『ベビーカーでGO!』を遊んでみた
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奉行藩の決裁担当。ベビーカーに搭載したい機能は?「そりゃあもうマシンガンだろ、とか言ってたら怒られそうだ」
与力藩の買掛担当。ベビーカーに搭載したい機能は?「キャタピラかホバリングですよ。階段を越えたい」
ベビーカーをたたむ、それも選択肢
与力が、しかし。たたんではいけません。
奉行そりゃまあ、「ベビーカーで無事目的地に到着せよ」というゲームなのだからたためんわな。
与力実生活ではいざともなれば、たたんで抱っこ紐という選択肢なんかも視野に入るんですけどね。
奉行子どもを抱っこやおんぶしつつ、ベビーカーかついで上がるのか? 大変だな……
与力なので、そもそも抱っこ紐オンリーというのもありますが、その辺はともかく、今回はみんなでベビーカーを押して、仲良く目的地へ到着しましょう。
ゲームを始めるには、まずカードをよく混ぜて山札をつくります。そして全プレイヤーに手札として1枚ずつカードを配ります。その後、スタートプレイヤーを決めたら、サイコロを2回振って目的地表に従い、今回の目的地を決定します。
与力6面サイコロ2回、いわゆるD66ってヤツですかね。
奉行しかし、目が大きければ大きいほど、目的地がひどいことになっていくぞ? ベビーカー押したママ友同士で行くには、難易度が高すぎる場所のオンパレードではないか。
与力シュールで面白いじゃないですか。
奉行パワフルなママグループになりそうだ……ところでこのゲーム、必ず4人パーティーになるのじゃな?
与力です。プレイヤー人数に関係なく、4人のママ友が全員無事に目的地に到着することが勝利条件です。ですので、4人に不足しているときは、その人数分のダミープレイヤーが入りますね。
奉行我らの場合には、ダミーが2人はいる、ということじゃな。ふむ。
1~3人で遊ぶ場合、足りない人数分をカバーしてくれるダミープレイヤーは、手札を持ちませんが、特定の場面で能力を発揮する特殊能力を保有(適用するかは選択ルール)しています。大きな助けになるかもしれません。
奉行やたらとエレベーターの配置に詳しいママさんとか、時間読みが上手いママさんとか、色々いそうだものな。
与力忘れ物をしがちだったり、選んだ道が全部遠回りになる私の能力も特殊能力になりますかね?
奉行そりゃなるだろ、なんの役にも立たないだけで。
迷うのは4段くらいの小さな階段
ゲームがスタートしたら、手番プレイヤーはまず山札からカードを1枚引きます。その後、2枚になった手札のうち、どちらかを使用するか、捨てるかし、手札を1枚にしなければなりません。
奉行ふむ、使う……。
与力カードは大きく分けてママが進む「GO!カード」、行く手を阻む「トラブルカード」、トラブルを解決してくれる「ヘルプカード」の三種類が有ります。それぞれ使い方が決まっていますので、簡単に説明を。
カードその1. 「GO!カード」
GO!カードは、自分の前に置いて、カードに書かれている数字ぶんの距離を進むことができます。
与力結論いいますと、このカードの数字が10まで行けば、ママは無事目的地に到着できたことになります。
奉行ほう。つまり、四人のママの前に、このカードが合計10になるように置かれていればゲームクリアと、そういう訳だな?
与力です。ただし、他人の前に置くことはできないですね。
カードその2. トラブルカード
トラブルカードは、自分もしくは他のプレイヤーの前に置くことができます。このカードが置かれているプレイヤーは、GO!カードを置けなくなってしまいます。
奉行文字通りトラブル発生、か。
与力はい。これを何とかしなければ先には進めなくなりますから、上手いこと解決していかなければならなくなりますね。
奉行厄介じゃのう。何枚も出てしまったら、どうにもならんな?
与力ですので、四人でトラブルを分担して引き受けていくような差配が必要になってきますでしょうね。
カードその3. ヘルプカード
ヘルプカードは、対応するアイコンのトラブルカードを取り除くことができます。
奉行む? アイコン? ああ、このトラブルカードの数字の後ろに書かれている絵か!
与力“手”か“ハート”のアイコンがあると思うんですね。ですので、手なら「手伝い」、ハートなら「やさしさ」が効く、ってことなんですよ。
奉行ふむふむ。
奉行これもヘルプカードじゃろう?
