第21節 武田の副将、やや覚醒。
-試合ハイライト-
- DATE
- 10月19日 プレミアリーグ 8節
- VS
- スウォンジー(H)
- SCORE
- 1-0
- GOAL
- ’65 内藤(ARS)
- DATE
- 10月22日 チャンピオンズリーグ グループステージ第3節
- VS
- アトレティコ・マドリー(H)
- SCORE
- 2-0
- GOAL
- ’28、’78 内藤(ARS)
- DATE
- 10月26日 プレミアリーグ 9節
- VS
- ワトフォード(A)
- SCORE
- 2-2
- GOAL
- ‘6、’21 内藤(ARS)
- ’45 ドゥクレ(WAT)
- ‘56 リシャルソン(WAT)
ロンドン -アーセナル練習場-
黒田官兵衛「急に出番が増えましたな」
山本勘助「いかにも左様。急に増えました。3試合連続先発とはまこと青天の霹靂にて。戦力外間近というような報道もございましたのに」
ええ、まあそうですがね。ただ、その前にこんな報道もあったんですよ。
インターナショナルウィークの代表戦で痛めたらしいのね。なので、年末年始のスケジュール的に一番苦しいかなー?って時に復帰してきてくれそうではあるけど、しばらく彼はお休み。となると、シンプルにFWが足りないんだね、うちのチーム。
官兵衛「なるほど、そうでしたね。それで背を腹に変えられず、ということでしたか」
勘助「正直、戦力外待ったなしのイメージもありましたからな」
言ってくれるね、諸君。しかし登場した3試合で5得点。悪くはないだろう? リーグとCLでのゴールだから、ケチも付くまいと思うんだが、どうだね。
官兵衛「左様ですなあ。しかし、ケチがつくとすれば、いつもの継続性の問題です。あなたは固め打ちが得意ですが、いちど止まるとしばらくノーゴール部将と化しますから」
勘助「甲府の頃とは試合のレベルが違うのは分かりますが、求められている役割は同じなのが辛いところなのです。ただの穴埋めか、今のうちにラカゼット殿に取って代われるか、その分水嶺はまさにここからですぞ」
ふむ……ならば見せつけてやらねばなるまいのう、風林火山のフットボールを。
-試合ダイジェスト-
- DATE
- 10月30日 カラバオカップ4回戦
- VS
- ミルウォール(A)
- SCORE
- 3-0
- GOAL
- ‘32、’44PK、’79 内藤(ARS)
ロンドン -アーセナル練習場-
ほーらね、どうだい。完璧な試合だっただろう?
官兵衛「さよう……まずまずですかな?」
勘助「そうですなあ。まあ3ゴールはお見事でしたが……」
なんだなんだ、またずいぶんハードルを上げている様子じゃないか? ん? やはりわしほどのプレイヤーともなれば、ハットトリックくらいは当然であると言いたいのか?
官兵衛「端的に申せばそうですね。新聞記事にもございますが、相手は二部のチーム。格下です。あなた様の現在の能力を勘案すれば、ある意味で当たり前なんです」
勘助「ハットトリックは確かに素晴らしいですが、このくらいの活躍は、ファンもチームも想定していた範囲内、なのでは……」
……はしゃいでいる自分だけがむなしい有様じゃないか。
官兵衛「やむをえますまい、口さがない過激なファンの中から“雑魚専の内藤”となじられないためには、昨シーズン並みに格下から得点を取っているばかりではなく、同格かそれ以上の相手からゴールを記録していくことが肝要、と確認したはずです」
勘助「この試合はこの試合として、次のリーグ戦ですぞ。ここで実力を見せつけ、継続性をアピールしなければなりません」
やれやれ。だが、「昔より英雄に屈伸あり」とか申すが、今こそ伸びるときなのだ。この好機を逃す手は無い。必ずや、次の試合を見ておれよ。みなの度肝を抜く内容をお見せしよう。
- DATE
- 11月2日 プレミアリーグ 10節
- VS
- クリスタル・パレス(H)
- SCORE
- 1-2
- GOAL
- ‘8、’87PK M・アントニオ(CRY)
- ’29 内藤
ロンドン -アーセナル練習場-
官兵衛「ええ、まあ。ある意味では仰っていた通り、度肝を抜かれる試合となりましたが」
何、その冷たい目! 昨今のゲームってあんなセーブミスとか発生するもんなの?! ちがうんだ、この試合結果は私のせいじゃない! もう一度、もう一度チャンスをくれ!
勘助「確かに、CPUのGKがあんなミスするとは思ってもみませんでしたからな。これが内藤様個人が原因であるとするのは、いささか乱暴かもしれません」
官兵衛「まあ、今度こそ頑張ってください」
- DATE
- 11月10日 プレミアリーグ 11節
- VS
- ニューカッスル(A)
- SCORE
- 3-1
- GOAL
- ‘8、’54、’74 内藤(ARS)
- ’63 キング(NEW)
ミッドウィークはホームにトルコの強豪ガラタサライを迎えた試合、1-0と勝利したアーセナルですが、週末はセントジェームズパークへ乗り込んでニューカッスルとの一戦に臨みます。ラカゼットを故障で欠いてから逆に好調のアーセナル攻撃陣、原動力は構想外とも言われていた内藤です。リーグここ3試合で4ゴールは立派な数字、今日はどうか。ホームのニューカッスルは、セルビア代表ミトロヴィッチとキングが2トップを組みます。
先に試合を動かしたのはアーセナルでした。開始わずかに8分。ニューカッスルのペナルティエリア手前で内藤がフリーでボールを持ちます。好調なら誰よりも怖いストライカー、こんなにスペースを与えてはいけません。
ここから立て直したニューカッスルDF陣、前半はお互いにこれ以上の得点は生まれず、後半に入ります。そしてふたたび試合を動かしたのはやっぱりこの男。
ニューカッスルの3人に囲まれながら、うまくコースを見つけて巧みなシュート。オランダ代表の経験も持つクルルでも、これはどうしようもありません。
63分、ニューカッスルはキングが決めて1点差。追撃に移りたいところでしたが、ホームの観客を沈黙させたのは、またもや内藤でした。
74分、エリア手前でボールを持ったサンチェスから出たスルーパスに、斜めに走りこんできた内藤がダイレクトで合わせて3点目。この日の彼はもう止めようがありませんでした。これでリーグ4試合で7ゴール。とんでもない量産体制で依然絶好調です。
ロンドン -アーセナル練習場-
官兵衛「いかがですか、リーグ戦のハットトリックは。すごい歓声でしたね」
思い出しました。
官兵衛「思い出しましたか。一先ずよかったですな、あなた様にとってもチームにとっても」
勘助「ええ。特にチームにとって喜ばしい。ようやく、一流の攻撃力をもった選手を戦力外の中から発見できたわけで」
チームも大事だけれども、見るべきはわしでしょ、わし。これで、やはり私をリリースするわけにはいかなくなった、ということになろうな。まあ、それもよかろう……。このまま起用が続けば、ロンドンに留まってやらんではないよ。
官兵衛「急に態度が大きくなり始めましたな。また忘れる恐れもあるというに」
勘助「月末にはマンチェスターの2チームとの試合があります。そこで冬の移籍市場でどうふるまうか、結論を出しましょうぞ」