ツクルテン(ボードゲームプレイ感想)

ボードゲーム愛好

『ツクルテン』を遊んでみた

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【登場人物】

奉行藩の決裁担当。数字の10といえば?「うーむ、迷うところだが大空翼くんか?」

与力藩の買掛担当。数字の10といえば?「個人的には駒田なんですよね、10。羽生田って説もあります」

アボラスとバニラ

奉行『ツクルテン』…テン…あ、10か。

与力その通りです。このゲームは、手札8枚の数字を足して10ぴったりにするようにそろえていく、文字通り10を作り出すゲームなんですね。

奉行10を作る、“つくる・てん”、ってことね。ちなみにイントネーションは「ところてん」と同じでよいのかな。どうかな。

与力…ゲームの準備を始めます。カード配りますね。あ、ルールについては、実は公式動画を観るのが早いです。

https://www.youtube.com/watch?v=AOZjqyh_f1Y

ゲーム開始の準備です。まず、ボーナス点一覧表をプレイヤー全員に1枚ずつ配ります。そして親を決めたら、矢印の方向が親の方向を向くように、親マーカーを置きます。
親は数字カードをよく混ぜ、プレイヤー全員に7枚ずつ配り、残りはテーブルの真ん中において山札とします。これで準備完了です。

ツクルテン
準備は至極簡単。

奉行基本はカード配るだけか。

与力です。さて、この配られた手札をどう揃えていくか、がゲームのカギですよ。

宇宙鉄人キョーダイン

ツクルテン
こんな感じの手札。これを足して10?

奉行(カードを並べなおしながら)いや、これ無理じゃろ。10なんて一生無理よ。

与力(同じく、カードを並べなおしながら)ですよね。カードは赤、青ともに1から7のカードが4枚ずつです。それを8枚で10ですからね。

奉行7とか入ってた時点で死亡確定だわな、普通に考えれば。これは、引き算かなんかできるの?

与力いえ、このゲームはカードを3枚ずつ組み合わせることで、“特殊コンボ”が発動して、数字の数え方を変えられるんですよ。

『ツクルテン』最大のポイントである特殊コンボは、以下の組み合わせでカードを揃えたときに発動します。

  • 赤の数字カードが連番で3枚並ぶ:3枚のなかで「一番大きい数字」だけが有効になる。
  • 青の数字カードが連番で3枚並ぶ:3枚のなかで「一番小さい数字」だけが有効になる。
  • 同色同数のカードが3枚揃う:3枚の合計数字は「0」になる。
ツクルテン
例えばこんな感じ。

与力この場合、青1、赤2は3枚ずつなので0。有効な数字は2枚の5だけなので、手札の数字合計は10ぴったり。と、そんな塩梅ですね。

奉行ハハァ、つまり麻雀のメンツを作れ、みたいなことか。

与力模範的な反応ありがとうございます。麻雀知っている方ならその理解でOKでしょうかね。

奉行なるほどなあ、それなら分かりやすいわ。

与力ただ、特殊コンボの発動は任意です。さっきの例で行くと、1の3枚は、0として扱ってもいいですし、3のままでもいいんですよ。

奉行へえ、そこは柔軟に、なんだな。

与力特殊コンボさえわかれば、もう大丈夫です。ゲームを進めてみましょうか。

S極君とN極君

ツクルテン
さて、どうそろえていくか…。

ゲームは、親から時計回りで進行します。自分の手番になったら、まず山札から1枚引き、手札を8枚にします。ここで数字の合計が10であれば、あがりです。「ツクルテン」と宣言した後、あがりの処理を行います。
あがれなかった場合、手札から1枚いらないカードを選び、自分の前に捨て札として表向きに並べます。そして次のプレイヤーに手番が移ります。

与力と、いうことで次のプレイヤーの手番ですが、手番のはじめに「ゲット」、あるいは「ヒット」のチャンスがあります。

奉行む?

与力「ゲット」は、自分以外のプレイヤーの捨て札から、一番新しい捨て札を取って、自分の手札と組み合わせて特殊コンボが発動する3枚組を作る、という宣言です。

奉行あ、つまりロンとかチーか?

与力まあそうですね。ゲットでできた特殊コンボの組み合わせは、表向きにして自分の前に置いておきます。この3枚は「以後、必ず特殊コンボとして扱う」必要がありますね。あとで「やっぱコンボ無し」にはできない、ということです。別のカードと組み合わせるために後でバラす、とかも無しです。

奉行コンボを作ったら触れない、ということだな。

与力ゲットがそんななので想像つくと思いますが、「ヒット」は…。

奉行ロンじゃな?

与力ご明察。その捨て札を取れば数字合計が10になるのであれば、ヒットを宣言して手札を公開し、あがることができます。

奉行論より証拠…。

与力(無視)ということなので、手札を引いたときか、手番最初でヒットできたとき、このどちらかであがりが発生し、得点計算になります。

奉行(気を取り直して)得点計算は、このボーナス点一覧表をご参照、というところか?

