FIFA18 テキストリプレイ 転生した内藤昌豊は、武田の旗を天下に知らしめることができるのか? Part.12

第12節 いざ、海外

【内藤、海外移籍へ?】

Jリーグチャンピオンに、大きな衝撃が走った。ヴァンフォーレ甲府の内藤昌豊(20)の代理人は、この日、海外チームからのオファーが届いたことを明らかにした。英・プレミアリーグの2チームからの完全移籍オファーで、契約面など具体的な内容は明らかにしなかったが、「依頼人は移籍に前向き。十分に検討する価値のある契約だ」とのことだ。
甲府は、新シーズンに向けてイタリア・セリエBのヴェルチェッリから、MFカスティーリャ(30)を獲得するなど、着実に戦力補強を行っていたが、昨季個人三冠に輝いたストライカーを失えば、チームの大黒柱を失う大打撃となる。甲府のGMは「今はまだ何も言えない。まずは選手と話してから」とコメントしているが……。
(コフチュウスポーツ 2018年1月2日の紙面)

【内藤、移籍先はアーセナルか】

Jリーグ得点王の移籍先は、日本と縁の深いあのチームになるのか。ロンドンの現地報道によれば、「アーセナルが、Jリーグ・甲府のマサトヨ・ナイトウ獲得に迫っている。ガナーズはこの日本人ストライカーに対し、週給6万ポンド(日本円で約890万円)の条件を提示した」と伝えられており、既に移籍完了まで秒読み段階に入った、とも見られている。
アーセナルと言えば、かつて名古屋グランパスの監督を務め、日本でも馴染みの深いアーセン・ヴェンゲル氏が監督を務める強豪。ヴェンゲル氏は日本への理解も深く、これまでにも稲本潤一、宮市亮、浅野拓磨など、日本の若い才能の発掘・獲得にも積極的だった過去がある。果たして、内藤もアーセナルのユニフォームに袖を通すことになるのだろうか。
(コフチュウスポーツ 2018年1月3日の紙面)

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現地では報道加熱中。
(FIFA18)
【ヴァンフォーレ、主力流出】

内藤の移籍騒動に揺れるヴァンフォーレに、さらなる衝撃だ。3日、浦和レッズが甲府からドゥドゥを獲得したことを発表した。移籍金は1億円(推定)と見られる。また同日、横浜F・マリノスは、甲府のGK河田晃兵を完全移籍で獲得したことを明らかとした。移籍金は6千万円(推定)。両選手はプレシーズンマッチに臨むチームを既に離れ、近く新チームへ合流する。ブラジル出身のドゥドゥは、昨シーズンはチーム事情から中盤も務めるなど、献身的なプレーで優勝を支えたストライカー。後半戦では内藤との2トップに定着していた。河田は昨シーズンのリーグ最優秀GKで、甲府の堅守を最後尾で支え続けていた。両選手ともに、チームには欠かせない主力とここまで考えられていたため、この2人を失ったチームをどう組み立てるのか、監督の手腕に注目が集まりそうだ。
(コフチュウスポーツ 2018年1月4日の紙面)

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浦和で出番はあるのか……。
(FIFA18)
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マリノスはGKが必要だったのか?
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【内藤、やはり移籍へ】

ヴァンフォーレ甲府のGMは9日、クラブハウス内で会見し、FW内藤昌豊(20)が英・プレミアリーグのアーセナルへ完全移籍することを発表した。移籍金は約33億円と見られている。GMは「正直に言えば移籍されるのは苦しい。だが、アーセナルの条件は彼にとって大きなプラスだし、我々にとっても残念とはいえ諦めの付くようなものだった。これからはファンとして彼の活躍を見守りたい、という心境だ」とコメントした。
一方、アーセナルも公式サイトで内藤の獲得を発表し、加入を歓迎している。選手は既にロンドンに入っており、所定の手続きを経た後、チームへ合流する予定。
(コフチュウスポーツ 2018年1月10日の紙面)

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ついに移籍。
(FIFA18)
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期待されてますよ、と。
(FIFA18)
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ロンドン ―ホテルの一室―

