2018年夏 サツマイモを地植えで栽培

園芸・アイキャッチ

不毛な土地でも育つと信じて

久しぶりとなってしまった園芸記事の更新です。ぽつぽつと植えてはいましたが、そろそろ真面目に畑スペースを活かそうと思い、2018年夏、横浜の片隅にて、サツマイモの育成を試みました。初めての体験で面白いと感じることがあったので、記録として残しておきたいと思います。

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サツマイモの苗を買う

畑スペースの大きさは「幅が約3m×奥行が約1m」のため、「三つの畝に二本ずつ」あるいは「二つの畝に三本ずつ」、計六本の苗を植えるのが適切ではないかと目算し、苗を買いにいきました。

が、近隣店舗ではサツマイモの苗がばら売りしておらず、最低単位10本ずつとなっていました。他に苗を販売する店の当てもなかったため、紫芋の一つであるパープルスイートロードの10本セットを購入しました。

一般的には、このタイミングで六本の苗を選別することになるとは思いますが、案の定、妙な感傷に晒されたので十本全部植えてみました(これまで、剪定や摘芯のタイミングを逃して残念な結果になったことが度々あるので、愚行だとは分かっているのですが)。

苗が姿を消す怪事件が起きる

密生させ過ぎであるという天の叱責を届けるためか、植えてから約二週間が経過した頃、上の列の真ん中二本の苗が、忽然と姿を消しました。

ヨトウムシに苗を食われる

犯人はヨトウムシです。日中は地中に潜み、夜に地表に現れて葉を食い尽くすことから「ヨトウムシ(夜盗虫)」と呼ばれるとのこと。詳しい特徴および対策方法について、「ヨトウムシの特徴と対策・予防法(やまむファーム)」などのサイトをご覧いただくと良いかと思います(リンク先には虫の写真が多数ありますので、苦手な方はご注意ください)。

捜索して退治したものの、数日後、追加で一本食われました。一体、彼らはどこから得物をかぎつけて現れるのでしょうか。再退治後、苗をアルミホイルで覆う簡易ガードで保護した結果、それ以上の被害は出ず、食われた三本の苗も再び葉を伸ばし始めました。

しかし、その後の育成状況が悪かったため、ヨトウムシに食われた三本は諦めて抜くこととなりました。

生育状況が悪いため、水やりと肥料を見直す

害虫問題もさることながら、そもそもイモの生育状況がよくありません。先の写真の一枚目と二枚目の間には、約二週間の時間経過があるのですが、とてもそのようには見えません。この虫対策のタイミングでは様子見としましたが、状況が更に悪化し、葉が黄色くなってしまう苗すらありました(この頃、猫糞対策としてネットをかけました)。

調べてみたところ、サツマイモには肥料や水を過剰に与えない方が良いと考え、自然に任せてどちらも控えていたのが不正解だったようです。土があまりに痩せていたと考えればいいのでしょうか。既に季節は梅雨に入っていたため、水やりは程ほどにしつつ、肥料を与えたところ成長の兆しが見え始めました。

ハエがたかる

前述の通り、猫の糞害対策としてネットをかけましたが、その前にハエが卵を産んでいたらしく、しばらくすると大量のハエが発生しました。最初からネットをかけておかなかった不手際の産物と言えるでしょう。

サツマイモそのものへのダメージは無さそうですが、不快なので無農薬タイプの薬を散布して退治しました。また、ネットは蔓が伸びて土が見えづらくなったタイミングで外しています。

急成長を遂げる

日照が少なく最高気温が低めの日々が続いていましたが、2018年6月末に一変します。梅雨が明け夏の日差しに切り替わった途端、記録的な超高温状態が続いてしまいましたが、サツマイモはさすがと言うべきか、すこぶる元気になりました。人間やプランターの作物は軒並みしおれました。

成長にともない蔓を返す

畑のかたわらで、三つのプランターに植えたナスとインゲン、オクラが、熱波によって半ば枯れそうな様相を呈している一方、サツマイモ畑は青々としていきます。蔓が畑の外へと浸食しきそうな勢いだったので、この辺りから「蔓返し」作業を定期的に実施しました。

蔓返しは言葉通り、伸びてしまった蔓を引っ張り上げ、畑内の葉の上に乗せて返しておく作業をさします。蔓が土につくと新たなイモを作ろうとしてしまい、根本のイモへの養分が減ってしまうことを防ぐ目的で行う、とのことです。当方は畑のすぐ脇が芝生なのでイモが生まれる心配は低いものの、蔓を返すことで葉の浸食を防げるために行っていました。

収穫する

植え付けからおよそ4か月でやってくる収穫期ですが、個人的都合により、少し遅れてしまいました。時期を逃すと味がぼやけるといったマイナスの問題が起きかねないので、できれば逃したくはなかったのですが……。

ともあれ、なんとか形になったイモが複数できていました。

寝かせる

収穫後、半日ほど天日干しにした後、新聞紙にくるんで暗所にて保管しました。こうすることでイモの水分が抜け、イモの中のでんぷんの分解が進み甘くなるのだそうです。寝かせる具体的な期間は品種などによっても異なるそうですが、今回は収穫時期が少し遅かったため、2週間ほど寝かせています。

余談ですが、僕が幼い子どもだった約30年前、幼稚園だか小学校だかのサツマイモ掘りの当日、家で蒸かして食べていた記憶があります。母が熟成について知らなかっただけという可能性も否定できませんが、今は寝かせてから食べるのが一般的になっているのでしょうか。

食べる

僕は全くの料理不得手なので、「シンプルに30分かけて蒸かす」「少し多めの油で揚げ焼にする」といった方法で楽しみました。甘過ぎずしっとりしていて、甘味ではなく食事の具材としてもいける味です。甘味にするならば、スイートポテトや芋餡などかなと思いました。ネットで探してみると様々なレシピに出会えます。

サツマイモを初めて作ってみて思ったこと

正直な感想としては、ぐんぐん伸びるツタを様子を見るのは楽しかったものの、僕の手に余るというか、その良さを活かしきれない野菜でした。主な理由としては、

  1. 蔓が伸びて緑が生い茂るのは涼やかですが、量が多く、処分する際に手間になる。
  2. ハエについては記載しましたが、その他に、カメムシや大きなカエルが住み着いてしまった(どちらも時期が来たら自然に消えていましたが、カエルが苦手な人が近隣にいて微妙な顔をされました)。
  3. 加工に適した食材だというのに、単純に蒸かす程度の腕しかなくてもったいない。
  4. 個人的に、もっと頻繁に収穫できる野菜の方が楽しい。

といったところです。1~3は副次的というか、最も大きな理由は4番です。実は以前、枝豆の栽培に挑戦したことがあり、これはもう間違いなくビールが進む!うまい!とはしゃげるものが採れました。しかし枝豆も一回限りの作物で、今回と全く同じように「もっと楽しみたかったなあ」と指をくわえています。二度も指をくわえたので、これはもう個人的に合わないのではないか、と確信するに至りました。

尤も、2018年の夏は異常気象と認定されるほどに暑く、それを乗り越えて育つものを選んだ点は良かったと思います。実際、何度も収穫できることをもくろんで植えたプランターの野菜たちは、ナスを除いてほとんどが実る前に枯れてしまいました。来年は地植えですね。

ということを考えつつ、これからも別の野菜に取り組んでみたいと思います。