雄飛の時、来る?
1596年4月 高力清長、来襲
こんにちは、戦の準備でごった返しておりますが、いつもの真田源三郎信幸にござる。実は上田に高力清長率いる5000の軍勢が迫っているとかで、父からSOSが入りました。そういう訳で、海津城のほぼ全戦力5000を率いて、上田へ急行…
高梨内記「源三郎さま、上田では殿がお待ちでござる。共に籠城戦と参りましょうぞ」
河原綱家「それとも上田城下で、野戦にて高力勢を蹴散らしまするか?」
うん、そのどちらも、せぬ。
高梨「なんと。では如何なさいますので」
河原「上田の兵のみにては、高力勢を抑えられるかどうか、分かりませぬぞ」
いや、そこはおそらく大丈夫。根知城と飯山城から…そうだな、合計2000程度は援軍が来よう。それと上田の兵を合わせれば、まず互角。俺は上田攻めが行われている間に、小諸城を狙う。
高梨「なるほど…確かにそれはこちらの貰いが大きい一手」
河原「なれど、徳川勢は必ず後詰に出てまいりましょう。少なくとも深志城、新府城から合計1万近くが見込まれます。我らの実に倍となりますぞ」
そこはそれ。やろうと思えば何とかなる。いくぞ、出陣だ!
高梨「うーん、不安だが…」
河原「何か成算有ってのことなのであろう。まあ、出兵して空になっておる小諸を狙うのは、悪い手ではないが」
―小諸近く―
鈴木重則「小諸城を守るのは室賀正武、その他に新府、深志から約1万の援軍が来援している模様」
鈴木忠重(以下、右近)「上田の合戦は五分と五分で推移しております。予断を許しません」
相変わらず意外とやるな、高力清長。人は顔だけで判断できぬものだ…さて、小諸の徳川勢の中に、永井家の旗印は見えるか。
重則「はっ、深志城よりおよそ5000の兵を率いて来援中にございます」
うむ、それを待っていたのだ。無理と諦めずに仕掛けておいた甲斐があったぞ。さあ右近、手筈通りに運ぶぞ。狼煙を上げよ!
永井直勝「おお、その合図を待っておりましたぞ、真田殿! 我が永井家は故あって徳川家を退去し、これよりは真田家にご奉公仕る!」
よし、ただちに小諸城を攻めるぞ。高力清長も帰る城が無くなれば、大分慌てるであろう! 永井勢の手引きにて、我らも城下へと乱入…
永井「真田殿! 真田殿! 総攻めはしばらくお待ちくだされ!」
おお、永井殿。お初にお目にかかる。それがしが真田源三郎じゃ。して、その慌てぶりはいかがなされた。
永井「徳川勢の後詰がさらに迫っております。率いるは平岩親吉、酒井忠次。総勢は約15000!」
うっぐ。さすが徳川、二段構えの防御を破ったと思うたら、三段目、四段目が現れたか…。その両勢と戦って、さらに小諸を攻めるは無理だ。ここは一旦引き上げ、上田の守りを手伝うとしようか。
さて、そんな最中。
次女の婚礼をみて、ちょっと涙腺が緩みます。こうすれば、忠誠度が上がり寝返る可能性も下がるし。
1597年1月 行って戻って
……うーん、小諸がどうしても落とせない。今が好機であることは分かっているのだが、夏のあの時も包囲の背後を平岩勢に衝かれそうになって引き上げざるを得なかった…。なんとか、小諸を落としたい、と思いつつ、ついに新年を迎えてしまったな。
永井「徳川家としては、北条の持つ領土を東から切り取る、というのがここ最近の方針でございました。その間、真田には大人しくしてもらっていればよい、と」
重則「なるほど、それで近頃ひんぱんに徳川の大軍が小諸城下を通り、妙義山のふもとを通っ北条領に向かっておるということなのですな」
山越え、まことにご苦労なことだが、おかげさまで小諸以外の城の軍勢がほとんど北条領へ投入されておる。その上…
前田勢が飛騨を抑え、信濃の西をうかがう姿勢を見せ始めた。徳川勢はこちらの動きも警戒せねばならぬ。ゆえに、いま我らに対する警戒心は薄れている、はずなのだ…
高梨「それで先日…」
おう。通り過ぎる徳川勢をよく数えて狙っておったのよ。したが、包囲したとたんに、上州から徳川勢が20000くらい引き返してきおったな。
河原「あの折は驚きました…」
永井「いずれにせよ、徳川家の底力をなめてはいけません。いまや伊豆、箱根を抑え…」
透波の小田原攻めの知らせを聞いて、俺も耳を疑ったよ。それほどの大軍勢を動かせるものなのか、と。だが、徳川が北条領にご執心で、しかも兵を次々と損じていることは間違いない。とにかく、ここが正念場だ。何としても小諸を落とす!
1597年3月 父、暴れる。
重則「申し上げまーす! 上田の殿が約5000の兵で深志攻めを始められました!」
なんじゃと!? 確かに深志の辺りには徳川勢は5000程度しか残っておらぬ。今が好機かもしれぬが…いや、まてよ、そういうことか? そういうことなのか!? 陣触れだ、総勢を挙げて上田へ向かうぞ!
父上のご出陣で上田は空になる。高力清長としてはどうしても攻めたくなる誘いの手だ。やつが出てきたところを海津の兵で俺が叩く。そして、そのまま小諸城へ雪崩れ込む。徳川の援軍はこない。兵は遂に払底した!
重則「高力勢、崩れました! 追い打ちをかけます!」
かかれ、かかれーッ! 勝負所だ、決して退くなーッ!
永井「敵将・室賀正武、この永井伝八郎が討取った!」
あっ、2016年のプチ有名人がなんか死んでしまった。しかもスクショ取り忘れた…!記事的には痛手だが、今が攻め時。このまま一気に城を落とせ!
真田綾「父の命で、根知から駆けつけましたが…必要ありませんでしたね」
おお、妹その2(架空)よ、それはご苦労だったな。しかし尽力あって、ついに小諸城を落としたぞ。信濃の交通の要衝じゃ。
ふふふ。徳川がよう町を整備しておいてくれたおかげで、栄えておる。これよりはこの小諸へ居を移し、さらに徳川領を切り取ってくれるぞ!…たぶん。
右近「あの、上杉領はよいのですか?」
確かにあっちも好機だけど、最上が大暴れしてるもの。あの人らと隣り合わせになるんだと思うと、ちょっと手が出せないよね。海津で様子見しておこう。さ、小諸城の見学といこうかな!