クエストREクエストを遊んでみた
クエストREクエスト(ボードゲーム開封編)
【登場人物】
与力藩の買掛担当。なってみたい『村人』といえば?「ここは〇〇の村です、とか説明する村人。村の入り口をうろつきたいです」
奉行藩の決裁担当。なってみたい『村人』といえば?「結構遠いところに居て、わざわざ話しかけに行ったのに寝ている奴とかいいのう」
誰が何に強いか見極めて馬券?を買おう
奉行なるほど、冒険者を酒の肴にする村人の立場を楽しむのか。傍観者の優雅な娯楽、といったところじゃな。
与力ダンジョン踏破はしてほしい、できれば自分が賭けた冒険者に!って心情なんでしょうか。RPGだと魔物に脅威にさらされている村ってテーマが多そうなのに、ここの村人は強そうです。
ゲームを始める前に、各プレイヤーに村人カード(スコア表)と、同じ色の「推しチップ」(0点から2点、合計6枚)を配ります。チップは全て裏面にし、他のプレイヤーには見えないようにしておきます。続いて、プレイ人数に応じた冒険者カードを場の中央に表向きで配置します。この冒険者たちが、ダンジョンに挑む(賭けの対象となる)メンバーです。
その後、ダンジョンカードをよくシャッフルし、同じくプレイ人数に応じた枚数を手札として各プレイヤーに配布します。のこりは山札です。アイテムカードはよくシャッフルして、こちらも山札としておきます。
前半戦
奉行ふむ、まずは賭けるところから、なのか。この推しチップを使うのだな。
与力はい、自分の手札と冒険者の能力をよく見極め、3枚のチップを置いていきましょう。ただし、1人の冒険者に同時に2枚のチップを置くことはできないです。
ダンジョンカードには剣(モンスター)、杖(魔法)、カギ(罠)の3属性があり、それぞれ1から3のアイコンが描かれていて強さが決まっています。一方、冒険者も同じように属性とアイコンを持っています。冒険者が持っているのと同じ属性のダンジョンカードは、アイコンの数が冒険者のそれを上回らないかぎり、効果を発揮しません。
与力つまり、例えば今回登場する冒険者「戦士」は、剣属性のアイコンを2個持っています。ですから、剣属性のダンジョンカードのうち、アイコンが2つまでのものは、戦士に倒されてしまう、ということですね。
奉行逆に言えば、そういったダンジョンカードばかりが来れば、戦士は突破しやすくなる、ということじゃな。
チップの配置が終わったら、手札のダンジョンカードを配置していきます。スタートプレイヤーから、手札を2枚選び、1枚を表、1枚を裏にして、任意の冒険者カードの右側に並べていきます。この時点では1枚の冒険者カードに対して、4枚まで並べることができます。
奉行なるほどのう。置くカードの半分は、内容が分かるのか……。
与力それが有りますんで、推しの冒険者への肩入れし過ぎはバレやすいかもしれません。さて、ここで後半のチップ配置タイムとなります。
後半戦
ダンジョン山札から再び決められた枚数のカードを配布し、その手札をそれぞれ確認したら、残っている推しチップを冒険者カードに置いていきます。この時も、新たに置くチップは同時に2枚を同じ冒険者カードの上に置くことはできません。
奉行あー、情報量が増えたところで、最後の博打ということか。ここまで、点数の高いチップは残しておくべきなのだな……。ところで、どこに何点のチップを置いたか、分からなくなってしもうたのだが。
与力あ、自分のチップはいつでも点を確認することができますよ。終わりましたか? では、再びダンジョンカードの配置になります。
前半と同様の手順でダンジョンカードを並べたら、冒険者が挑むダンジョンの全容が確定し、いよいよ突破できるかのチャレンジが始まります。
前後半何分ハーフだったんでしょうか
ダンジョンへの突入前に、まず冒険者「芸人」が持っているアイテムがここでオープンされ、効果が適用されます。
奉行芸人はアイテム次第という不確定要素なのだな。
与力それゆえにリターンが大きくなるかもしれない、ってことです。
そしていよいよ突入が開始されます。1人目の冒険者から、冒険者カードのすぐ右側に置かれたカードから、ダンジョンカードを1枚ずつ表にして、効果を適用していきます。大半のカードは各属性ごとに冒険者にダメージを与えてきますが、中には属性無視の大ダメージを喰らわせてきたり、冒険者にプラスになるイベントだったり、あるいは何も起きなかったり、といったものもあります。
奉行属性アイコンの数を見比べ、冒険者が無効化できなければ、HPにダメージが入る、ということでよいな?
