1565年2月 さあ最後の戦と参ろうぞ
フッフフフ、得意の調略により、南部の鳥海城を抑える大浦為信家、丸ごと寝返らせてくれたわ!
よし、敵は動揺しておろう。これを契機に一気に攻め込むぞ。官兵衛殿よ、陣立ては整っておるな。
官兵衛「はっ、まずは日本海側、出羽へ向けて…」
官兵衛「最後に、蘭様の4900を後詰としておきます。総勢13500。南部の総勢にほぼ匹敵します」
うむ。これならば、まず敗北はあり得ぬな。副将陣も長年励んでくれた笠原、菅谷などに加え、真田信尹や水原親憲、片倉喜多など、若手も交えて多士済々。まさに内藤家の総力にふさわしい。
官兵衛「とは申せ、敵もさるもの。万が一に備え、大熊朝秀隊4800、中条藤資隊3500、九戸信仲隊2800、小幡憲重隊2500をいつににても繰り出せるよう、準備させております」
未曽有の大合戦となるな。わしもよくここまで来たものだ。よしいくぞ、出陣だ!
1565年5月 人気があるにも程がある
‐陸前戦線‐
菅谷政貞「名生城は落ち、鳥海城の大浦勢と連絡がとれるようになりました。南部の残存戦力は寺池城に集結し、我が方を迎え撃つ構え」
蘭「ふ~ん。でもそれはちょっと無理なんじゃないかな。延沢さんと兼豊さんが北から。で、私たちが南から寺池城を攻めるよ。折角だから、大熊さんにも働いてもらっちゃおうかな~」
兼豊「敵は小部隊を繰り出して我が方の足がらみでもしたいのであろうが、その程度の数では、もはや衆寡敵せず、というやつだ」
‐出羽戦線‐
ほほう、蘭たちはおおむね順調に敵を片付けたようだな、重畳重畳。さて、我らの戦はいつ終わりそうかのう。
馬場「目の前の現実をみろ、昌豊殿。当分終わらんじゃろうが」
秋山「南部の増援が続々到着してますよ。我が方の侵攻を予期していたんでしょうか?」
うーん、これはちょっとすごい眺めだな。
馬場「どうするのだ昌豊殿。敵の数は我らより多いかもしれん」
秋山「長谷堂の折のように、大合戦で決着をつけますか」
いや、敵は多いがここは山間の細道。我ら三部隊の力で敵の備えを一つ一つ削り取る。少数同士ならばこちらは歴戦のつわもの揃い。絶対に負けることは無い!
馬場「力強い言葉だが、大丈夫だろうな、これ」
秋山「ちょっとちょっと、環七のラーメン屋じゃないんだから、こんなに行列作らなくても!」
はあ…まさかこれほどの激戦になるとはな。馬場、秋山両隊ともに既に退いたか。
官兵衛「しかし殿の奮戦もあり、敵も息切れしつつあります。後方に控えている中条隊、九戸隊、小幡隊を前へ出し、戦線を維持しましょう。これで恐らく向こうもあきらめます」
よし、そうしようか。南部の戦力を削ぎ、陸前ではいくつかの城を奪った。戦果あり、とすべきところだが…
官兵衛「当初の意気込みからすると、期待ほどの成果は挙がりませんでしたな」
手厳しいな。だが、その通りだ。我らも春日山まで退き、立て直しをしようか。
1566年2月 その日は突然やってきた
さて、困ったな。
官兵衛「何やらお悩みのようですが、いかがされましたか」
先日の反省を踏まえ、南部との再戦に備えて軍備を整えておったのだが……そもそも勝ちが見えておるのよ、この戦。西の方ではいよいよお館様直属の軍団が四国・中国へ攻め込もうかという様子を見せておるし、武田によって日の本が統一されることは、もはや疑いようもない。
官兵衛「つまり、結果が見えているので、これ以上の戦乱は無用、とお考えでしょうか」
大体そんな感じだ。戦をやっても良いが、もはや無駄に血を流すことはあるまい? 何か、これ以上諸大名に武田に逆らわせぬような、良い策はないか。
官兵衛「ございます」
え、あるの?
官兵衛「天下惣無事令です。これで諸大名は戦をやめ、武田菱の下、天下は統一されますぞ」
え、これをこう、クリックするの?それでおしまい?
官兵衛「はい」
そうか、じゃあクリックしてみよっか…えい。
馬場「昌豊殿、何が起きた!? いきなり全ての戦が終わり、武田家の下、天下が統一されたとかなんとかいう話になったのだが!?」
駒井「婿殿、これはいったい如何なる仕儀じゃ? 我らの宿願が果たされたのか?」
秋山「戦が終わったのですか? 武田家の天下が成ったのですか?」
兼豊「義父上、お教えください!」
う、うーん。本当にこんな唐突に天下が治まるとは思ってもみなかった。あまりにいきなりすぎてビックリしたぞ。とはいえ、あっさり終わり過ぎたので、この後のこと、ほとんど何にも考えていなかった。どうしよう。何をすれば?
蘭「あ、あなたは北条のニンジャ! パパ上、知り合いなの!?」
お、おう、そういえばよく領地に遊びに来て一緒に乗馬したりしておったが…なんでこの場面で来たの?
風魔小太郎「これから先は戦無き世がまいる。その世をいかに治めるか、それを考え、平和を長く保つことこそ生き延びたその方らの務め」
なるほど! 唐突な出現にびっくりしたが、なるほど!
…じゃ、ないって。
馬場「なるほど、凶悪な顔をした忍の割にはよいことを申した」
駒井「左様じゃな、これからは人々が安らかに暮らせるよう、世を保つのが我ら武士の務め」
秋山「戦より難しそうだなあ…」
兼豊「私にはそちらの方が楽しそうです」
蘭「確かにその辺はいいとして。パパ上の最終的なお悩み解決に来てくれたのが、なんで北条さんとこの風魔さんだったのか、それが納得できないんだけど?」
うん。わしも、そこが釈然としないなあ…。ああ、エンドロールが進んでいく…。
―1566年2月、惣無事令により諸大名の私闘は止み、応仁の乱以来の戦国乱世はここに終わりを告げた。そして武田信玄とその家臣団による、新たな国造りが始まる。-
まあ、どんな難題も結局全部わしに無茶ぶりされるんでしょうけどね!
蘭「あ、いじけた」
官兵衛「致し方ありますまい」
馬場「何せ、あれだけ『己が力でお館様をお支えし、京都に武田の旗を立てる!』とか言っておったのに、あっさりと真田昌幸に負けておるわけだからな」
秋山「そのような有様だから、大河ドラマに出られないのでしょうぞ!」
う、うるさいぞ!
こうして、わし、武田家臣・内藤昌豊の足掛け24年間の戦いは、無事に終わりを迎えたのであった。
終劇 ... ?