与力はい。スマホは、全員の手札を見せて自由に交換することができるんですね。ただ、今回の2人プレイの場合は……。
奉行わしとお主のみだからな。あまり劇的な効果はないか。
与力って感じでカードを使いますが、使えないとか使いたくないケースの場合、捨てることもできるわけです。ただし、トラブルカードは捨てることはできないです。
奉行手札に来てしまったら、どこかで出てきてしまうような感じかぁ。常にいいカードは引き続けられんだろうからなぁ。
カードを使用したら、続いて自分の前にトラブルカードが置かれているときに限り、トラブル解決に挑むことができます。ここではサイコロを振り、出た目がトラブルカードの数字以上であれば、そのカードを取り除くことができます。
奉行あ、解決策はヘルプカードだけという訳でもないのか。
与力自助努力によって何とかならんでもない、ってことです。ただ、絶対にどうにもならないトラブルもありますんで、それはヘルプカード使ってください。
以上の手順が終了したら、次のプレイヤーの順番となります。ダミープレイヤーは、定められたルールに従って処理を行います。全プレイヤーの前にGO!カードが10点分置かれれば、目的地に到達し、勝利となります。その前に山札が尽きたら敗北です。
与力これ、気を付けておきたいのは、目的地に到達できたプレイヤーは、そこでゲームから抜けていくんですよ。
奉行あー、先着した人の分、こちらの負担分担の手段が減っていくことになるのか。じゃあ自分だけお先に、って訳にはいかんのだな。グループ行動らしさを表現しつつ、これはパンチの効いた制限事項だな。
奉行ふー、ついたついた。一度はおぬしだけ置き捨てて三人ゴールしてしまった挙句、最後まで到着できなかったがなあ。
与力実際、四人グループのベビーカー移動だと、エレベーターの順番待ちとかで分断されざるを得ないですからね。足並み揃えるのは大変ですよ。
奉行ちと実感がこもり過ぎておらんか? ちなみに、今回はどこ目指してたんだっけ?
与力えっと、ランチしに行くって話だった気が。途中で銃撃が起きましたけれど。
『ベビーカーでGO!』【ここがイカス!】
奉行まずイラストが良いな。システム上、「GO!カード」を出すのは嬉しいもんだが、更にイラストが爽やかだからうきうきした気分になる。
与力実にオシャレですよね。
奉行そしてテーマも面白い。そう多くのボードゲームを知っているわけではないんだが、こういうテーマのゲームを初めて見たぞ。
与力ベビーカーで街を歩く難易度って結構高いんだよ、ってところが巧みに表現されていますね。うんうん、分かる分かる、って感じです。
奉行勝利条件を考えると、一人だけ突出してはいかんので、トラブルカードは厄介ではあるものの、上手く引き受けたり引き受けてもらったりして、歩調を合わせられるように調整に使いたい。この塩梅もうまくできていると思う。
与力相談し甲斐が有りますね。ちょっと進んでるから引き受けるよーとか、あの人遅れてるから楽にしてあげようか、とか。
奉行コンパクトではあるが、互いの助け合い精神がかなり問われる、なかなか良い協力ゲームであったと思うぞ。
『ベビーカーでGO!』【ここはちょっと……】
奉行驚いたのは箱のサイズかな。まさか半分が、サイコロ1個用のスペースだったとは……。それはさておき、ツクダヒナミさんの絵の印象とは裏腹に、結構ガチだよな? わし、ほんわかわいわいすると思っていたから度肝を抜かれた。
与力確かに。敗北もありましたし、勝利したプレイも山札がラスト1枚でした。毎回ギリギリでしたね。
奉行勝てるか勝てないかのバランスが絶妙なんだろうなあ。しっかり頭を使っていかんとならなかった。
与力ボードゲームは初めてとか、協力ゲーム系が得手ではない方なんかには、ちょっと合いづらい気がします。
奉行それから、全員での協力が欠かせない故に、「どうしても勝ちたいんや!」っていう奴、いわゆる『奉行問題』が発生する率は高まってしまいそうだな。
与力協力ゲームの難点ではありますからねえ。でも、このゲームの場合、ママ友グループの必ずいるっぽいリーダー格が再現されてるって気がしません?
奉行必ずいるもんなのか? 後はうーん……トラブルカードを解決する際にサイコロを使うので、運に展開が左右されるポイントがある。サイコロ運要素が苦手な場合は注意かな。
与力サイコロ運とカードの引き運も関わってくることで、ヘルプカードをどのトラブルにいつ使うか……という決断を度々迫られる感じがします。私はそこが好きです。
奉行うむ。そして基本二人プレイのわしらが言うのも申し訳ないが、やっぱりこのゲームは四人で遊んだほうが真価を発揮するであろうな。ダミープレイヤーは役に立つケースも時々あるが、基本的に気ままに突進していくので、ケアが大変だ。ままならん時は悔しい。
与力微妙な距離感のママ友グループっぽくないですか。仲良し2人ずつの2グループで出かけた、みたいな。とはいえ、ゲーム的にはスマホのお役立ち度なんかも見てみたいので、3人以上で改めて遊んでみたいですね。
奉行うん。できればダミー無しで、お互いを気遣う感覚を楽しみながら、最終目的地である天竺を目指してみたいものだな。お、あとその目的地がフレーバーでしかなかったのは、ちょっとだけ残念だった気もする。
奉行ここはニューヨークかな? それともシカゴなのかな?
与力ホームドラマを見ていたと思ったら、急に海外ドラマ的展開になった感じですね。
奉行まあアメリカはスナック感覚で広場やモールで発砲したり、病院に戦車が突っ込んできたり、廃車工場や船が爆発したりするしな。多少の銃撃戦くらいはあるだろう。
与力ドラマ基準でアメリカを考えるのは、流石にどうかと思いますよ。