いやあ、あっという間に決まったな。官兵衛が取りあえず移籍リクエストを出してみろと言うので出してみたら受領されたが、甲府は私以外にも主力を手放して大丈夫なのかな。多少後が心配ではあるが、ともかくもプレミアリーグ、しかもアーセナルって、世界のトップチームに移籍できてしまったのう。

黒田官兵衛「若いスターはどこからも引く手あまたです。私も代理人としてそれなりに働きましたが……あなたの現在の市場価格からすれば、もう少し移籍金を取れた、やもしれませぬな」
山本勘助「しかし33億ですぞ。2017年シーズンの甲府の総年俸の約10倍にござる。とんでもない額ではござらぬか」
官兵衛「まあ、確かに。あなた様の給与も週給約8万円から100倍以上です。この額は、アーセナルの選手で言うと、スペイン代表DFのベテラン、モンレアルと同じくらいですな。若いのに、期待されておりますぞ」
勘助「ほほう。ということは、期待を裏切ると即座に『なんでこんなの連れてきた』と叩かれる可能性大、ですかな」

ぶるぶるぶる、そういうのは止めてくれ。怖気づきはせぬが……多少重荷にはなる。ところで、現在のアーセナルのチーム状態はどうなのだろう。1月はJだとオフシーズンだったが、欧州ではシーズンのちょうど中盤だろう?

官兵衛「左様。それでは、この現地の新聞で、プレミアリーグの現状を確認してみましょう」
勘助「おう、どれどれ……」

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こ、これは……。
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首位と勝ち点22も離されているのか! しかも、スウォンジーの後塵を拝し、チャンピオンズリーグどころかヨーロッパリーグ行きも危うい。このチームが33億もの大金を費やして、私を獲得したのか!? 本当にそれでよかったのか!?

官兵衛「うーむ、思った以上に批判を食らいそうなシーズンを送っておりますな。これは活躍できなければ監督もあなたもファンにフルボッコされるパターンにございますな」
勘助「そういえば、こちらに来てからテレビで知ったのですが、アーセナルはグリーズマンやオーバメヤンの獲得も目指していたようですな。その交渉の中、あなた様が獲得されてきた、という」

FIFA18
そんな報道も飛び交っています。
(FIFA18)

げぇっ。てことは、ファンは「チームを立て直してくれるのはグリーズマンかな、オーバメヤンかな」とワクワクしていたのに、ふたを開けたらよく分らん日本の若造が加入してきた、という風に受け止めるのではないか!? それ、一番ガッカリされるパターンではないのか!?

官兵衛「いやあ、大丈夫ですかなあ、アーセナル」
勘助「我らも他人事ではございませぬぞ、官兵衛殿。これは何としても、あなた様に活躍していただき、移籍金に見合った価値があることを証明してもらわねば」

世界最高峰のリーグで、そう簡単に活躍させてもらえるのか……。ところで官兵衛よ。移籍オファーはもう1チーム来ていたそうだが、どこが欲しいと言ってくれていたのだ?

官兵衛「チェルシーですな」
勘助「ほう、チェルシーですか」

……首位のチームじゃん! そっちいかせてよ! その方が気楽だったよ、きっと!

官兵衛「何を申される。楽な道を喜ぶは、武将にあるまじき心掛けでござるぞ。典厩信繁様も、『つねに功労が無くて立身することは、むずかしいものと覚悟せねばならぬ』と訓戒を遺されたではありませぬか」
勘助「まま、現状で完成しているチームであるのならば、そもそも出番が貰えるかどうか、怪しいですからな。官兵衛殿の判断は悪くなかったと存じますが」

そうですか、そうですね。じゃあ移籍した以上は頑張りますよ、ええ。

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このユニフォームが似合っていると言われるよう、努力します。
(FIFA18)

典厩信繁(てんきゅうのぶしげ)
武田晴信(信玄)の弟である武田信繁のこと。「典厩」は本人がついた官職名に由来します。凄く出来た人物として、当時も今も大変人気のある武将ですが、詳しくはwikipediaをどうぞ。特に「人物」の項目で、山県昌景が語った言葉をどうぞ!!