『夢遊記』を遊んでみた
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奉行藩の決裁担当。ベトナムと言えば?「フォーってなんか一気に流行ったよなあ…」
与力藩の買掛担当。ベトナムと言えば?「サイゴンビール?」
生春巻き、フォー…
奉行ベトナムのゲーム…『ベトナム象棋』とかあったっけ。あとは、テーマがベトナムってのは見たことある気がするが…。
与力こちらは、ベトナム発のゲームでございますね。
奉行どれどれ、ええと、プレイヤーは「異世界へと導かれた」人たちなのだな。そして「家へ帰るために、この宇宙の様々な場所へジャンプして」手がかりを探し、おうちに帰ろう、と。そういう塩梅のゲームなのか。
与力はい。つまり、異世界転生ゲームってことです。
奉行そういう感じだったか、異世界転生ジャンルって?
『夢遊記』は、協力型のカードゲームです。まず、希望ボードを場の中央に置き、凧トークンを数字が書かれたスペースに置いて、今回のゲームの難易度を選びます。難易度は4段階です。
難易度に応じた枚数の場所カードをランダムに選び、カラーの方を表にして場に並べます。この場所カードを同じ絵柄のカードを夢カードから抜きだし、よく混ぜてプレイヤー全員になるべく均等になるよう配布します。夢カードが配られたら、各プレイヤーは、そのうちから1枚を選んで、希望ボードの横に裏向きに置きます。これをまとめたものをナイトメアデッキと呼びます。最後にリーダーとなるプレイヤーを1人選び、そのプレイヤーからゲームを始めます。

亜空間ジャンプ
与力さて、ゲームをクリアするためには、プレイヤーが持っている夢カードの示す場所を、ぜんぶ回ることができればよい、ということになります。つまり、夢の世界で行ける場所を見て回って、元の世界に帰ってね、ということでしょうかね。
奉行異世界転生って、昨今(編集注:2025年9月)の流行りってなんだ?「すごい力を持ってるのに、それが評価されず…でもやっぱりすごかった」とか「人間以外に転生した」とか?
与力お奉行、案外お好きなんですか?
奉行嫌いじゃないが、X(旧Twitter)で時々話題になってる作品が流れてくる程度だな。多すぎてなあ…
与力まあ、このゲームではその辺は全く関係ないので、しっかり観光して帰ってください。では、そのための手順を説明します。
①シグナルの送信
リーダーは場を見渡し、他のプレイヤー全員に1つだけ質問ができます。質問は必ず、「あなたたちの夢は(形容詞)ですか?」とします。質問を受けたプレイヤーは、ハンドサインで回答します。このとき、
- グーは「該当するカードがない」
- 指1本は「該当するカード1枚」
- パーは「該当するカードが複数ある」
という意味を持ちます。必要であれば、リーダーは全員から出たヒントを、付属の記録シートに記入します。
奉行つまり、リーダーは場のカードを見て、「これを同じ絵の夢カードを持っているやつはいるだろう…」という予測の元、質問をしているわけだな?
与力お、先回りして正解を仰る。その通りです。ただ、ポイントは“ドンピシャで1枚を炙り出す質問は難しい“ということです。
奉行確かになあ。形容詞で質問だし、絵柄も微妙に似通うたものが多い。
与力という訳で、だいたいザックリした全員の手札の傾向を把握したら、次の手順に進みます。
②ジャンプ
全員のハンドサインを確認したら、リーダーは場所カードから1枚を選び、「これはあなたたちの夢ですか?」と訊ねます。この時、自分の持っている夢カードと同じ場所カードは選べません。プレイヤーの中で、リーダーが選んだ場所と同じ夢カードを持っている人がいたら、そのカードを公開し、ジャンプ成功となります。選んだ場所カードを裏返し、成功であることが分かるようにしましょう。そのあと、リーダーは「ここで手番を終える」か「ジャンプを続ける」か、決めることができます。

与力ちなみに、ジャンプするかしないかは、リーダーの任意です。もし自信が無ければ、ジャンプしないことを選んでも構いません。ペナルティはありますけどね。
奉行なるほど。想像した通りのシステムではある。これを繰り返して、全部の場所を回れということだな。しかし、「ジャンプを続ける」とは…?
与力はい。実は、ゲームの敗北条件は「ジャンプを失敗すること」と「ジャンプしなさすぎること」の2パターンあるんですよ。
奉行ふむ?
*ナイトメアにジャンプ
リーダーが選んだ場所カードを同じ夢カードを、誰も出すことができない場合、つまり、ゲームの最初に対応する夢カードをナイトメアデッキの中に入れてしまった場所カードを選んでしまった場合、ジャンプは失敗します。希望ボード上の凧トークンをひっくり返し、ジャンプに1回失敗したことを示しておきます。凧トークンをひっくり返した状態でジャンプに失敗すると、ただちにゲームに敗北します。ジャンプに失敗したら手番は終了となり、リーダーの左隣のプレイヤーが新たなリーダーとなって、シグナルの送信からゲームを続けます。

