ボードゲーム購入評定、要するに勝手な品評会です
ボードゲームの新発売は絶えない。だが、全てを買うことはできない。それでも、後悔のない買い物をしたい。ならば、どうするか。
購入前にボードゲームを厳選することで、数を増やし過ぎず、自宅の収納スペースと家族の仲を守る使命を託された、それがボードゲーム方購入掛である。(声:芥川隆行)
ボードゲーム購入評定とは?
このコーナーは、ボードゲーム好きだけれど財源の乏しい珍コンビが、ボードゲームを購入する前の勝手な初見イメージをまとめ、どんな感じで購入に至ったかについて開陳することを目的としております。ありていに言えば、ゲーム紹介の前日談と思って頂ければと存じます。
パッケージや写真、断片的なルール情報など、限定された情報によって、そのゲームに対してどんなイメージを持ったか、そしてそのイメージが正解なのかそうではなかったのか、その後のレビューと合わせて、いちボードゲーマーのリアルな購買活動の様子をお楽しみいただければと思います。購入済み・プレイ済みの方は是非、苦笑していってください。
まずはご挨拶
与力わたくしが買掛担当、与力と申します。評判を聞きこむため、日夜ネットサーフィンを欠かさず勤めに励み、お奉行と私めの好み、そして世間的な評判を元にして、購入候補を独断で選んでおります。好きなゲームは『パンデミック』『エルドリッチホラー』『テーベ』ですぞ。
奉行うむ。わしが決定権を持つ奉行である。与力からの上申を直感と偏見で裁断するのだ。ルールがシンプルでも奥深いものが好みで、他人を妨害するゲームとクニツィアジレンマが苦手だのう。好きなゲームは『電力会社』『チケットトゥライド』か。無論、ゲームは全て欲しいところだが、まず財源がない。更にやみくもにゲームを買い、棚に入らなくなった暁には捨てるよりほかなし。そう……「ちょっとこれ、掃除の邪魔なんだけど?」「また買うの?」「こんなに沢山、いつやるの?」……嗚呼。
与力そうであれ、捨てるとは恐ろしい。欲しい方に差し上げるとかヤフオクとかもっと手段がございますぞ。
奉行しかししかし、どれも手放せぬ……いかん、話をすすめよう。
与力ハ、ハハーッ。と言うことで、今年どのゲームを買うか候補を紹介して、お奉行に絞り込んでいただきたく存じます。まず最初に小箱部門です。コンセプトは「みんなで遊ぼうカードゲーム!」、「しっかりした大きな箱のゲームの合間にやる用のゲーム」としまして、今回、四つの候補がございますので、順に御覧ず。
候補壱 『5本のきゅうり』 フリードマン・フリーゼ
奉行キューカンバーであるな。
与力一般的に「トリックテイキング」(注1)と呼ばれる、カードを集めるタイプのゲームです。ただ、ちょっと特殊なゲームなんです。
奉行きゅうりが?
与力(無視)一時期はお店に入荷するたびに売り切れていた、という人気ゲームでして、日本語版が発売されるまでになりました。
奉行まて、見た感じ日本語化は不要のようだが?
与力確かに日本語化する所は無いんですけど、日本語版が出ると供給が安定するということで。ところで、このゲームは緑色の箱でアルファベットのFから始まるゲームですが、お奉行、思い当たるゲームはありませんか?
奉行む? なんだ? 思い当たらん。
与力『電力会社』のフリーゼさんです。この人のゲームは緑色でタイトルがFから始まるんですよ。
奉行ほう!
与力で、ゲームの基本的な内容なんですが、こんな感じのようです。
- 1ラウンドに7トリック
- ただし、6トリック目までは直接勝敗には関係が無く、7トリック目を取ってしまった人が、規定の数のきゅうりコマを押し付けられる。
- これを何ラウンドか繰り返し、きゅうりコマが上限の6個を超えた人が負け。
奉行ところで向こうの国のきゅうりはナスのごとき形をしておるが、これでキュウリなのだのう。
与力へちまっぽくもありますね。
奉行いかにも、へちまっぽい。日本と作り方が異なるのかな?
与力そういうことで、一番最後のトリックを取らないために手札にどのカードを残せるか、自分の残したいカードを残せるか、という駆け引きを積み重ねて勝負する、そんなゲームらしいです。
奉行1ラウンド7回カードを出して、きゅうりを取って…だから、だいたいそんな時間(メーカー標準プレイ時間25分)がかかる、ということだな。あれかな、トランプの『ハーツ』のようにマイナス点をとらない、というような趣きであるのかな。
与力ということで1個めの『5本のきゅうり』でした。では次にいきましょう。
注1:トリックテイキングとは、1ターン(トリック)の中でルールに従って場にカードを出し合い、ルールに従ってプレイヤーの誰かが場に出たカードを取る(テイキング)するタイプのゲームのことを示します。トランプゲームでは『ナポレオン』や『ハーツ』が有名だと思います。単純そうに見えますが、タイプごとに更に違いがあるため、wikipediaの項目は驚くほどの長さになっています。