2015年第一回 ボードゲーム購入評定 ご下命その二 大箱ゲームを吟味せよ! 地の巻

ボードゲーム愛好

2015年第一回ボードゲーム購入評定、完結編!

前回、大箱ゲームの吟味を始めた奉行と与力。しかしその数の多さに、奉行は精魂尽き果て、一旦休憩を入れた後、再度役目を果たすべく、取りかかるのであった。

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与力では大箱ゲームの後半戦、まいりましょうか。

奉行うむ、休憩が短かったような気がするが、始めるといたそう。

候補五 『グラスロード』 ウヴェ・ローゼンベルグ

奉行『草の道』か?

与力まあ、普通そう思いますよね。

奉行違うのか…(箱絵を見て)ああ、グラスとはギヤマンのことであったか。

与力はい、おっさんがガラス製品を作っている絵ですね。このゲームは箱庭ゲームの名手である、ローゼンベルグというデザイナーが制作したゲームです。

奉行『アグリコラ』で高名なデザイナーであったかな。

与力その人です。ローゼンベルグさんの大箱ゲームは、ルールの分量が多く、難解なことで知られているそうですが、そんな中でも“比較的”簡単な部類のゲームなんだそうですよ。

奉行あくまで“比較的”というのが怖いな。

与力実際どんなゲームなのかというと…

  • 資源を管理しながらガラスやレンガをつくり、建物も建てたりして高得点を目指すのが目的。
  • 全員に配布される全く同じ内容のカードセットから規定の枚数をピリオド(全4ピリオド)ごとに選択し、その効果を使って資源の獲得や建物の建設を行なう。
  • 誰かが使ったのと同じカードを手札に選んでいた場合、同時に出して効果相乗りができる(2枚まで。しかも誰かのカードが切れた時点でピリオドは終了となるので、他プレヤーの思惑を外すこともできる)。
  • 場に提示されている、資源と交換できる建物にはそれぞれ特殊効果が設定されているので、資源を活用して上手く入手して得点を伸ばして行くことを目指す。

与力とまあ、これだけです。

奉行本当にこれだけと申せるのか?

与力確かに、カードの効果はすぐに覚えられるようですが、建物の効果が一種類ずつ全て違うとかいう内容になっているそうなので、それを全て把握したうえでゲームをプレイしたい、となると、相当覚える労力が必要なのは確かだと思われます。

奉行戦略の立て甲斐は有りそうだがなあ。

与力日本語版も発売されていますよ。

奉行特殊効果の文が日本語になっていると有り難い。確実にプレイは容易となろうから、よい日本語化だな。

候補六 『カヴェルナ』 ウヴェ・ローゼンベルグ

与力次は『カヴェルナ』です。これもローゼンベルグ氏が制作したゲームです。

奉行バー『カヴェルナ』という飲み屋があるな。

与力それは多分関係ないと思うんですけど。で、このゲームは、ローゼンベルグ氏の代表作『アグリコラ』を、より発展・洗練したゲームだ、という専らの評価を受けています。

奉行ほほう、発展しているとなれば、期待ができそうだ。

与力先生渾身の一作、どんなゲームかといえば…

  • ゲーム内容は「ドワーフたちが森を切り開いて開拓し、洞窟を掘って居住区を拡張したりしつつ、勝利点を稼ぐ」ゲーム。各自に渡されるボード上に開拓の過程が記録されていく。
  • 基本的には自分の番がまわってきたら、中央におかれたボード上のアクションを選択し、そこに自分のドワーフ駒をおいて効果を適用する。そして全員が終了したら帰宅させて終了。これを12ラウンド繰り返す。
  • いかに居住区を拡張(拡張する部屋には特殊効果がつく)するか、そして森を開拓するか。部屋は基本1種類1つなので、全員が同じ方向には進めない。
  • *3ラウンド毎に開拓地からの収穫とドワーフ人数による支出(まあ中間決算だが)あるので、これを見越して手を広げていく。
  • *他にも要素はいろいろ。基本、何をやっても得点にはなるので、自分なりの戦略で勝負できるようだ。

与力以上です。要素はドッチャリありまして、どの方向にいっても得点にはなるんじゃないかなあ、と思います。

奉行妨害要素になりそうなのは、部屋の取り合い程度か。

与力ちなみにこの『カヴェルナ』、ローゼンベルグ氏がどのくらい渾身の力を込めて制作したかというと、ゲームの総重量が約3・5kgほどあるということからお察しください。

奉行3.5kgか…。凶器として用いても、人に重傷を負わせることが可能な重さだ。これを持って遠くのゲーム会などには行きとうないな。

与力なお、これも日本語版が発売されています。

候補七 『ツォルキン マヤ神聖暦』 ダニエレ・タスキーニ/シモーネ・ルチアーニ

奉行続いては、今さら紹介するまでもないゲームなのですが、お奉行は御存じないことと存じます。『ツォルキン』というゲームです。

奉行『ソルキン』? 『トルキン』?

与力『ツォルキン』ですよ。2012年発売後、世界中で数々のゲームを受賞している、名作ゲームと言える逸品です。

奉行ほほう、賞まみれであるな。

与力一時期は、このゲームさえあればもうそれで満足、というような方もおったとかおらなかったとか聞くほど、流行っていたようです。さて、ゲームの中身についてですが…

  • 基本は5箇所の歯車の上に自分のコマを置くか既におかれたコマを戻すかだけ。
  • コマを戻した時に、配置されていた場所に設定されている効果を得ることができる。歯車に乗り続けていると、より先に進むことができ、よりよい効果を得られる。
  • 真ん中の巨大な歯車が一周したらゲーム終了。全26ラウンド。4回目の決算後、勝利点を計算して一番高いプレイヤーが勝利。
  • 食料、資源、技術発展、その他もろもろ、お祈りなどの各カテゴリで効果を得て行くと、いろいろ得られる恩恵も大きくなるようだ。

与力という感じになります。

奉行手が多ければ多いほど良さそうだから、働くコマを早急に増強することこと肝要なゲームとみたが、いかに?

与力はい、そう思われるのですが、中間決算時に必ず労働者たちに食料の配給をしてやらなければならぬので、闇雲に増やせばよい、という訳でもなさそうです。

奉行なるほどのう。それにしても凄いボードだ。このようなからくり仕掛けが施されたボードは、なかなかお目にかからぬぞ。

与力そこも含めていいゲームだと思います。プレイした人の評価も「要素は多いが見通しは悪くない」とか、「枝葉のルールが多くて把握が難しい」とか、見る人によって評価は様々。とはいえ、全体的に面白いという評価がほとんどでありました。

奉行さすが名作、高評価を得ているようじゃな。

与力こちらも日本語版が発売されています。

奉行……時にお主、いま一生懸命紹介してくれておるが、この中でいくつ購入するのだ?

与力なにをお戯れを。1つですよ、1つ。我が藩の財政をお忘れではありますまい。

奉行1つか…。あい分かった。