与力そうですね。で、全てのカードを潜り抜ければよし、しかしもしもHPが0になってしまったら、その原因になったカードは裏向きにして列に戻します。その手前のカードまでが、その冒険者が進めた位置になります。
全ての冒険者の突入が完了したら、今回の勝敗を決めます。
・ダンジョンを突破できていた冒険者が1人であれば、その冒険者が優勝となります。
・ダンジョンを突破できた冒険者が複数いたのであれば、突破したダンジョンカードに描かれている「宝石」アイコンの数を数えます。アイコンの数が一番多い冒険者が優勝となります。
そして各プレイヤーは、優勝した冒険者に賭けていた推しチップの点数と同じスコアを獲得します。
奉行……この場合はどうする。全員教会に転送されてしもうたようじゃが。
与力こういう傷ましいケースでは、より先に進めた冒険者が優勝、ということになりますね。ですから、1番上の勇者が優勝です。
以上の手順で3レース行なって合計スコアを競います。最もスコアが大きいプレイヤーが勝者となります。
与力ではもう一勝負……ん? 脳筋……? これはなかなか濃いキャラですね。
奉行職業なのか?(……属性は無いが体力のあるこやつに、ダメージの小さいダンジョンカードを優先的に並べれば……)
奉行フッフッフ、さすが男性、190㎝、髪は茶、筋肉モリモリマッチョマンだな。
与力第三次大戦でも始まるんですか? あるいはレベルをあげて物理で殴れ? ……しかし、上手くやりましたね。また手を読まれた気がします。
結果、2レース目の脳筋で大きく稼いだ奉行が勝者となり、その特典として最後の優勝冒険者に声を掛けます。
奉行「おお!わたしのともだち!おまちしておりました!」
与力あっ、この人、ぼったくり商売するつもりだ。
『クエストREクエスト』ここがイカス!
奉行まずは……設定勝ちじゃな!
与力ですか。
奉行よくよくゲームの展開を考えてみれば、自分の賭けておる冒険者にはできるだけ安全な道を教え、それ以外は突破できんように、敢えて強烈な罠やらモンスターやらが待ち受けておる場所へ誘導するような情報とか地図とかを渡している、ということだからな。それはそれはえげつないことをしているんだぞ!
与力そう考えると、これまで遊んできたRPGで素直に村人の言うことを信じてきた我々は、お人よしだったのかもしれませんね……
奉行そのせいで、世界を救う難易度がちょっとばかり上がっていたのかもしれん。それは冗談じゃが、こういうシュールな設定は時には面白いものよ。『ブラッディ・イン』くらいまでいってしまうと、もはやホラーじゃから、遊ぶ人を選ぶかもしれんが。
与力遊んでみた感じ、細かいルールは特になく、更にイラストの見た目が良いので、なかなか引き付けられるゲームだと思いましたが、どうでしたか?
奉行我ら日本のゲーム愛好者は、少なからずコンシューマーゲームのお世話になる機会は多かったからな。そういう点で馴染み深い装い、要素が入っていれば、楽しく遊べることは間違いない。ルールの難度も、人との心理的駆け引きを楽しむのだから、ちょうどよいくらいだろう。カードの表示なども見てわかりやすいしな。実に遊びやすいゲームだ。
与力ルールと言えば、裏向き、表向きなカード配置とか、チップを置いていくのとか……
奉行そうさな、しらたまゲームズの代表作『ゲスラブ』のシステムに近い。ゆえに『ゲスラブ』を遊んだ諸氏にはより理解しやすく、取っつきやすいだろう。
『クエストREクエスト』ここはちょっと……
奉行狂王のアミュレットを奪った魔法使いを追ってとか、世界征服を企む魔王を倒すためとか、そういう壮大なテーマを背景に、自分がダンジョンを攻略していくゲームではない。本格ファンタジーダンジョンを期待すると、ちと肩透かしを食らう。
与力いわゆるRPG的なゲームではない、ということですね。
奉行そういう要素が、全体にふんだんに散りばめられているだけに、きちんと公開情報を読まずにカードの絵柄とかだけ見て遊んでみたら、インストの段階でビックリしてしまうかもな。
与力勇者となってハック&スラッシュなダンジョン攻略がやりたければ、別のゲームを当たりましょう。
奉行「ふふふ。お前が賭けていたあいつ、死んだぞ?」「ちっ、嫌なじじいだ。掛け金は持ってきな!」みたいな、ゲスな会話を酒場でする村人になり切ると楽しい。
与力お奉行の得意とするところですね。
奉行やかましい! ……だが、この絵柄は実に素晴らしい。これで本格派ダンジョン攻略ゲームを作ってはいただけぬものかな。それこそ『ダンジョンマスター』とか『ウィザードリィ』みたいな。『ダンマス』でおなじみの敵を倒してその肉を喰う要素とかも入れれば、昨今は某漫画の影響も有るゆえ、これは大当たり間違いなしではあるまいか?
与力あるまいか?と言われましても。ねぇ。
奉行何卒、ご検討下され。
与力説明書を読んだら、各手順ごとのBGMのタイトルが付記されていましたが……。
奉行オリジナルサウンドトラックの発売も、あるのやもしれぬな。……なんか聞いたことのあるタイトルがズラリ、ではあるが。