『12王国の評議会』を遊んでみた
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奉行藩の決裁担当。王国といえば?「ナルニア王国とか?」
与力藩の買掛担当。王国といえば?「フランク王国ですかね」
ぎちょーーーーーーーーーーーーーーーーーーう
奉行な、なんだ?
与力いや、なんか衆議院の議事進行係?の伝統らしいですよ。こうやって叫ぶのが。
奉行ふぅん。意味があるのかね、その怪鳥みたいな叫び声には。
与力さあ?
奉行ともあれ、このゲームは議会ではなく評議会なんだろう?
与力そうです。評議会と言えばジェダイ評議会ですかね、やっぱり。
奉行ナントカ会談義はいいから、ゲームを始めようよ。
ゲームの準備を行います。支持カードを場の中央に置き、支持マーカーをプレイ人数に応じた所定の位置に配置します。請願者カードから「力強き者」を表向きに公開したあと、さらにランダムに4枚を表向き、2枚を裏向きに並べます。
各プレイヤーはサマリーカードと12枚1セットの人物カードを受け取り、人物カードの中から表向きに公開されている請願者カードと同じカードを初期手札として持ちます。残りのカードはサマリーカードの下に重ねておきます。
難題カードを銅・銀・金の鐘のマークごとに分け、それぞれ4枚、2枚、1枚を引いて山札を作ります。山の一番下に王冠が描かれた「即位」カードを入れ、難題デックとします。
請願者カードをよく混ぜて請願者デックを作り、難題デックの横に置きます。最後に12面体ダイスを振ってテーブルの中央に置いたら準備は完了となります。

与力とまあ一応説明書ではこのような手順で進めることになっておりますが、このゲームには紫色っぽいチュートリアル用の導入ゲームカードが入っております。一番最初はその指示に従った方がいいので、準備の手順はそちらの内容を参照しましょう。
奉行慣らし運転のお題が用意されているのは、ユーザーフレンドリーだね。
ただいまの審議についてご説明いたします
与力ゲームの目的を簡単に申し上げると、真ん中に置かれている支持マーカーが0にならないよう、みなで気をつけながら難題を全て解決しよう、という趣向でございます。
奉行なるほどのう。
与力で、協力ゲームの常として、具体的なカード名や数値を挙げて相談したりしてはなりませぬということですな。
奉行誰かが主導権を取って「お前あれ出せ、俺はこれ出す」みたいな指示もしてもならぬと。
与力その原則を踏まえ、さっそくゲームを始めましょう。1つの難題を解決するためのラウンドは5つのステップに分かれておりますので、順を追って進めてまいりますぞ。
①請願者の公開
ラウンドが開始されたら、まず請願者デックの一番上のカードを表向きにします。そこに描かれている人物が難題デックの一番上になっているカードの難題を依頼してきた人物であり、このラウンドでは手札内にある請願者と同じ人物カードは使用できなくなります。
また、難題デック一番上のカードに書かれている数値を確認します。このラウンドの最後のステップ時までに、ダイスの数値をカードの数値と同じにすることを目指します。
②王家の鐘
望むならば、プレイヤーは相談の上で支持マーカーを左に1つ移動(支持を下げる)して、難題カードを請願者カードの右側に移動します。これにより、次回の難題カードの内容が公開されること、そして右に移動した難題カードが得点計算時に増加するというメリットを得ることができます。
③人物カードの選択
全プレイヤーは、手札の中から今回の請願者以外の人物のカードを1枚選び、自分の前に裏向きで配置します。

与力ここまで駆け足で説明してきましたが、①は難題デックの1番上を見て請願者デックをめくり、今回どの人物カードが使えないのか制限を決めるということ、そして③は①の内容を踏まえてどの人物カードを出すのが良いか考えて1枚カードを選ぶということ、それだけの話です。
奉行まてまて、②はどうなるのだ。
与力説明書にも書いてありますが、②は最初のプレイというか、高得点を狙うプレイでなければ、無視しても構わないです。支持を1つ下げるのは、割合とリスキーだったりするので。
奉行ふうん、そうなんだな。
与力で、人物カードは、最初のラウンドは少なくとも全員同じカードを持っています。その中から請願者を除き、どのカードを出すと難題を達成できるかを考えましょう。
奉行よくみると、人物カードにはいろいろ効果が書いてあるな。これを発動させてダイスの数値をいじっていけということか。
与力そうです。ただし、ここでさらに制限が掛かるのですが、それは次のステップで説明しますね。
④カードの公開
プレイヤーは話し合って人物カードを公開して効果を適用する順番を決めます。順番が決まったら1人ずつカードを公開していきますが、同じカードを出したプレイヤーがいた場合、それらのカードは打ち消し合い、効果を発揮すること無く捨て札となります。なお、公開された人物カードの効果は必ず適用されます。

奉行ああ、ここでバッティング要素が出てくるのか。
与力そうです。ですから、他のプレイヤーと同じカードを選んではいけないという制限がかかるんですね。
奉行手札の状況と難題カードを見て、他プレイヤーの行動を予測してカードを選び出す…なるほどな。
与力で、公開順は相談して決めるので、「自分が最初にいきたい」とか「任せてほしい」とか具体的な内容は伏せてのアピール合戦を行いましょう。
奉行「あんまり役に立てないかも」とか「頼りにしないでほしい」とか、ネガティブアピールもアリじゃな。
与力なお、プレイヤーの手札が1枚の時にカードを出す場合、そのカードは出せません。その手札と捨て札全部を交換し、戻ってきたカードから改めて出す1枚を選んでください。
奉行ああ、プレイは常に二択以上になるということか。承知した。
⑤目標の確認
ダイスの数値と難題カードの数値が一致しているかどうかを確認します。その上で難題カードをめくり、一致していれば右側に書かれた報酬を獲得し、一致していなければ左側に書かれたペナルティを受けます。

