『ルイス・クラーク探検隊』を遊んでみた
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与力藩の買掛担当。案外とテレビっこ。ちなみに2016年の大河ドラマでも竹槍見て大はしゃぎしています。
奉行藩の決裁担当。子供の頃は全然テレビを見ない習慣だったらしいです。
与力お奉行、探検隊ですよ探検隊!
奉行なんじゃ、その方やけに嬉しそうじゃな。
与力探検隊と言えば、どうしてもこの曲になるじゃないですか?
奉行「なるじゃないですか?」と申しても、わしは知らんぞ。後継の『藤岡弘、探検隊シリーズ』も観ておらん。
与力お奉行はそうでも、世間一般的には探検隊と言えばこのイメージですよ。でもですね、今回の『ルイス・クラーク探検隊』は、こんな感じではないんですよ!
奉行いや、じゃから「ないんですよ!」などと言われても。わしには元々そういう先入観が無いから。それから、巷間の探検隊への認識がそうとは限らぬと思うのだが。
与力いやあ、どんな探検になるんでしょうね!?
奉行やれやれ、聞かぬか。面倒くさいのう。
さて、戯れはともかくとしてゲームを開始しましょう。まずはゲーム開始時、各プレイヤーは初期人物カード6枚、プレイヤーボード、初期資源(毛皮・食料・道具トークン各1)を受け取ります。
黄色が毛皮、赤が食料、灰色が道具、茶色が木材を表しています。
与力で、ゲームの目的はですね。
奉行先着が勝利か?
与力その通りです。ですから、あまりゆっくりはできませんね。
探検のために その1. 探検隊員を働かせる
探検隊に参加しているメンバーは、それぞれに能力を持っています。これを活用して資源を獲得したり、あるいは偵察隊を移動させることで、探検が進行します。
与力具体的に手札として持っているカードにどう働いてもらうか、ということですが…
与力右が探検隊長のルイス大尉。左はその飼い犬であるシーマンです。
奉行犬も探検隊員に数えられるのだな。
与力このカードの左肩に書かれているのと同じだけの“体力”を消費してあげると、隊員はその下にある“能力”を発揮できます。ルイスの場合には偵察隊の移動、シーマンは食料の入手ですね。
奉行ふむ?
与力で、体力はどうやって消費するか、というと…
他の隊員を裏返しにして、左側に書かれている赤い人型アイコンと同じだけの体力として使うか…
探検隊を助けてくれているネイティブ・アメリカンの皆さんのトークンを使います。
奉行つまり、隊員は「自分の能力を発揮する」係であると同時に、「他の隊員の能力を発揮させる」係でもあるということか。
与力そんな感じですね。因みに、先ほどの例でいくと、ルイス大尉とシーマンの組み合わせは、どちらかの能力を1回発揮させることができる訳です。また、ネイティブ・アメリカントークンや、体力の高い隊員のカードを組み合わせて使うことで、能力を複数回発揮させることもできますよ。
奉行これは隊員同士の相性が重要となってくるようじゃな。
与力で、使ったカードとトークンは、自分の前に置いておきます。これはキャンプが行われると、また使えるようになりますので。
獲得した資源は、探検隊に必要な舟や馬の入手、あるいは新しい隊員の雇用などに使われます。また、偵察隊が移動することにより、探検隊は西海岸へと近づいていくことになります。
探検のために その2. ネイティブ・アメリカンとの友好
与力探検隊が進んでいくためには、ネイティブ・アメリカンの皆さんとの関係は欠かせません。
奉行確かに。体力の肩代わりをできるというのは大切じゃ。
与力実はそれだけではなく、彼らの村へトークンを派遣することで、援助をしてもらうことができるのです。
奉行ほう?
ボード上には、ネイティブ・アメリカンの村が8つ描かれています。それぞれの村にトークンを置くことにより、各種の資源の入手や、特別なアクションを行うことができます。
与力いろいろな組み合わせで資源をもらえる、というのが有りますが、中でも大切なのは、資源を使って交換できる「丸木舟」と「馬」ですね。
奉行偵察隊が移動するために必要なものじゃな?
与力はい。例外はありますが、大体の場合、偵察隊の移動をさせる人物の能力を使用した場合、そのためのコストとして川なら舟、山なら馬を要求されます。
奉行他はどうじゃ?
与力探検隊の運搬能力を向上させる「ボートタイル」の獲得や、手札にある人物カードの廃棄なんかは重要でしょう。
奉行探検隊の能力が上がるのは分かるが、人物を放逐するのは必要なことなのか?
