『ここで装備していくかい? 地下99階の商人たち』を遊んでみた
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奉行藩の決裁担当。これを買ったら安心!な武器と言えば?「鋼の剣だなあ」
与力藩の買掛担当。これを買ったら安心!な武器と言えば?「セミオートライフルですね」
おお! わたしのともだち!
奉行商人になって冒険者からぼったくるゲームか…。
与力懐かしいですね、ボルタック商店。
奉行ロールプレイングゲームに武器屋道具屋はつきものじゃからなあ。
与力そんな商店主になって自社の時価総額を高めて勝利を目指そう!というのが、今回のゲームです。
奉行だいぶ実態と乖離していそうな説明だが、まずは準備を整えよ。待ってるから。
与力ははっ。なお、詳しくはこちら(https://heyteam.net/kokochika/)で公開のルールブックをご覧ください。
奉行ああ、昨今はルールブックを公開しておられるサークルさんが多いな。ゲームの概要をつかむに、これほどの判断材料はないということであろう。
与力購入する側にとっては無上の配慮と申せましょう。
奉行注意点はあるかな。
与力スコアボードの下にトレンドカードを並べますが、初回プレイにあたっては推奨カードがございます。カード右下の初心者マークがその目印です。これを使いましょう。
奉行まずはチュートリアルということかな。
与力それから、タイルに関してはよく混ぜて、いくつかの山にします。結構スベスベしたコーティングなので、混ぜるのは楽ですね。6つくらいの山に分けて積むとよい感じに分かれます。
奉行『カルカソンヌ』的なセッティングを想像するとよいか。
与力あとは、個人ボードの面ですね。木目調の表面と、黒の裏面があり、どちらも使えるようになっています。ただし、裏面は選択ルール適用時、あるいはソロプレイ時に使うので、間違わぬようご注意を。
奉行おう、確か初版ルールブックでは「ソロプレイの時は裏面を使う」という文言が欠落しているので注意と呼びかけがあったな。
与力上述のルールブック公開ページでは修正版が配布されておりますので、そちらを参照されるとよろしいでしょう。
ウェルカァム(バサッ)
与力まず、このゲームは全3ラウンドで構成されます。で、各ラウンドごとに3つあるダンジョンのどれかに商売をしに行く訳です。
奉行おう、ダンジョンっていうのはあれか。このカードの並びの横軸のことだな。
与力はい。それで、ダンジョンごとにトレンドがあるんですよ。武器が欲しいとか、何らかの色のアイテムをまとめて欲しいとか、そんな感じでしょうか。
奉行それがこのトレンドカードに描かれている内容という訳だ。
与力ですので、ダンジョンに商売に行く時に、「そのダンジョンのトレンドに合わせた品ぞろえ」をしていきましょうってことになるのですね。
奉行そのために、手元でこのタイルをパズルのように組み合わせて店を作ろうって寸法だな。
与力いかにも左様でございます。ゲーム開始時に1枚配られるタイルを足掛かりとし、毎ラウンド5枚のタイルをドラフトにて獲得し、自分の店に並べていきます。
奉行5枚のタイルを引き、自分が欲しいタイルを取って残りを隣にわたす、を繰り返す…。
与力タイルを選ぶ基準は、もちろんまずはダンジョンのトレンドですよね。これを満たせるように配置していきたいです。
奉行そうだな、そうなるよな。
与力ただし、「結局3つのダンジョンすべてを1回ずつ訪れることになる」ので、一か所のトレンドだけにこだわるのはよくなさそうです。
奉行ううむ、そりゃそうよな。
与力それから、ゲーム開始時に配られる評判カードですね。そのかなりクセのある顧客の要望に応えられると、最終的な得点計算で加点が得られます。
奉行うーん、意外と無茶ぶりが…。
与力あとはタイル自体についているマークです。まず、タイル2枚で完成する「魔法陣」は、完成させた数で得失点があります。
奉行げ、失点があるのか?
与力完全に無視してしまうとダメですね。また、赤・青・緑の属性マークが付いているタイルがあるのですが、これは3色1セット揃えるごとに得点がありますよ。
奉行む、むむむむ。色々あるんだなあ。
与力そういうことを考えながら3ラウンドを進めていきます。ラウンド終了ごとに得点計算が行われますので、店を構成するタイルが6枚、11枚、16枚の時に点が入る訳ですね。
奉行うーん。タイルは4×4の正方形を崩してはいかんのよな…。
与力その通りです。ちなみに、タイル配置はすでに置いているタイルの上下左右につなげていきます。再配置とか、向きの変更とかはあとではできないので、注意してくださいね。
奉行向きかあ…どうしてもここに置きなおしたいという場合の手段は無いのか?
