ケルトカード(原題『Keltis‐Das Kartenspiel』)を遊んでみた
- ケルトタイル 原題『Keltis – Der Weg der Steine』(ボードゲーム開封編)
- ケルトタイル 原題『Keltis – Der Weg der Steine』(ボードゲームプレイ感想編)
- ケルトカード 原題『Keltis‐Das Kartenspiel』(ボードゲーム開封編)
- ケルトダイス 原題『Keltis – Würfelspiel』(ボードゲーム開封編)
【登場人物】
与力藩の買掛担当。比較的えり好みをせずに、どんなゲームでも遊べるタイプ。ただ『ケルト』をやる時は妙に手を広げすぎるきらいがあるような。
奉行藩の決裁担当。他者に妨害される、あるいは他者の行動によって制限されるタイプのゲームが苦手。つまりはクニツィアジレンマが苦手。毎回同じことを主張していてすみません。
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与力今度もケルトです。これもタイルに負けず劣らずのお手軽ゲームですよね。
奉行いかにも左様。だが、めくって取るか取らないか、だけではない、多少の駆け引き要素があるのが、こちらの方じゃな。
最初に全プレイヤーに8枚ずつカードが配られます。カードは5色に分かれています。
基本の遊び方は同じで、自分の番になったプレイヤーは、手札からカードを手元に出し、色ごとに列を作ります。列は昇順か降順かで下にカードを足すように並べていき、途中で上に伸びたり、間の数字カードを割り込ませることはできません。
奉行列を長く伸ばせば伸ばすほど、高得点になる、ということであったな。
与力はい、ですからできるだけきっちりと間を開けないように並べたいのですが…
奉行なかなか上手く札を引けぬ、という悩ましさがあるという訳だ。
そして、カードを出したら山札から1枚カードを引いて手札にし、次のプレイヤーの手番となります。
ここが違うよ『ケルトカード』
奉行これだけだと何ということはないのだが…
与力まあ、『ケルトタイル』とのプレイ感の差は、特有の3つのルールですね。
ルール①「得点カード」
カードには灰色(色無し)のものがあります。これらは「得点カード」で、このカードだけで列を作ることができます。この列は昇順or降順にする必要はありません。このように置いた得点カードは、ゲーム終了時に1枚につき1点になります。
また、列の一番下に並べられている色カードと同じ数字が書かれている得点カードは、重ね置きができます。このように置いた得点カードは、単体では得点になりませんが、列を伸ばすことができます。
与力列が長くなれば、高得点が期待できますからね。
奉行確実に得点を貰うか、高得点を目指すかの判断ができる訳だな。
ルール②「願いの石カード」
『ケルトタイル』では、引いたタイルに付いてきた「願いの石」ですが、こちらでは狙って獲得することになります。ゲーム開始時、1~9の数字が振られている「願いの石カード」が並べられています。色に関係なく、手札から同じ数字のカードを2枚捨てると、捨てたカードと同じ数字の「願いの石カード」を自分のものにすることができます。
奉行願いの石を持っていないと、得点を引かれるのであったな。
与力逆に集めれば集めるほど、高得点になりますから、是非集めたいのですが…
奉行捨て札を作らねばならぬのが問題となるのよな。
『ケルトカード』では、手札を補充する際、捨て札の山からも、カードを引くことができます。従って、手札を捨てることは、相手の欲しいカードを渡すことになる可能性もあります。
与力その辺りが駆け引きになりますかね。
奉行悩むところだ。
ルール③「ストップカード」
各色のカードの中に、数字が書かれていないカードがあります。これが「ストップカード」で、列に並べると、そこは“終わり”となり、これ以上カードを並べることができなくなります。このカードが全プレイヤー合計で5枚出されると、ゲームは終了となります。
与力山札が無くなってもゲームは終了ですが、このカードでもゲーム終了になります。
奉行つまり、終わらせる瞬間を決めることができる訳だな。
与力はい、チャンスとあれば狙ってゲームを終わらせることができるということです。
ストップカード含め、大分伸びた列。こうして終局を迎えました。
奉行ま、わしが勝ったわけだが、なにしろこのように並べられれば高得点となるのだ。
与力むしろ願いの石カードを独占されてしまったのが…
奉行以前それで悔しい思いをしたことがあるからのう。
ケルトカード 【ここがイカス!】
奉行これもごく単純明快だとおもうが、いかがかな。
与力基本のシステムはタイルと同じですからね。しかし、8枚の手札をどうやりくりするか、というところで大分違いますね。
奉行ある程度札を持っておいたり、出す順番を調整したり…などということが、上手くいかぬでもないな。
与力さらに、『ロストシティ』からお馴染みの捨て札再利用というシステムが効いていると思います。
奉行そこに得点の要にもなる「願いの石」が絡んで、ある程度、みな捨て札を出さざるを得なくなるゆえに、札が循環するのだな。
与力引き運だけではなくしたルールのおかげで、タイルよりも考えさせるゲームに仕上がっていますね。
ケルトカード 【ここはちょっと…】
奉行ちと願いの石カードの獲得が気になる。
与力そうですか?
奉行これが無いと勝ちが消えかねんということで、最初に取りに行く者が多いと、特に駆け引きとは関係なく捨て札が山となるような。今回のわしは、まさにそうしてみたわけだが。
与力なるほど。
奉行まあ一番札が自由になりやすい二人対戦の場合には、無作為に三十枚の札を使わぬことになるから、願いの石ばかり狙う訳にはいかぬ方が多いかもな。
与力あら、自己完結しましたね。
奉行そう申すな。それから、『ケルトタイル』ほど気楽には遊べなくなったな。
与力このくらいのルールでも、初心者向けと言えるくらいには簡単なゲームですけどもね。
奉行駆け引き要素が増えた分、何も考えずに遊べる、というほどではなくなったということだ。
与力ただ、あまりゲーム慣れしていない人に、ちょっと変わったゲームやってみない?と出すなら、このくらい要素があった方が逆にいいかもしれませんね。
奉行まあ、そうだな。タイルとは遊ぶ場面は少し変えられるかもしれない。
与力玄人からするとどっちも単純なゲームということになりますが…
奉行どっちかだけでいいや、というのであれば、『カード』の方が良いのではないかと思う。箱も小さいし、持ち歩きやすいぞ。
与力お奉行の“湯治の友”その2ですものね。
奉行うむ、実は左様であった。