与力報酬としては支持が上がる他に、「出したカードを1枚だけ表にできる」とか、「誰か1人が捨て札から1枚手札に戻す」とか、そんな特殊効果があります。ここは色々豊富ですね。ペナルティは支持が下がるんですが、一気に2とか下がってくるのもあるんで、油断は大敵です。
奉行なるほどのう。2回失敗すると結構危険水域になってくるか。
与力それから、難題を解決したときに、請願者の人物カードが手札にも捨て札にもいないのであれば、ゲーム開始時にサマリーカードの下に入れておいた同一のカードを手札に入れることができます。
奉行ああ、ゲーム開始時に裏にしていた2枚の請願者カードというのが、ここで意味を持ってくるのだな。
与力そうですね。初期手札にいなかった2枚は、将来どこかのタイミングで手札に入ってくるということです。
そして天命は下る
難題カードの最後は、必ず「即位」のカードになっています。混乱を解決した王国の新たな王が誰になるか、全プレイヤーが決断を迫られます。

与力なんか大仰な説明になっていますが、ここだけは今までと違ってですね、全員が手札から同じカードを出せた方がいいんです。
奉行バッティング駄目、絶対!から、急に全バッティング推奨?
与力そうです。カードがかぶるかどうかだけの判定になります。で、単独で最大枚数にならなかったカード1枚につき、支持が1下がります。
奉行ああ、じゃあ千秋楽まできて一気に無念ということになりかねないのか。
与力場合によってはそうなりかねませんね。はい。で、支持が1でも残っていたらクリアということで、難題カード、請願者カード、支持の得点を合計して、評議会がどのくらい上手く王国を統治できたかを確認しましょう。
奉行スコア次第で勝利の快感がどの程度になるか決まる、と。
『12王国の評議会』【ここがイカス!】
奉行カードの絵が綺麗。あと、12面体ダイスがちょっとみないサイズなので、持つと嬉しい。
与力コンポーネントの話ですか。ゲームはどうだったんですか。
奉行そうねえ。2人プレイで導入ゲームと最初のシナリオ、たぶんデザイナーの推奨セットアップで遊んでみたけど、あんまり苦戦する所は無かったね。
与力2人だとバッティングもしませんでしたしね。
奉行だから、難易度調整はゲーム開始当初では上手くいっているのではないかな。これが難易度の高い設定だとどうなるかというのは分からんが。
与力ルール的には悩む所も無かったですしね。
奉行説明書の字が細かくて、すごく色々ルールが有るのかなと思ったが、筋を抑えれば全体として難しいゲームではなかったかなと思う。
与力複数回にわたるプレイを、年代記という形で記録に残せるようになっているのは、ちょっとしたやり込み要素ですかね。
奉行連続12回分のセットアップは用意されているからな。単発よりはゲームに物語性が出て没入感が上がり、楽しいかもしれん。
『12王国の評議会』【ここはちょっと…】
奉行カードがめくりづらい。もちにくい。なんか質感が独特。
与力若干ザラついたマット調ですね。
奉行カードの出入りは結構あるので、スリーブが使えるなら使った方がいいかも。
与力で、ゲーム的な部分ではいかがですか。
奉行なんかクセが強いというより、総合的にふんわりしているんだよなあ。プレイヤーがビタッと一致団結して問題の解決に向かっていく味わいが薄いように思った。
与力雰囲気的な話ですか?
奉行なんか『ザ・マインド』的なプレイ感はあったかな? 場の状況を見て、ここは自分がこれ行った方がいいのか、みたいなのを察せると上手くいくというか。
与力ほほう。
奉行ただ、それにしては全員の解決に至る道のり構想が一致した上で、バッティングを避けて適切なカードを出さないといけない、と上手くいく場合のハードルが結構高い。4人なんかだと、なかなかカードのコンボが決まらなくてモヤるんじゃないかなと思っちゃうよね。2人でも時々手探りで粘土こねて作品を作っているみたいな感覚に陥った。
与力よく分からない感覚ですが、左様ですか。
奉行まあ端的に上手く解決しようと思えば全員の手札と捨て札の状況を把握しておきたいんだが、全員でそれをやれるかというと分からんし、そもそもルール的に「捨て札をいつでも確認できる訳ではない」からね。
与力そうですねえ。記憶しておかないといけませんね。記憶ゲーの要素もあるってことですか。
奉行そうだったのか? 後はゲーム中の会話に関する部分かね。全く喋らないというのでは仕掛けが複雑すぎてどうにもならんので、ある程度はプレイヤー間のコミュニケーションを取るのだが、それをどこまでやっていいのか。
与力具体的なカードの内容に踏み込むな、ってルールでしたが。
奉行そうね。一応、導入カードにも「こういう風にしゃべりましょう」みたいな指針は有る訳なんだけど、言おうと思えばわりとどうとでも言えてしまう気もするのよ。そこら辺もルール的にはふわっとしているというか、プレイヤー任せというかね。
与力なるほど…。
奉行そう。ホントに全体的にふんわり、なのよ。それが優しいふんわりというよりも、なんかハッキリしないふんわりというかな。噛み切りづらいホルモンを噛んでる感覚というかな。難しいな。
与力協力ゲームとしてみると、昨今は手札をオープンしてフルに相談するようなシステムもありますからね。カードを隠さないといけない、そしてバッティングという他プレイヤーの手を阻害してしまう可能性があるという二重の制限は、ちょっとストレスかなあと。それが個人的には強かったですね。

奉行そういえばかの高名な『七王国の玉座』よりも、5も数が上なのな、このタイトル。
与力だからなんだという話でしかありませんが…。

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