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与力藩の買掛担当。映画は多少見るタイプですが、とにかく傾向に偏りがあると指摘されます。
奉行藩の決裁担当。映画はあまり見ないタイプでして、与力の傾倒っぷりは大体スルーしています。
またもや2人プレイの壁
奉行ふむふむ、舞台設定は近未来のリアリティ番組で、25部屋の施設に閉じ込められた「プリズナー」と呼ばれる選手が、そこから脱出しようとする…ということか。
与力ね、『バトルランナー』っぽいでしょ。
奉行わし、シュワちゃんは『コマンドー』と『ターミネーター』しか見とらんのよ。
与力なんてこったい。
今回は説明書に書かれた5つのゲームモードのうち、2人プレイで遊べる「協力モード」と「対立モード」の紹介となります。
奉行……準協力の醍醐味は紹介できんのか?
与力4人以上なんですよ、準協力の「疑念モード」は。いずれ遊ぶ機会が有ったらご披露させていただきたいと。
奉行やれやれ。いきなり腰砕けじゃな。
どのモードでも、ゲームの準備はだいたい同じです。まず、プレイヤーは担当するキャラクターを1人選び、キャラクターシート、フィギュア、トークン類を受け取ります。
与力2人プレイだと、1人あたり2キャラを操ることになります。どのゲームモードでも、キャラクターは4人以上いることになりますね。
奉行ほほう。1キャラずつだと手数が不足する、ということであろうか。
続いて、部屋タイル25枚を裏向きで正方形に並べ、ゲームのステージを作ります。
25枚のタイルを並べる際の決まりとしては、必ず中央にスタートとなる「セントラルルーム」タイルが置かれることと、脱出地点となる「ルーム25タイル」は、外周12枚のどこかに配置される、ということです。
与力という訳なんで、まず写真のようにセントラルルームの周りに12枚のタイルを並べた後、ルーム25タイルを入れた残り12枚を並べて5×5の施設が完成します。
奉行スタート地点の隣がゴール、ってことは無いわけだな。
その後、各プレイヤーごとにセントラルルームの上下左右4枚のタイルのうち、1枚の表面を秘密裏に確認し、ゲームをスタートします。
見て、移動して、人を突き飛ばして…… ―協力モード―
与力とりあえず「協力モード」から遊びましょう。これは完全協力スタイルのゲームになります。
奉行んで、ゲームの目的としてはその出口タイルを発見すればよい訳じゃな?
与力はい。ただし、「時間制限内に脱出しなければならない」「キャラクター全員が一緒に脱出しなければならない」という2つの縛りが存在します。
奉行「ここは俺に任せて早くいくんだ!」はダメ、ということであるな。
与力「疑念モード」の場合には裏切り者的ポジションである“ガード”のキャラクターは置いていっちゃっていいんですが、今回は「協力モード」なので、4人全員が脱出できないとダメです。
伏せられたタイルは、様々な効果を持つ部屋になっています。入っても何も起きなかったり、(使い方次第では)プレイヤーが有利になる部屋、入ると足止めを喰らってしまう部屋、そして入ると致命的な――最悪、即死する――部屋、などです。プレイヤーはこれらの部屋の情報を確認しつつ、危険を回避して出口へたどり着かねばなりません。
与力出口にたどり着くためにキャラクターができるアクションは4種類で、1ターンごとにそこから2つを選んで実行することができます。
奉行2つとな。多いような少ないような……。
与力時間制限はゲームモードごとに8ターンか10ターン。今遊んでいる「協力モード」は8ターンの方なので、1キャラクターにつき16アクションしたらゲーム終了です。
奉行そう聞くと、かなり少なく感じてくるな。
アクションは以下の通りです。
- 確認:隣の部屋タイルの表面を自分だけ確認します。
- 移動:隣の部屋へ移動し、移動先の部屋の効果を適用します。
- 押し出し:同じ部屋にいるキャラクターを1人、隣の部屋へ移動させます。
- 操作:自分のいる部屋を含む列を、縦横任意の方向へ1部屋分ずらします。ただし、列内にセントラルルームが含まれている場合にはずらせません。
アクションの選択はトークンを使って秘密裏に行います。
全員のアクションが決定したら、まず1つ目のアクションを全キャラクターが実行し、その次に2つ目のアクションを同様に行います。全てのアクションは実行できる限り、必ず行わなければなりません。
与力注意点としては、1ターン中に同じアクションを2回することはできません。
奉行つまり移動⇒移動ということはできないのじゃな。すると、「協力モード」の場合、自力では8部屋しか移動できんということか……。どこかへ行きたいときには上手く「操作」で部屋を近づけてもらったり、あるいは「押し出し」で他人を動かしてあげたり、ということも視野に入れんといかんな。
