※暑すぎた8月、こども(幼児)と一緒にできそうなアレクサアプリで遊びまくっていました。せっかくだから楽しかったゲームを世に語りたい、などと思い立ってできたレビューコーナーです。
お話を聞くことと選択すること
マッチ売りの少女が主人公の短い物語が始まります。
物語の最後に、少女の行動を決める選択肢が2つ出てきます。
あなたの判断で、少女を幸せにしてあげてください。
(マッチファンタジー - 幸せを探すストーリーブックより引用)
『マッチファンタジー - 幸せを探すストーリーブック』(以下、マッチファンタジーと呼びます)は、絵本の読み聞かせ+選択肢によってストーリーが変化するゲーム、二つの要素が組み合わさったスキルです。
我が家でこどもがアレクサと遊ぶようになった、本当に最初の頃に使ったスキルです。
思い返せば、「じゃんけん」「しりとり」「あっちむいてホイ」の次……くらいだったかもしれない。それくらい最初です。
なぜこのスキルを使ったかと言えば。アレクサの「こどもむけスキル」をオンにしなくてもできたから、です。
この頃は私自身がアレクサについてよく分かっておらず。「アレクサのゲームって、どれくらい子ども向けなんだろう? 幼児には怖かったり難しかったりする?」な状態だったんですね。
なにか設定をいれなくてもできるなら、とても穏やかなゲームなんじゃないかと思って、物は試しにと始めてみました。
物語がメイン
タイトルにあるストーリーブックとは、「(通常、子供向けの)物語を集めた本」という意味だそう。
始める前は「いわゆるゲームブックかな」と思ってました。
ゲームブックは、その名の通りゲームと融合した本。文章を読み進めていくと色んなところ(ページの末尾とかに)選択肢が出てきて、その選択によって次に読むページが変わって、物語の展開も変わっていきます。
もちろん、ゲームオーバーで終わってしまうこともしばしば。
『マッチファンタジー』を遊んでみると、確かにこれならストーリーブックという表現がぴったりだなあと思います。
というのも、お話しに耳を傾けているのが基本。物語の方向性を決める質問は、それぞれ一、二回と言う感じです。ゲームブックより圧倒的に少ないです。
じゃあ、一般的な読み聞かせアプリみたいなものかと言えば、それとはまた違う。
例えば、物語が始まる時は、
アレクサ「(マッチに)火をつける、と言ってください」
こども「ひをつける!」
と元気よく返すことで、話が始まります。
これって、聞き手(特にこども)が引き込まれる工夫だよなあ~と我が子を見ていて思います。
うろうろしている幼児たちを座らせたい時に、「座ってね」と指示するより、手遊び歌で気をひいて座らせて、手はお膝に誘導する方が楽なことって多いと思います。
ついでに、このシンプルなやり取りで、「アレクサの指示を聞く」とか「アレクサとやり取りをする」の理解を深めた気がします。
どちらの選択肢を選んでも
物語の主人公は、健気なマッチ売りの少女です。
マッチを売って生計を立てている少女。寒さに耐え忍びながら、時に嫌味なおっさんに絡まれ、時に火事が起き、時に人生の選択を迫られ……。
ということで、柔らかな物語の調子に反して、割りと重たい選択肢が出てきます。それこそ、明日の予定を決めるようなノリで応えることになります。
ただしポイントになる点として、全編を通して「こちらの選択肢が正解である」という展開はありません。
どちらを選んでも、それなりにその世界が続いていく感じです。
そして少女が心を傷つけるようなこと、および残酷な描写は一切ないので安心です。
深読みすると「それでいいのか…?」となることがあるので、子どもの答えを横で聞いていて、心の中でおおお…と悶えるくらいですね。
「まやかしの楽園」の話とか、もう真・女神転生IIのアルカディアかよとか突っ込みたいのを我慢していました。
(そしてためらいなく「装置を使う」を選ぶ我が子よ…!)
最後の最後に、面白い仕掛けがもう一つありまして、最後に、選択肢を選んだ人の割合を教えて貰えます。
子どもは「?」という顔をしていましたが、割りと「物語の雰囲気から察するに正答と思われそうな答え」が多数派になっていて面白かったです。
ちなみにタイトルと選択肢の答えは、開発元であるアセロラプロダクションのスキル紹介ページで確認できます。
※ちなみにこのページで紹介動画ともあるので、もっとちゃんと内容をチェックしたいわという方はご参照ください。
無課金の場合は一日におはなし一つ
お金をお支払いすると物語はいくらでも楽しめるそうですが、無課金の場合は、一日につき物語は一つ、選択肢も一つまでとなっています。
延々と遊び続けないようにする対策としては、この一日一話一選択方式は大変ありがたい!
今の娯楽って沢山あっていいなあと思うんですが、私個人的な感覚で「いつでも好きな時に、好きなところを何度でも楽しめるデジタル媒体」って、とても便利な反面、あんまりそれに慣れ切っちゃうのもどうなのかなあと漠然と感じちゃうんです。
例えば、YouTubeでちょっと面白くないと感じたら、ぱっぱか次に飛ばしちゃうとかそういう……
(なお、これは幼児である我が子を見ていて感じることなので、子の性格や年齢が上がってきたらまた違うと思いますが)。
なので、『マッチファンタジー』みたいに、話を最初から最後まで、集中して楽しめる長さ・仕掛けのデジタルな遊びはありがたいなあと思います。
明日はどんな話かなーとか。あっちの選択肢にしてたらどんなだったかなーとか、思いをはせる余白もあります。
大人でも「どういう展開になるの?」と真剣に耳を傾けたくなるストーリーですので、お子さんと一緒に楽しんでみるのにおすすめです。