与力結構大切なんですよ、これが。あ、それからですね、隊員の体力として使ったトークンはそのまま隊に残るのですが、村へ派遣したトークンは帰ってこなくなります。使い捨てです。
奉行なんと。では計画的に用いねばならぬのう。
与力トークンを補充したいときは、ネイティブ・アメリカンを雇える能力をもった人物を使ってくださいね。
探検のために その3 雇用
与力人物の能力を使う、あるいは村で物資を手に入れるというのは、メインアクションになります。プレイヤーは順番にそのどちらかを選んでプレイしていく訳ですね。
奉行ふむ。
与力ですが、これから説明する二つの項目は、任意です。メインアクションを行う前か後、好きなタイミングでやってもいいですし、やらなくても構いません。
奉行なるほどのう。
与力で、雇用なのですが…初期の6人は、それぞれ最低限必要な能力を補完しあっているのですが、必ずしも優秀という訳ではありません。
奉行ふむ。
与力そこで、新しく人物を雇い入れる必要が出てきます。
右端の方に人物カードが並んでいますが…
人物を雇い入れるためには、決められた資源(毛皮と道具)を消費する必要があります。この時、手札にある隊員カードを裏返し、下部に書かれている量の道具として消費することもできます。
奉行ここでお別れ、か。
与力そうなります。ですが、探検隊に新陳代謝は欠かせません。
探検のために その4 キャンプ
このアクションを行うと、使用した人物カードとネイティブ・アメリカントークンが手元に戻ります。そして偵察隊がキャンプより前にいる場合、そこまでキャンプを移動させることができます。
与力使用した隊員はここで戻ってくるわけなんですが…
奉行つまり、使っては野営、使っては野営、ということになるのであろう?
与力そこに落とし穴があります。
探検隊はより多くの人員、資源を保有していると、行動が緩慢になる可能性があります。ミニボード上で太陽と月が合体したようなアイコンが表示されている場所に資源を積んでいた場合、その分だけ移動のペナルティを受けます。また、キャンプを行った時点で手札にカードが残っていた場合、その枚数だけやはりペナルティを受けてしまいます。
与力資源の過積載は行軍速度を遅らせ、仕事を与えられない隊員は不平不満を口にするので、それをなだめたりしないといけないので時間がかかる、という感じですね。
奉行具体的にはどのようなことが起きるのか?
与力ペナルティを受けた分、偵察隊が戻ってきてしまいます。先行していたのに本隊がこないから戻ってきてしまった、という所でしょうかね?
奉行ということは、本体が全く進めなくなる恐れも?
与力あります。
奉行ということは、手元にいる隊員には全て仕事を与え、資源はできるだけ使い切ってから野営をせねばならぬということか…
与力ですので、人が多いのも良し悪しなんですよね。優秀な人を確保できそうなら、それ以下の隊員とはお別れしていく必要がありそうです。
というわけで、熾烈なレースの末、与力率いる探検隊が先着勝利!
与力途中で馬が必要になった登山は、食料の力で何とかしました。やはり肉ですよ肉。グッドプロテイン!
奉行ぐぬぬ。あと一手早ければ勝てたのにのう。無念じゃ。
ルイス・クラーク探検隊【ここがイカス!】
与力2013年の発売ということで、ちょっと前のゲームでしたが、いかがでしたでしょうか。
奉行面白い要素がこれでもかと詰め込んであるな。
与力そうですね。いろんなボードゲーム、カードゲームの要素の面白い部分が、少しずつ味わえるようになっているように思います。
奉行それでいて崩壊はしておらん。
与力バランスは取れているようですよね。食料の私に対して木材・丸木舟のお奉行と、攻め方は違いましたが結果は一手差。どう攻めてもうまく収束するようになっていそうです。まあ何度かやってみないと分かりませんが。
奉行いろいろやりくりして新たな挑戦をしてみたくなるな。人物を上手く隊に組み入れて探検の計画を立てるのは、かなり面白いぞ。
与力その人物たちの顔、名前が全て異なっているのも大したものですよね。
奉行歴史を主題としたゲームゆえに、こういうこだわりはうれしいものだ。
与力全キャラ固有グラフィック採用、という歴史SLGって感じですか。
ルイス・クラーク探検隊【ここはちょっと…】
奉行遊ぶ時間は結構長くなると思うぞ。
与力ほほう、それは何故に?
奉行資源の入手などで、他人が使用した人物の能力が関係してくる場面がある。となると、相手が打つであろう手を考え、それをさせないように自分の最良手を考え…と、しっかりと考える傾向の者であれば、長考気味になるのは避けられぬのではないか?
与力あー。それはあり得ますね。今回は2人プレイでしたが…
奉行説明書によれば、人数が増えると両隣の者が使った札が、自分の資源入手に関係するとか申しておる。考える要素が増えるほど、時間も長くかかろうよ。
与力確かにありそうです。
奉行それから、慣れている者と慣れていない者の間に差は大きくなる。
与力運は若干量程度しか影響しなさそうですからねえ。
奉行特に多士済々の人物、それぞれの能力を人通り把握しておるような者と、初めて遊ぶ者では、計画立案に大きな差が出よう。
与力前者は出てくるであろう人物をアテにして計画を予定することもできますものね。
奉行実際に出てくるか出てこないか、というところだけは運になるがな。
与力まあタイルの内容を把握している人といない人で遊ぶ『カルカソンヌ』には、大きな差がつくのと同じですね。
奉行そういえば、何やらルール訂正があったと聞いたが?
与力あ、はい。こちらをご参照ください。参照サイト:『ルイス・クラーク探検隊』待ちハメ問題のコト(ホビーゲームジャパン)
奉行そんな禁じ手があったのか…。
与力詳細は分かりませんが、よく見つけたなあ、というヤツですね。
与力実はオレゴン州にルイスクラーク州立大学というのがあるんですよ。昔、読売ジャイアンツにいたマット・ランデル投手が、そこの出身ということを選手名鑑で読んで、覚えてたんですが。
奉行その方は役に立たぬことばかり実によく知っておるのう…。