与力ありますよ。配置済みのタイルを廃棄して、その場所に置くということはできます。ただし、廃棄したタイルは個人ボードの廃棄場所に置かれ、最終得点計算時にマイナス要素となります。
奉行うわあ、やっぱり廃棄を出すのは小売業として致命的なんじゃな…。
毎日 コツコツ働けば きっといいことが ありますよ
与力さて、ラウンド進行の処理も説明しておきましょう。まず、タイルのドラフト&配置が終わったら、各プレイヤーは自分のダンジョンチップからこのラウンドで行きたいダンジョンのチップを選び、伏せて前に置きます。
奉行ふむふむ。
与力で、全員一斉に公開したら、得点計算です。そのダンジョンの表になっているトレンドカード、1ラウンド目ならば2枚、2ラウンド目ならば3枚、3ラウンド目ならば4枚の内容と自分の店を比べて、条件を満たせているかどうか確認します。
奉行それで「この色のタイルがこういう形になっていれば」とか「この種類のタイルが何枚あれば」みたいな条件に合致していれば、点が入るという寸法じゃな。
与力はい。で、スコアボードで現在の得点を記録し終えたら、出したダンジョンチップを個人ボードの上に置きます。
奉行おう。このチップを置く意味はなんだ?
与力1つはもう行ったダンジョンを忘れないようにすること、ともう1つはどれだけ上手く商売できたかの判定ですね。このラウンド、対象となったトレンドカードの条件をすべて満たせた、つまり全部のカードから得点できたのであれば、チップをこのグッドボタン的な面にして配置できます。これも最終得点計算時に効いてくる要素です。
奉行ふむう。後々のダンジョンとなると、すべてのトレンドに対応するのは大変そうだが…。
与力そして、新たなトレンドカードをオープンします。
奉行条件が1つ増える訳だから、得点手段が増える一方で、トレンド全対応は難しくなってくるのだな、普通に考えると。
与力そうなるかもしれません。後は評判カードが1枚増えます。
奉行おっと、そちらでも得点の道が増える訳か…。
与力あとはまたタイルドラフトですよ。品ぞろえを充実させましょう。
奉行そして3ラウンド目が終わると最終得点計算か。
与力そうです。これまでのダンジョンのトレンドから獲得した点に、「属性セットごとの点」「完成させた魔法陣の数による点」と、「評判がよかった店へのボーナス点」を加算して、最も得点が高くなった人が勝利となります。
奉行評判がよかった店…?
与力はい。個人ボードに「グッドマーク1個につき☆3つ」という表記がありましたね。
奉行おう、炎の料理人、三ツ星シェフの…
与力(無視)それと評判カードですね。評判カードでお客の要求に対応できていると、☆がもらえます。この星を合計した数が大きい順にボーナス点が入ります。
奉行ほー、だからタイル廃棄はマイナス要素だったのか。あれは1枚廃棄で☆1つマイナスだものな。
与力なかなか評判カードも途中でそんなこと言われてもなあ、みたいなのが混ざってきたりして、小売業の難しさを痛感させられますけどもね。
『ここで装備していくかい?』【ここがイカス!】
奉行ゲームプレイにあんまりストレスが無いね。
与力自分の狙いを推し進めることはできますね。
奉行2人プレイってこともあるんだろうけど、タイルも争いってことにはならなかったし、プレイ指針もダンジョントレンドカードと評判カードで明確になっているし、苦しさは感じなかったかな。
与力パズル部分は最初少し戸惑いましたが。
奉行短期的な目標だけに釣られると、中長期的には全然点が伸びない店になるからな。ダンジョンを巡る順番を考え、獲得と配置を行う必要があるかな。
与力プレイ時間もほぼ公称通りだったのではないでしょうか。
奉行慣れてしまえばサクサクだよね。なんだろう、パソコンにインストールされていたら、時間つぶしにずっと遊んでしまうタイプのゲームではある。
与力だからこそ、スコアアタックのソロルールが有るのだと思います。
奉行この得点評価を見ると、わしらはどちらも見習い商人レベルなんだよな。商いの道は長く険しいな。
『ここで装備していくかい?』【ここはちょっと…】
奉行気になるであろうところもあって、1つはまずインタラクションが薄いな。
与力プレイ人数によるんですかねえ、その辺は。