与力そうですね。ボーナス点一覧表はゲームNOWAさんのホームページに公開されていますので、こちらをご覧頂ければ早いかな、と思います。わりと重要なのは基本点で、自分が親の時にあがれると3点なので、これを逃してはいけないよ、という感じですかね。

奉行親あがりは大切、と。

与力あと、「ボーナス得点を計算するとき、同系統のボーナスは重複せず、得点の大きい方が優先する」という重要なお知らせがホームページにありました。こちら、確認しておいた方が宜しいですね。

奉行ふむ…。勝つためにはこのボーナス点を目指して、特殊コンボを組み立てていく、ということが必要か…。まずはボーナスの把握が大切じゃな。

与力てことで、誰かが上がるか山札が無くなったらラウンド終了で、次のプレイヤーが親になります。全員が2回ずつ親をやったらゲーム終了で、合計得点が一番多い人が勝利、ということです。ちなみに、幻のボーナス「ゴッドテン」を達成した人は即座にゲームの勝者になれますよ。

奉行『ワードミノ』にも、そんな一発勝利の仕掛けがあったよな。達成してみたいが、狙ってできるような難度ではないんだよなあ。

『ツクルテン』【ここがイカス!】

奉行ルールに沿って特殊コンボを組んで、それでまたうまくボーナスを稼いで…と。うん、シンプルで分かりやすい。

与力ルール説明中にも使いましたが、麻雀とかドンジャラ、あるいはセブンブリッジにも近いような要素ですね、3枚1組で何か起きる、というのは。

奉行その種のゲームを知っていると、ルールの理解はより早いかな。とはいえ、麻雀みたいに必ず3枚組を作らないとダメ、って訳ではないことは注意だな。

与力極論、1を7枚と3を1枚でもいい訳ですからね。

奉行あと、ゲット、ヒットの処理も、ロンやチーとは少し違うかな。割り込めないものね。

与力手番が飛ぶプレイヤーは出ませんね。

奉行で、『ツクルテン』の3枚1組が特徴的なのはカードの色分けの部分で、赤か青かによって連番のコンボの性質が真逆になるというところ。これをどう使いこなせるか、というところよね。

与力ところで上手くなると、捨て札の列から他プレイヤーの狙いが分かったりするんですかね?

奉行できるようになるかもしれんよ。そう考えると、競技性は高いよね。ごくごくシンプルに相手と対戦しているゲーム感も緊張感を増すし。

与力一方で“相手から点を奪う”式の得点計算でない所に、かぶけん様の優しさが垣間見えるように思います。

『ツクルテン』【ここはちょっと……】

奉行足し算がこれほど苦手になっているとは思わなかった。

与力頑張ってくださいよ、そこは。計算ドリルとかやりましょう。

奉行あと、さっき例に出した、似たような雰囲気を持っているよく知られたゲームと、遊ぶ時にどっちをチョイスする?という話にはどうしてもなってくるのかなあ?

与力説明する時は、理解を引き出しやすくて助かるんですけれどもね。

奉行まあ牌を使う麻雀スタイルのゲームの場合には、環境を整える必要があるからね。こっちはサクッと準備してサクッと終わるから、遊び方のスタイルが全然違うか。

与力何といっても手軽な小箱カードゲームですからね。

奉行それから、まったく余計なことなんだが、何かテーマが乗らないかなあ、と漠然と考えていたよ。

与力簡単3枚組作りでテーマ性、といえばドンジャラですか? そういう系統に寄せる、ってことです?

奉行いやあ、ドンジャラって言葉を久々に聞いて記憶が掘り起こされたんだが、ドラちゃんを3枚集めるだけでうれしいとか、ジャイアンとかスネ夫が3枚いるだけでなんかイラっとするとか、テーマが乗っているとそれだけでプレイ意欲とか没入感が増してリプレイにつながる、ってのはあるんじゃないかと。

与力私はあえてテーマを廃することで、“対象年齢8歳-99歳”表示をつけられるような、ずっと遊べるゲームというところをデザインされたのだ、と拝察しますけれどもね。下手なテーマ付けると、ゲームに賞味期限を付加してしまうんじゃないか、とも思いますし。

奉行あー。確かに、ノンテーマゆえに醸し出される普遍性ってのは見逃せんね。深いな。

ツクルテン
取りあえず出前を取ってから対戦を続けようか。

奉行大きい数字で特殊コンボ組めると、なんかカッコいい気がするんだよな。

与力それをカッコいいと思うのは、ちょっと思春期の暴走的な気もしますよ。

ゲームの購入は『ゲームNOWAさんのBOOTH』からできそうです。