『ドラダ』を遊んでみた
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正月の風物詩と思われがちな…
奉行すごろく。すごろくだな。
与力サイコロを振ってコマをゴールに向かって進める。まごうこと無きすごろくです。
奉行ふむぅ。それを駆け引きのあるボードゲームに仕立て上げたと。この内容物でなあ。
与力工夫1つでゲーム性は大きく変化するってことなんじゃないでしょうか。
まずゲームの準備です。ゲームボードを組み合わせたら、各プレイヤーは自分が担当する色を1色選び、その色のコマ4個とマーカーを受け取ります。マーカーは、自分がどの色を担当しているのかを表しますので、手元に置いておきます。コマは、赤い面が下になるように、4個積み重ねてスタートの位置に置きます。以上の準備が終わったら、スタートプレイヤーを決定し、ゲームを始めます。

奉行コマを積み重ねているというのが、一つキモであろうな。
与力そうですね、ゲームの重要なポイントになってきます。で、このゲームの目的ですが。
奉行ゴールすればよいのであろう?
与力です。ゴールに向けてコマを進めていき、自分の手持ちコマをできるだけ多くゴールさせて、勝利ポイントを積み上げることが目的になります。
奉行む? “できるだけ”…?
与力かつ、できるだけ他プレイヤーよりも「遅く」ゴールするほど、勝利ポイントを多くもらえますので、誰よりも早くゴールするという、一般的なすごろくの考えは、ここで捨てていってください。
奉行いきなりなんだ、手厳しい。
この道を行けばどうなるものか
『ドラダ』では、手番のプレイヤーはサイコロを振り、自分の動かせるコマの中から任意の1個を、出た目の分だけ前に進めることができます。これが基本となります。

奉行そうよなあ。3が出たから3マス前に進んだ。何もおかしなことはない。
与力そうですね。ところが、ゲームが進むとこういう場面に出くわします。
コマをゴールに向けて動かす時、他のコマが止まっているマスも飛ばさず、1マスとして数えます。結果、他のコマがいるマスに止まることになった場合は、自分のコマをそこに重ねておくことになります。

与力こうなった場合、下になっているコマは、動かすことができなくなります。
奉行おおう、動きを封じられると。
与力そうです。一番上のコマしか動かすことができない状態が、こういう積み重なった状態です。
ボード上では、コマが何事もなく通過できる赤いマス以外に、3種類のマスが存在しており、これが有利不利に大きく影響してきます。

与力物理的にボードに穴が開いている落とし穴マスで止まることになったコマは、そこでひっくり返って動けなくなります。
奉行ひっくり返る。
与力はい。赤い面を上にして、以後動かすことはできなくなります。ただし、その落とし穴はそれで埋まったことになるため、以後、そのマスは通常の赤いマスと同じものとして扱われますね。

奉行あとに続くコマのために、礎になると。
与力どこぞのウマ娘の目標みたいな表現ですね。ただし、自分のコマだけではなく、他プレイヤーのコマにとっても、落とし穴が1つ減ったわけですから、状況をラクにしてあげたことになってしまいますよ、と。
奉行みんなからありがとうと言われる存在に昇格すると考えれば、多少悔しさも収まるか?

与力これはすごろくによくある要素ですね。マスに書かれている数字の分だけプラスなら前に、マイナスなら後ろに戻ります。
奉行強制移動だな。
与力ただ、注意しなければならないのが、このマスの効果による移動の場合に限って、「他のコマが止まっているマスも飛ばさず、1マスとして数える」原則が崩れます。止まるべきマスに他のコマが止まっていた場合には、その上に積み重ねるのではなく、その先の空いているマスに移動しなければなりません。しかも、その移動先のマスの効果も受けることを覚えておいてください。
奉行ということは、止まれると思ったら止まれずに落とし穴に落ちる!みたいな事件も出来するということか。ううむ。

与力ワープは至極単純で、ここに止まったコマは強制的にゴールとなります。
奉行おおっ!? 無事ゴールできたことは喜ぶべきも、早めゴールは安上がり…。
与力そういった点で言えば厄介なマスとも言えます。と、以上のようなマスを通り、ゴールへ向かって行く訳ですね。なお、自分の手番では、動かせるコマがある場合には必ず動かさねばならず、どのコマも動かせない場合に限り、パスが認められるシステムとなっております。
奉行計画運休は禁止か。相分かった。
負けないでもう少し

コマがゴールする際には、ぴったりの出目で無ければゴールできないということはありません。ゴールへ到達したら、出目の分だけ進んでいなかったとしても、ゴールとなります。全てのプレイヤーの全てのコマが、ゴールするか、落とし穴に落ちるかして、ボード上に動くコマが無くなったら、ゲームは終了となります。
与力てことなんですが、ゴールしたコマは、どんどん上に積んでいくわけですね。先にゴールしていたコマの上に積み上がっていきます。
奉行塔のような様相を呈することになる訳だ。

与力ここで得点計算ですが、ボードにプリントされているように、遅くゴールした、つまり上に載っているコマほど高得点となります。一番上が最高点の100点で、そこからどんどん下がっていく感じですね。
奉行ふむ、つまりこの状況では、ピンク側プレイヤーが勝者というわけだ。
与力これがあるので、がむしゃらにゴールさえすればいい、という訳でもないのが、難しいゲームなんですよね。
『ドラダ』【ここがイカス!】
奉行これは考えるなあ。
与力考えますか。
奉行遅くゴールしたいということは、相手の様子を見て後手を取りたい訳だが、そううまうまと事が運ぶわけではない。
与力すごろくですからねえ…。
奉行そう、サイコロの神が何というかによって、結局はすべてが決まってしまう。とはいえ、ある程度どの出目が来ても対応できるように、自分のコマの現在位置は決めておきたい。従って、コマの配置に幅は持たせたい…が。
与力動きを封じられてしまう仕組みがありますからねえ。
奉行動かさなくてもよくなるという点では、まあ後からゴールさせればいいやという側面がある一方で、動かせなくなった結果、他のコマを動かさねばならない不利益が発生してしまう。
与力直接的には、「そのコマが動かせていれば、落とし穴に落ちなくてよかったのに…」みたいなやつですね。
奉行「狡兎三窟」というが、ある程度状況を吸収できるよう、巧みなコマ配置を心がけてゆきたいものよ。
与力でも、サイコロが言うことを聞かなければどうにもならないですけどね。
『ドラダ』【ここはちょっと…】
奉行左様。結局はサイコロなので、どうにもならんことはある。その時はもう一度遊ぶしかない。
与力出目がねえ。ままならないことはありますからねえ。
奉行あとは、すごろくというシステム、そして一見簡単そうに見えるポップなデザインに比して、かなり駆け引きのウエートが大きいゲームだろうとは思う。だから12歳以上なんだろうな。
与力すごろくで「他人より遅くゴールするためにどうするか?」って、「後だし負けジャンケン」みたいな感じで、ちょっと頭がバグりますからね。
奉行といった意味では、かなり大人向けなゲームってことになるのかもわからんね。

奉行ゴール前の連続落とし穴、こういう光景になることもある。
与力4つとも1人のプレイヤーのコマだったとしたら、頭を抱える以外にやれることはもうないですね。
奉行そのプレイヤーにはご同情申上げるしかないな。







