『私の世界の見方』を遊んでみた
- 【どんなゲーム?】
- 詳しい情報は、「ボードゲーム開封編」をどうぞ。
- 【登場人物】
与力藩の買掛担当。ボケ。シリアスな空気はとりあえずぶち壊そうとするタイプ。
奉行藩の決裁担当。ツッコミ(のようなすっとぼけのような)。噂によるとシュールなボケを目指しているらしいが。
奉行(開封した「それカード」を眺めながら)これはまた何とも言い難いのう。妙な言葉ばかりしたためてある。
与力まあ、何と言いますか、“絶妙なセンス”を求められるゲームですから、どれもどこかで役に立ちます、たぶん。それでは基本的なルールを説明いたしましょうか。
プレイ前に「私の世界カード」をシャッフルして山札とします。「それカード」は12枚ずつプレイヤーに配布して手札とします。残りは山札としておきます。そしてこのゲームの持ち主が親プレイヤーとなり、ゲームスタートです。
奉行なるほど、準備に迷うところは一切ないな。
与力はい。非常に単純です。遊び方も実際単純です。
親プレイヤーは、「私の世界カード」を引き、その内容を読んでテーブルの真ん中におきます。文章には必ず1、2か所空欄になっている場所があるので、そこは「あれ」とか「それ」と言います。
ほかのプレイヤーは、自分の手札の中から、“空欄に当てはまると親プレイヤーが思いそうな”「それカード」を手札から選び、伏せて「私の世界カード」の上に置きます。
親プレイヤーは「それカード」山札から1枚加えて混ぜ、全てのカードをオープンし、一番空欄に当てはまると思ったカードを選びます。そのカードを出していたプレイヤーが得点として「私の世界カード」を獲得し、新たな親プレイヤーとなって、ゲームを続けます。「それカード」を出したプレイヤーは全員補充を行いますが、獲得した「私の世界カード」も手札の枚数として数えられるため、得点するほど手札の「それカード」は減少します。
奉行山札から加えた「それ」を選んでしもうた場合にはいかがいたすのか?
与力その場合は親のチョンボということで、得点として持っている「私の世界カード」を1枚捨てなければなりません。
プレイ人数に応じた枚数の「私の世界カード」を最初に集められたプレイヤーが勝者となります。
奉行なるほどのう。お題の空欄に当てはまりそうで、なおかつ親に選ばれそうな「それ」を手札から選んで出す、か…。
与力親の性格をよく分かっている人が勝利に近づけるでしょうな。
ところがどっこい2人プレイ
奉行よし、では早速に遊ぼうぞ。
与力いえ、じつはお奉行、2人プレイの場合にはちとルールが異なっておりまして。
奉行なんと。
2人プレイの場合には協力ゲームとなります。
2人で交互に親プレイヤーを務めます。お題を読み、それカードを出すところまでは同じですが、山札から追加するカードは3枚となり、その中から相手プレイヤーが選んだ「それ」を当てます。正解した場合は得点、間違った場合は失点となり、得点が失点を7点上回ったら勝利となります。
奉行どれだけ相手を知っているか、親密さを試されているようじゃな。ちなみにどうなったら負けなのであろうかのう?
与力ギブアップじゃないですかね。
というわけで奉行と与力の相性やいかに。
与力“スパルタの戦士たちが唯一おそれたもの”??? あー…“しつこい新聞の勧誘”ですか!?
奉行おっ、当たりじゃ。これはかなりの難問であったな。山札が仕事をし過ぎた。
奉行“フォルダの名前”…その方がつけるとすれば、“メキシコ仕込みの空中殺法”か?
与力申し訳ありません、正解は“マグロの解体ショー”でした…
奉行…
与力“○○ダイエットだけは続けられそうだ”…。うーん。“チンアナゴ”と見ましたが、いかが?
奉行見事見事!
二人ともに7割方は正解し、見事勝利。
奉行10題ほどで勝負がついたか。やはり長年の上役の考えることはお見通しかな。
与力お奉行こそ、それがしのことを常々気にかけてくださっておるからこそでございましょう。
奉行はっはっは、向後のためにでは一献参って親睦を深めるといたそうか。
『私の世界の見方』【ここがイカス!】
奉行まあ、分かりやすい。また、お題、手札ともに絶妙な内容じゃな。笑った笑った。
与力よく練られてますよね。お題は日本語版発売にあたって開かれたコンテストの優秀作品も入っているそうです。
奉行ははあ。海外版は異邦人の考えたお題だったのかもしれんが、それだと今一つ日本人には合わぬ可能性があったな。日本語化にあたって、日本人が遊びやすいお題を揃えてくれた……とすれば、これほど有り難いことはない。
与力変則ルールとなる2人プレイでしたが、プレイのテンポなどはいかがでしたでしょうか。
奉行感性だからな。悩みどころはそれほどなかった故に、考え込んだり詰まるようなところはなかったのう。
与力ストレスなく遊べる感じですね。
『私の世界の見方』【ここはちょっと…】
奉行運であるとはいえ、時々山札が仕事をし過ぎるな。それはそれで面白いのだが、「そんな札があるのか!?」と。
与力山札が強すぎるとどうにもなりませんでしたね。何とか正解できたこともありますが。
奉行多人数の場合に、山札がどれほど脅威になるかは注目したいのう。あと、手札は多いとはいえ、その中から選択するしかない故に、場合によってはあまり意に沿わぬ言葉を選ばねばならぬこともある。そうなるとちとつらい。手札が食べ物ばかりで埋まることもあったぞ。切り方の問題か?
与力手元には使いづらい手札ばかりとなると、確かに勝つのは難しくなるかも。
奉行その点では、「得点すると手札が減る」というルールは、ちょっと苦しいかもしれん。手札の幅が狭まるのは勝ちづらくもなるし、得点するプレイヤーが平均化されてゲームの時間が長引く恐れもある。
与力どうなんでしょうか。多人数プレイの時に検証してみたいですね。
奉行まあ最悪の場合、という予想に過ぎぬぞ。
与力パーティーゲームとしてはいかがでしょうか。
奉行うむ。これは常々思うておることだが、『Dixit』とか、こういった遊ぶ者の感性に重きを置くものは、ある程度互いの感性を分かりあっている同士でなければ、かなり苦しいと思うぞ。初対面の者と遊んでも、どう札を選択すればよいか基準が分からんし、親が正解を選んでも「ふーん」で終わる可能性もある。
与力盛り上がりどころがつかめない、と?
奉行そこを乗り越えて、遊びを通じて徐々に互いを知り合っていこう、という趣で親睦を深められる社交性を持つ者同士が遊ぶのであれば、問題なかろうが。まあいくつか別の遊びに興じた後に出した方が無難なのではないかな。
与力なるほど。仲の良いグループの中に1人だけ初参加というような人がいる場合も、仲良しの間のやり取りが盛り上がって、初参加の人は置き去りにされてしまうというようなケースも考えられそうですし、結構難しいもんですね。ばーっと盛り上がれそうなゲームだけに、どんな環境でも遊べると期待してしまいがちですが。
奉行あくまでわしの体験からくる考えに過ぎぬから、あらゆる場合に当てはまるかどうかは知らんぞ。あとは、子供が大人の中に混ざるのも難しいのではないかな。
与力大人のシュールなギャグや親父ギャグにぽかーんとなってしまう恐れがある、ということですか。
奉行札の内容が結構な内容だからな。親がなぜ「それ」を選んだのか、理解するまでに5年くらいかかるかもしれん。
与力大人の世界の見方は厳しいですね。
2015/12/24追記:4人プレイ感想編ができました!