奉行要するにプレイヤー人数分、場所カードの中にハズレが仕込まれている訳だよな。
与力その通りです。
奉行しかし、2回失敗で敗北は結構きついかもな。それで、ジャンプしなさすぎというのは?
③希望ボード
希望ボード上の凧トークンは、ゲームの進行に応じて、トラックの左側へと進んでいく可能性があります。もしも、それ以上進めない状態で凧トークンを動かす必要が生まれたら、そこでゲームは敗北となります。

奉行これだけではよく分らんな。
与力条件は2つ、大きく分けると3つですかね。「リーダーが最初のジャンプを選択しなかった」「最初のジャンプでナイトメアにジャンプした」、そして「リーダーがジャンプを1回で終了した」です。これをやってしまった場合、凧トークンはトラックを低い方へ進んでしまい、敗北に近づくことになります。
奉行ふうむ、凧のイメージ的には高度が下がるといった塩梅であるかのう。
与力てことなんで、ナイトメアへ踏み込まぬよう、一方で二か所以上にジャンプできるよう、大胆かつ細心に観光してクリアを目指しましょう。なお、凧が希望ボード上の初期配置から動かないほど、ゲーム勝利時の得点は高いということになっております。

『夢遊記』【ここがイカス!】
奉行なるほど。絵から連想する言葉を使う『ディクシット』インスパイアなゲームであり、なおかつ『コードネーム』のヒントみたいに、1つの質問で複数の場所を選べるように質問を作る面白みもある。
与力遊んでみて、わりと高度なコミュニケーションが必要と感じました。
奉行形容詞での質問のみだからな。確かに16歳以上推奨は、納得かもしれん。質問がうまく回せないものな。
与力質問さえ出れば、結構テンポよく進むというか。
奉行進んでいかないと勝てない仕掛けがある訳だからな。そうなるわな。
与力イラストもキレイですね。
奉行これ、40枚のカード全部がホーチミン市の名所を描いているようなので、一通り全ての場所を巡れば、ホーチミン通になれるかもしれんな。
与力一回のゲームでは、最大16枚ですから、単純計算で3回遊べばOKですかね。
『夢遊記』【ここはちょっと…】
奉行ヒントを出すのが難しいんだよなあ~。
与力根本的な所に来ましたね。
奉行イラストは綺麗ではあるんだが、結構見た感じ表現が似ているのよ。質問を形容詞で表現すると、生半可なものでは、なんか全体にかぶさってしまったりする。
与力対象が広くなりすぎる、と。複数枚ジャンプして欲しいという点では、狙った設計の様にも思えますが。
奉行そうなのかもなあ。とはいえ、当てはまりそうなのが多すぎてなあ…ってのは気になる。
与力ふんわりしたイメージのすり合わせですからね。リーダーとプレイヤーの感覚が微妙にズレていても、当たり自体は発生するので、「ああ、君はそう思っていたんだ」という部分が楽しめるのは、面白いと思いましたけども。
奉行そんなもかのう。あとは、やはり馴染みがない場所については、「ほほお、ここか」っていうのがないので、「ふーん」みたいになってしまうな。いっぺん、『地球の歩き方』とか読んでから遊んだ方がいいのかも。
与力テーマに馴染みが無さ過ぎて没入しづらいってことですか?
奉行元ネタが分からんから面白さが半減しているのではないかという疑いは、若干ながらなくはない。これが”京都名所めぐり”とかだったら、もうちょい入り込めるかもしれんからな……。申し訳ないが、わしのベトナム知識だと及ばんな。
与力知らない街で上手く遊ぶのは難しいとか言われますからね。私としては、入手難易度が高いんじゃないかというところが気になっております。
奉行おおう……今現在(編集注:2025年9月)、国内流通しているのかね?

与力シュリンクに張り付けてありました。久しぶりにみた、この海外ゲーム感。
奉行いまや日本語版が当たり前のようになっておるからな。
与力ちなみに、本ゲームの日本語ルールは、メーカーホームページの方で公開されております(ゲーム画像横の「luật chơi」から「Link luật chơi Tiếng Nhật (JAP)」をクリック)。入り用の方は、ぜひ訪れてみてください。
メーカーさんの公式Xアカウントはこちら。
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