与力あと、「2つアクションしたくない!」という場合には、1つだけアクションを選択して、1つ目と2つ目、どちらのアクションとして実行するかを選ぶ、ということもできます。
奉行他に注意点はあるかな。
与力部屋情報が大切なんですが、これは確認したプレイヤーだけの情報になります。「どのくらい危ないか」など漠然とした内容を伝えることはできるのですが、部屋の名前など完全な情報を伝えてはいけない、という制約があることに注意ですね。
奉行協力ゲームではよくあるルールじゃな。
出口である「ルーム25タイル」が発見されたら、脱出の手順に移ります。
- 全キャラクターがルーム25に入る。
- (必要なら)ルーム25を「操作」アクションで5×5の外に出せる位置に動かす。
- ルーム25を「操作」アクションで外へ動かす。
これで脱出成功となります。
奉行協力モードは分かりやすいな。このゲームで基本的に何をすればいいのか、が把握できる
与力慣れるためにまず遊んでみるのもいいですね
相手を上手く出し抜け ―対立モード―
与力対立モードは2~3人用でして、各自2人ずつ受け持ったキャラクター“だけ”を脱出させるのが目的です。時間制限は10ターンですね。
奉行なるほどのう。相手の脱出を防ぐためには、あるいは息の根を止めてしまうようなことをしても構わんのだな。
与力はい。キャラクター1人を失った場合、残る1人はゲームの最終ターンにしか脱出できない、というルールがあるので、著しく不利になりますね。
奉行これはなかなかスリリングじゃな。
対立モードの場合には他プレイヤーは敵になります。従って部屋情報の共有が中々行われづらく、警戒して動きも鈍くなりがち……
奉行偶発的な形で部屋情報を知るケースが増えるな。そーれ、“押し出し”っ!
与力あっ、ちょっとっ! ……セーフの部屋でした!
奉行ちっ。
奉行ぐぬぬ。キャラクターが1人になると、途端に劣勢になってしまうな。三つ巴の戦いの方が、偶発的な共闘が生まれたりして、そのあたりのバランスが自然と取れるかもしれん。
与力相当、ギスギスしましたものね。敵がいると途端に動きづらくなる感じというのは、このモードでよく分かりました。
ルーム25【ここがイカス!】
奉行協力ゲームとしても対戦ゲームとしても楽しいぞ。特に雰囲気がいい。
与力こういう近未来チックなの、お好みでしたか?
奉行いや、というよりも伏せられている情報が徐々に明らかになっていく過程が好き、というところかな。
与力ははあ。確かに、限定された部屋情報を上手く共有するにせよ、自分だけのものとして持っておいて、他人を罠にはめるにせよ、面白いものではありますね。
奉行部屋を動かせる、というのもいいアイデアだと思う。タイルがズレて施設が変容する感じが、見た目に分かってわくわくするしな。
与力盤面がタイルであるという特性を生かしている、と言えるでしょうか。遊ぶテーブルの面を、タイルを滑らせやすいように工夫しておくと、なおいいですね。
奉行それからキャラクターも1人ずつ背景設定まで作り込まれていそうな感じがあるのに、別に特殊能力とか無いのも、いい。それでゲームのテンポが崩れていないと思うな。
与力メーカー公式には30分ということですが…
奉行慣れれば確かにそのくらいだな。いや、対立モードだと若干長考気味になるから少し時間がかかったか。でも1時間はかかるまい。
ルーム25【ここはちょっと…】
奉行いろいろゲームモードが楽しめるのは有難い。ただまあ、やっぱり一番面白いのは「疑念モード」なんじゃないか、と思う。
与力敵か味方か分からない、って状況が真価を発揮するゲームではありそうですものね。
奉行「対立モード」だと、相手は敵だと確実にわかっているから、「あいつたぶんこう来るんだろう」という読みあいでアクションを決められる。だが、な「疑念モード」だと誰が敵か分からないし、かといって仲間をピンチに陥らせるわけにもいかないから、アクション選択がより悩ましくなるんじゃいかな。
与力もし仲間だったら……というのは、「全員揃って脱出」というルールが効いていますね。
奉行という訳なので、できれば4人以上で遊びたいゲームじゃな、やはり。
与力他にはありますか?
奉行個人差があると思うのだが、良い点であげた「個性」は、反対意見を持つ人もいるかもしれん。バックグラウンドを想起させられるようなキャラ揃いなのに、性能差が無いのはちょっと残念、といった具合でな。
与力ははあ、そう捉える人もいるかもしれません。
奉行ただ、それは拡張で解決されるようなので、世界観やキャラクターが気に入った方は是非、基本ともどもお買い上げください、ということなのであろう。多分。
奉行それにしてもこのゲームの科学者は、あの妙な車を作りそうな爺様そのものじゃな。
与力これが通るなら、マッチョをまさにアーノルドその人にしてくれても…
奉行お主の日曜洋画やら午後ロー好きにもあきれるのう。