに戻って守備を固めたアーセナルの前に無得点でタイムアップ。勝ち点差は12に広がり、いよいよアーセナルの優勝が現実的になってきました。2003-2004シーズンのインヴィンシブルズ以来、久しぶりの栄冠はすぐそこです。
ロンドン -アーセナル練習場-
いよいよ優勝間近だ。気を引き締めてかかりたいところだが、なんというか士気を保つのは難しいな。この出たり出なかったりの暮しには、最後まで慣れなかったぞ。
黒田官兵衛「とはもうせ、慣れられても困りますがね。ターンオーバー要員ではバロンドールなど夢のまた夢」
山本勘助「とにかくタイトルを獲ったということ、少なからずそれに貢献したことは、評価されましょう。これがタイトルも獲れぬチームでターンオーバー要員であった、などということならば、評価は難しゅうございましょうが」
移籍もなかなか上手くは運ばなかったからなあ。レアル、バルサ、ユベントス、バイエルン。この辺りが動くんじゃなかったっけ、久しぶりに取材に来た秋山さん?
秋山信友「まあ、君は実績の割に高いからさ。そこらへんの金持ちチームでも、ターンオーバー要員に高いカネ積んでホイホイと買う訳にはいかんのよ。だから勘助さんの言う通り、せめてタイトルホルダーになって、価値を上げることが大切よ。そうすりゃ次の夏の市場で買い手が現れるんじゃないかな」
なんか現状では「キミは過大評価されているプレイヤーだよ」みたいに聞こえて来るなあ。ぐぬぬ。
官兵衛「実際、能力値は過大評価ではないほど高まっておるのですがな」
勘助「孫子曰く、『昔の善く戦う者は先ず勝つべからざるを為して、以て敵の勝つべきを待つ』。万全を整え、敵の弱点を襲うことこそ肝要にござるが、内藤様は五分五分の様相であれば名誉の突撃を敢行されてしまいますからなあ……。判断に難あり、でござろう」
秋山「いい加減、そういう後先考えないプレーが減って、ポジショニングを考えられるようにならないと、能力に対する評価と実際のプレーの評価がズレて、いずれ“金のバケツ”の謗りを受けてしまうんだろうねぇ」
官兵衛「もうイングランドに渡って1年が経過します。そろそろ、このレベルのフットボールにこそ慣れてもらいたいのですが……ここ最近、ずっとこの話題を繰り返しておりますがね」
-試合ダイジェスト-
- DATE
- 4月20日 プレミアリーグ 32節
- VS
- ブライトン(H)
- SCORE
- 4-0
- GOAL
- ‘24、’56 内藤(ARS)
- ’27 ラムジー(ARS)
- ’80 ウィルシャー(ARS)
- DATE
- 4月27日 FAカップ準決勝
- VS
- ストーク
- SCORE
- 1-0
- GOAL
- ’90 ラカゼット(ARS)
レスター -キング・パワー-
やれやれ、どうやらストーク戦での消耗を考慮されて、今日のリーグ戦はメンバー落ち。スタンド観戦を命じられたよ。珍しく3試合連続で先発していたけど、やっぱりここで休みが入るんだね。
官兵衛「仕方がありませぬな……そういえばこのレスターには、アーセナルからコラシナツ殿がそっと移籍しておりましたな。あの移籍は謎でした」
勘助「CPU経営陣の考えることは、よう分かりませぬ。お、先制しましたぞ、オックスレイド=チェンバレン殿ですな」
彼と言い、ロフタス=チークといい、“=”が名前に入ると、若いうちから将来を嘱望される選手になるのかも……。
官兵衛「そういえば先の試合でずいぶんアクロバティックなシュートに挑んでおられましたな」
勘助「おお、あれは甲府時代にも一度見たような気がしますが、今回も外れましたな」
まあ、とっさに出はするんだよ、ああいうシュート。普通にヘディングでいってもいいんじゃないかなあ、と思わないではないけど、シュートボタン押すとやってしまうから……。ん、アクポムがゴールを決めた。これで2‐0。
官兵衛「ミラクルレスターも15-16シーズンのことですから、3シーズン前ですか? 今シーズンも厳しいですな」
勘助「あの年は、レスターの選手はみな優れたパフォーマンスを見せましたが、ベストプレイヤーは優勝を置き土産に去ったカンテ殿であったのやもしれませぬな。今や世界最高峰の1人ではありますまいか。おっ、アクポム殿、2ゴール目でござる。これで勝負ありましたか」
ふむふむ、私がいなくても勝てたか……あれっ。なんか、ベンチがすごい湧きたってる。どうした、何かあったか? 誰かの誕生日サプライズでもやるのか?
官兵衛「むっ。もしや……(他会場の結果確認)」
勘助「これはやはり、そういうことですか。聞かされておりませなんだか?」
えっ? えっ? まさか……そんな……。スタンド観戦の試合で、ベンチ入りもしていないタイミングで、優勝が、決まってしまう、なんて……。
……あのさあ。なんか、もう少し分かりやすく教えておいてくれてもいいと思うんだよね。順位表チェックしておけ、って言われたら確かにそこまでだけどさ。でもねえ。
勘助「どうも肝心かなめのところでコケるのは、前世から変わりませんな」
官兵衛「もしやして、狙ってやっておられるのでは?」
そんなわけあるかい!
孫子形篇第四より。戦いの上手な人がどうやって勝利を得るかについて述べた一節です。つまり勘助さんは、内藤さんを遠まわしに戦下手と言っているわけであります。