『キャント・ストップ』を遊んでみた
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奉行藩の決裁担当。ついつい続けてしまうものといえば?「最近、大安売りしていたポテチのBIGサイズを久しぶりに買ってな。こういうのはつい手が止まらないよな~とか思って食べていたら……思った以上にかなり早く満腹感が来て……衰えを感じた……」
与力藩の買掛担当。ついつい続けてしまうものといえば?「二度寝ですかね……寝付けないし朝早く起きるし……。なんでこの質問でこんな暗い雰囲気になるんでしょうかね」
サイコロ2個の期待値は…
奉行最近、サイコロ使うゲームで遊ぶ機会が多い気がする。
与力やっぱりサイコロの出目に一喜一憂するというのは、アナログゲームの醍醐味の一つでありますからねえ。
奉行サイコロ運の無いからお主などは常に沈鬱であろうが。
与力そういうのは置いておいて、『キャント・ストップ』を遊びましょう。ゲーム盤を広げたら、好きな色のマーカーを全部受けとって、誰がスタートプレイヤーになるか決めたら、準備完了です。
奉行おお、説明がいるのかどうか分からないぐらい、間違いようのない準備だな。
3レーンを選んで進め
奉行で、ゲームの目的はなにかね。
与力このゲーム盤上には、サイコロ2個の出目の合計で作れる11個の数字に対応した11本のレーンが書かれています。そのうちの3本のレーンのゴールに、自分のマーカーをゴールさせたプレイヤーが勝利するという寸法ですね。
奉行ふうむ、早くゴールしろというタイプのゲームなのね。
与力では、どうやってマーカーを動かしていくかを見ていきましょう。

自分の手番になったプレイヤーは、4個のサイコロを振ります。そしてサイコロを2個ずつに分けて、それぞれ出目の合計を作ります。これで手番プレイヤーは、その出目に対応した2カ所のレーンで、自分のマーカーを進める権利を得たことになります。それをハッキリさせるため、対応するレーンの一番左下(最下段)のマスに、赤いポーンを置いておきます。

奉行ははあ。1回のサイコロロールで、2本のレーンを進める感じか。
与力はい。この時、同じ目を2つ作った場合には、2マス進める権利を得ることができます。また、組み合わせた出目のレーンにポーンを置ける限りは、置かなければなりません。
奉行ふむ、好きな数字のところにだけ置けるわけではなく、サイコロを振ったら結果に反映しろということね。まあ、そういうものかな。
与力そして、ここからゲームのタイトル通りになっていきます。ポーンを置けた手番のプレイヤーは、「さらに手番を続けてサイコロを振る」か「手番を終えてポーンとマーカーを入れ替える」かを選ぶのですね。
奉行ふむ?

手番を続けてサイコロを振った場合も、同様に2個ずつの出目でポーンを置けるかどうかを確認します。あるいは既にポーンが置かれている出目のレーンであったなら、ポーンを1マス進めることができます。
奉行ああ、これなら7が作れる。で、7のレーンにポーンが置かれているから、これを進めるのか。
与力左様です。で、ポーンを置くなり進めるなりすることができたら、さらに先ほどの二択、手番を続けるか? 手番を終えるか? を迫られるんですね。
奉行あー、なるほどなぁ…。
与力これを続けて、レーンの一番右側にあるゴールのマスまでマーカーを進めていきましょう、ということです。
奉行ふむ。ちなみに、どうサイコロを組み合わせても、ポーンを進めることができない場合には、どうなるのだ?
与力その場合、その手番で獲得していた権利はすべて消え失せます。ポーンを全て取り除いて、次のプレイヤーに手番が移りますよ。
奉行うえええ、バーストか。全て水泡に帰すタイプのリスクがあるのか。
与力以上が基本的なルールになりますかね。
奉行ううむ。手番中、進めるのは3レーンのみ。それでどこまでおじゃんにせず粘れるか、サイコロの確率とか自分の運とかで判断してくださいよ、という仕組みなのだな。

奉行するとだな、サイコロ2個の期待値は7であるわけだから、7のレーンを抑えておくのが一番安心…だが…。
与力そうなんです。期待値に近い数字のレーンほど、ゴールまでが長いんですよ。
奉行そうかあ、逆に出づらい2とか12とかは、だから短くなっているんだな。

奉行これは悩ましいねえ。安心安全でいくか、勝負にいくか。
与力なお、誰かがゴールにたどり着いてしまったレーンは、その後だれも進むことができなくなります。つまり、使えなくなるんですね。
奉行おお、ということは、ゲームが終盤に向かうほど、出してはいけない出目が増えていくのか…。
与力そんなことも頭にいれつつ、数字を選んでまいりましょう。

『キャント・ストップ』【ここがイカス!】
奉行サイコロの出目に左右されるゲームというのは、やはりいいな。
与力シンプルに盛り上がりますよね。
奉行ではあるが、サイコロ2個の期待値から考えられる見返りと危険性を考えて、出目を組み合わせてレーンを選んでいく部分は、しっかりと判断を迫られている。
与力出やすい数字のレーンを確保して、手番を増やしていくか、極端な数字のレーンで一気にゴールを目指すか、みたいな違いですよね。
奉行ずっとサイコロを振り続けたくはなるが、失敗した時に失うものと天秤にかけて、どこで引くか…と考えるのもバーストのあるゲーム特有の面白さがある。
与力自分の運をどこまで信用できるかという一方で、一発逆転を狙ってとにかく振りまくったりとかですね。
奉行そういうプレイ感、『グリード』を思い出すな。そして、終盤に向かうほど、誰かがゴールしたレーンが増え、強制的に手番が終わってしまう確率が上昇していく。最終的に勝つためには、自分のマーカーがいるレーンの数字を気合で出す必要があり、「結局サイコロは運だよな?」と言われている気がしてくる。ここら辺りの仕組みも面白いな。
与力サイコロゲームの醍醐味のようなものが詰まっていますね。
奉行というわけで、シンプルにサイコロを振った結果で盛り上がるタイプのゲームが好きなら、絶対的におススメできると思うよ。
『キャント・ストップ』【ここはちょっと…】
奉行そういうことだから、サイコロ運がどうこうみたいなのに結果を左右されたくないんだよ、という方には、決定的に向かない。
与力仕方がない話ではありますね。
奉行ともかく、これはサイコロの確率と運で楽しく遊ぶシステムのゲームだよ、ってことだな。
与力あとはなんでしょうね。ダイス運がひどく悪い人とかにはキツイかな?
奉行まあお主でも最後まで遊べたから、それはある程度よいのではないか。
与力そうですかねえ。しかし2d6の期待値は7とか、『ソードワールド』とか『バトルテック』を思い出しましたねえ。
奉行おお、古参TRPGプレイヤー的な感想じゃな。

奉行この「ある程度の場所で一旦止まり、さらに上を目指す」という進行は、登山を想起させるね。
与力だからいくつかの版では登山モチーフのゲームとして出版されているのだろうと思いますよ。