奉行人数が増えるとドラフトの部分でもう少しバチバチになるのかのう。ただ、本質的には、自分の手元をどれだけ伸ばせるかに専念できるタイプのゲームじゃないかなあ。だからその辺のゲーム性について好みは分かれそう。
与力最近のトレンドであるように思われますよ、ソロ感覚の強いゲーム。
奉行得点要素は結構引き運に左右される。タイル、トレンドカードはもちろん、2戦目の2ラウンド目開始時に引いた評価カードとか、その時点までのタイル配置ではどう逆立ちしても達成しようがないのが来てたしな。
与力運ですよ、運。ゲームのアヤです。まあ評価カードはそのまま得点でも良かった気がしないではないです。
奉行『チケライ』の目的地カード的な扱いな。ただ、そうするといよいよ引き運に偏りそうだからな。
与力これが上手い落としどころであったと拝察いたします。
奉行それから、テーマ性かなあ。ダンジョンに商売に行く武器屋、という設定は面白かったんだが、プレイ内容とダンジョンとの関わりが薄かったのよな。
与力それはまあ人それぞれの感じ方とは存じますが…。
奉行ダンジョンでなぜそのトレンドが発生しているのか、という所まで読みとれなかったからかなあ。フレーバー強めのパズル条件だと良かったのかなあ。
与力そこまで踏み込んで構成要素が増えたりすると、逆にコンパクトにまとまったゲームの良さが消えかねませんから。
奉行それはその通りだな。最後に、ストレスは感じなかったが、間がないゲームとも感じた。
与力間ですか?
奉行結構、1回の打ち間違いが大けがにつながるゲームなのよ。トレンドと評価カードで毎ラウンド目的が固められている分、下手打った時のリカバリーが難しいのね。一方で、そこに意図しないタイルが来てしまった時、それこそ引き運でこれはどうなんだっていうのが入ってきた時に、「一旦ここに置いて様子を見ておこうか」という遊びが許されないというか。
与力しゃがめない?
奉行とはいえ、そういうことをできるようにしようとすると、もっとタイルの枚数が増えないとも思うので、やはりゲームの大型化につながってしまうだろうなあ。
与力デザイナーの皆様のバランス調整の苦労がしのばれます。
奉行トータルで見ると、繰り返しプレイをしてハイスコアを取るために何度もチャレンジする、できるようになっているというのがキモかな。そういう点で見ると、大変な時間泥棒になり得るゲームだと思うよ。
奉行ダンジョンの中に人がいたりとか回復スポットがあったりとかセーブポイントがあったりすると、本当にホッとするよね。
与力露骨すぎると「あ、ボスかな」と思いますが、とんでもない長さのダンジョンをノーセーブで行かされたりした経験がありますとね、有難味が身に沁みますよね。
奉行なんとかファンタジー3だな、ウン。
2023年1月28日 追記
奉行さて、詮議をいたす。
与力はい、大切なルールをミスりました!
奉行早々に自白すれば助かると思うなよ。わざわざHEY!の広報様が心配してDMとコメントで丁寧に教えて下すったんだから、まずもってそれを有難く思えよ!
(以下、いただいた内容より一部引用)
①Dトレンドカードが公開されるタイミングはCトレンドカードと同じ、第1ラウンド終了時点です。 写真を見ると2ラウンド開始時点でD目標がめくられていません。 (D目標は第2ラウンド時点で視野に入れておかないとクリアするのは至難だと思います)
与力全くもって大変申し訳ございません。その通りでございまして、記事内に「2ラウンド目開始時」として掲載しておりました、D目標だけがめくられていない写真は不要となります。誤解を生じぬよう、修正いたしました。
奉行そんな状態では「クリアするのは至難」と仰ってるぞ、ん?
与力先の見通しが立つ立たないは大きいですから…。得点の伸びも大きく変わりますね。
奉行とはいえ、プレイ時に奇跡的にもD目標はクリアできていたんだよな、2人とも。
与力相当なレベルで運が良かったんでしょうね。先が分かっているのと分かっていないのでは、展開も得点の伸びも全然違いますから。
奉行やれやれ、じゃあ再プレイだ。それとお主、次回のゲムマで菓子折のひとつも持って、きちんとお詫びにうかがうのだぞ。
与力七重の腰を八重に折り、平身低頭してまいります。