第二十八回 終焉の予感
(ある宣教師の手紙)
二条御所―1582年からの戦略―
いやあ、この歳になると、戦もだいぶ体に堪えるね。数えで53だから、この時代の平均寿命は越えた感じだもんね。
角隈石宗「我らも同じく、歳を重ねました。朝晩が冷え込むと節々が痛みまする」
甲斐親直「だんだんと、評定というよりは老人の茶飲み話のようになってまいりましたな」
龍造寺隆信「しけたこと言ってんじゃねぇよあんたら。戦は続いてるんだぜ」
と言って、案の定フェーズ移行を見守っていくだけだからねえ。時々、個人的勇者が出現してボトルネックになることがあるけど、2度、3度と波状攻撃を仕掛ければ、必ず状況打開できちゃうもんね。
黒田官兵衛「それでは、各戦線よりご報告申し上げます」
そっかー。武田が滅ぶのはなんか色々あって心が痛まなくもないけど、まあいいか(お茶ズズーッ)。
官兵衛「東海道筋は箱根、小田原辺りで合戦を続けておりますが、調略は順調です。猪苗代盛国が城を明け渡すなど、無駄な兵の消耗を避けられています」
角隈「ははぁ。調略を進めているとはいえ、すでに相模まで踏み込めましたか。やりますな、立花様も」
甲斐「いや、その筋は御屋形様のご指示で、羽柴秀吉とやらがずいぶんと働いておるようで…」
官兵衛「飛騨、北陸の軍勢は合流し、越後春日山城を攻め落としました。一部の軍勢は能登の攻略をまもなく終えまする」
龍造寺「ふむ。てことはそろそろ最上、伊達の軍勢と初衝突となるかもな」
ふむ、北陸側が予想以上にドライブかけて頑張ってくれたな。じゃあさらに軍を送り込んで、ドラスティックに東北の状況を変えていってしまおうか。我々ももう一度出陣するよ。これが最後から二番目か最後になると思う。みんな、フルコミットを期待してるよ。
―越後―
織田信長「……まもなく、新たなる世、ぞ。命を捨てること、無駄であるとメイクセンスせよ」
堀秀政「平岡様、一つよろしいでしょうか。あの、信長さまの軍勢の上に時々、このゲームのタイトルが浮かんで見えるのですが……」
平岡房実「んゥー、秀政ちゃんねェ、アレはそのソレ(織田信長の専用特性「信長の野望」)よ。そうするとそう(全能力がやや上昇する)なるんよ」
堀「は、はぁ……」
平岡「まあ(初めて見ると)そう(ビックリする)なるわな」
島津歳久「へぇ、この城、力攻めで落とさなかったんだ。兄貴、つまりあんたは変化してるんだ。ヤワに変化してる。籠城した将兵のことを考えて降伏を許すのはだ、ひょっとして、やっと人間になったか?」
義弘「ハイ、どういたしまして。お前も口と同じくらい手が動けば、もっと立派な武将になってただろうな」
―伊豆・下田城―
立花道雪「……(ゴホッ、ゴホッ)……」
由布惟信「戦は長引いてますが、もう決着は見えてますな。戦場は体に障りますゆえ、浜松あたりでのんびりされてはいかが。それとも箱根を取ってから温泉といきますか?」
島津義久「左様ですな。由布殿もたまには良いことを申されます」
道雪「……無用だ。兵を進めよ。宇喜多が道を切り開いた。間断なく軍勢を繰り出し、北条を休ませるな」
由布「やれやれ、頑固な殿だ。戦場でぽっくり逝っちまうのだけはやめてくださいよ」
―甲斐・富士吉田城―
宇喜多「……フフフ、どうやら北条はここで決戦を挑む気、か? 韮山と小田原の守りが固い。我らだけでは手が足りぬぞ」
秀吉「まあまあ、そこは道雪殿が何とかして下さるって。安心して戦に挑まれぃ!」
宇喜多「……強気、じゃな?」
秀吉「まあな? おっ、あの旗印は北条の海賊大将、梶原景宗じゃな……、おーい、梶原どのー!」
秀吉「……と、いうことじゃい。これで韮山は落ちる。宇喜多どの、伊豆の戦はおしまいじゃて、道雪どんには小田原攻めに全力を傾けていただきましょうかいのぅ!」
宇喜多「フフフ……左様か。根回しのよい御仁だ。これならば、このわしが身を粉にして働く必要もなくなった、か。御屋形、よくぞ某をお使い下された。立花殿、この不義理者をよくここまで連れて来て下された」