チケット・トゥ・ライド:北欧の国々(ボードゲームプレイ感想編)

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『チケット・トゥ・ライド:北欧の国々』を遊んでみた

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【登場人物】

与力藩の買掛担当。北欧といえば?「シュールストレミング。名前だけで結構です……の代名詞」

奉行藩の決裁担当。北欧といえば?「ムーミントロール」

【2018/03/22 追記】
本記事において、ルールの適用漏れがあったことをコメントにてご指摘いただきました。ルール確認に不備がありましたことを、深くお詫び申し上げます。詳しくは、こちらからご参照ください。

小さいけれども大きな変更点

奉行うーん、これは一体、何と読む地名なのか……?

与力ううん……? コペンハーゲンとか、超有名都市はなんとか分かるんですけれども……。

日本語版ですが、マップの都市表記は日本語になっていません。これは行先チケットを確認する上で、若干、不便かもしれない所です。奉行いわく「博物館や資料館などの子ども向けコーナーによく見られる、”スイッチを押すとマップ上の経路が光る装置”を導入したいと思った」そうです。

さて、ゲームは基本的に『チケット・トゥ・ライド』の手順なのですが、少しだけ変更が加えられています。しかし、この変更がゲームに大きな影響を与えます。

1. SLカードの取り扱い

虹色に輝くSLカードは、基本ルールでは「列車カードを取る」際に制限枚数が有りましたが、この『北欧』ルールでは、その制限がありません。従って、自分の1回の手番中に2枚引くことも可能です。ただし、線路マスをつないで列車コマを置く際、通常のルートをつなぐために、SLカードを使うことはできません。

奉行ぬっ、SLカードが便利なジョーカーカードではなくなった、と申すか。

与力そうなりますね。SLカードは「トンネル」か「フェリー」のルートをつなぐときにしか使うことができません。

チケット・トゥ・ライド:北欧の国々
赤がフェリー、緑がトンネル。

奉行フェリーは描かれているSLマークと同じ枚数だけ、SLカードを出せ、であったか。

与力トンネル区間を抜けたい場合には、“ルール通りカードを出した後、山札から3枚のカードをめくります。その中に自分が出したカードと同じ色のカードが混ざっていた場合、さらにその分だけ余分に手札から同じ色のカードを出さなければなりません。”ということになります。

奉行トンネルを通る時には、SLカードを含むセットを使ってよい訳じゃな。

2. 最長路線ではなく、行先チケットの枚数

基本ルールでは、一筆書きで最も長く線路を繋ぐことができたプレイヤーに、最長路線のボーナス得点が与えられました。ですが、『北欧』ルールでは、最も数多くの行先チケットを達成できたプレイヤーに、グローブ・トロッターのカードが与えられて、ボーナス得点が入ることになります。

チケット・トゥ・ライド:北欧の国々
グローブ・トロッター、つまり“世界旅行者”

奉行ふーむ。つまり相対的に行先チケットの達成への比重が大きくなってくる、と。

与力長いルートを達成することを狙ってゲームを進めるのが、SLカードの用途制限で難しい部分も有りますから、自ずと行先チケットを達成していくことが、得点を増やす早道になってくる、ということもありますね。

奉行よし分かった、では遊んでみるとするか。

チケット・トゥ・ライド:北欧の国々

奉行ふむむ。南側は短いルートが多いが、これを繋いでいかないと、行先が達成できぬか……。

細かく2マスの路線ばかりにコマを置いていく与力、一方でどこへ伸びるのか一見分からない配置の奉行、という序盤の戦い。

奉行お主、もそっと長い路線を狙わぬのか?

与力いや、あのですね、ええっと……あ、無理です。

チケット・トゥ・ライド:北欧の国々

奉行遠回り、遠回りを強いられるようにせぬとのう!

厳しい路線の取り合いを制した奉行が、それなりに理想的な形でルートを完成させ、行先チケット7枚達成&グローブ・トロッター獲得。一方、中盤にひたすらカードを引くだけの行動になっていた与力は、達成できないチケットもあって、ダブルスコアで奉行に敗北となりました。

与力えっとですねぇ、なぜ負けたかは、この後に語りましょうか。

奉行ほう、敗軍の将が兵を語るか。

『チケット・トゥ・ライド:北欧の国々』【ここがイカス!】

奉行いやしかし、まさかSLカードの使い方が変わるだけで、これほど厳しい勝負になるとは思わなんだ。

与力最初、「その右上の9マスルートを完成させて、27点取れば勝利じゃな」などと申されておりましたが、そうでもありませんでしたか。

奉行SLカードで一度に使うカードを増やせないと、なかなか一色で9枚は揃わぬものだな。9枚ならずとも、5枚とか6枚とかでもなかなか思うようにはいかぬ。カードの使い方が実にシビアになる。

与力路線の配置も結構イヤらしい感じなんですよね。先に相手に封じられてしまうと、すごい遠回りを余儀なくされるルートもある。そうすると行先チケットもなかなか達成できませんしね。3人プレイだと、もっと厳しくなってくるのかなあ。

奉行こういっては何ではあるが、チケライにしては慎重なプレイを求められるゲームであった。

『チケット・トゥ・ライド:北欧の国々』【ここはちょっと……】

与力まずは、こちらの写真をご覧ください。

チケット・トゥ・ライド:北欧の国々
ゲーム終了時の与力の手札

奉行な、なんちゅう分厚さ……山札じゃないよな? ずっとカードばかり引き続けていると思ったが。

与力行きたいルートを奉行に封じられて、別のルート行こうと思ったら、どこ行くにしてもどの色も1枚足りないまま。でも、SLカードがジョーカーとして使えないじゃないですか。てわけで、まあよほど運が悪い状態がずっと続いた結果なんだと思いますが、カードを引くしかできることが無くなり、ゲーム中盤はずっとカード引くしかなかったんです。

奉行チケライで持ち前の引き運の悪さを発揮するとは……それが敗北につながった訳か。

与力そういうことなんで、運の悪い所にはまり込んでしまうと……こんな時間を過ごすことに……なります。(途方に暮れた目)

奉行な、なんか……大丈夫か、元気をだせ。わしは……そうじゃな、勝つには勝ったが、路線を引くのに結構苦労しておる。チケライで一気に長い路線を引いて得点する爽快感が好きな身としては、「このマップでそれを狙うのは危険」と言わざるを得ないかな。もちろん、厳しい鍔迫り合いをこそ楽しみたい、というのであれば、このマップはよい選択じゃ。

チケット・トゥ・ライド:北欧の国々
みんなを応援してくれる、どこかのおじさん。

奉行それにしても、地名の分かりにくさはインドマップとよい勝負じゃな。

与力リレハンメル五輪って、いつやったんでしたっけ?

2018/3/22 追記:与力、大チョンボ

奉行さて、此度当奉行所に、G_Beta殿より斯様なコメントを頂いたので、ここにご披露申し上げる。

「9マスルート、ならびにフェリールートの”特例”を適用するとまた手札はもう少しはけやすいでしょう…。
・特例 一、Murmansk-Lieksa間の9マスルートは、任意(機関車含む)の札4枚をワイルドカードとして適用できる。(たとえば、緑7枚その他8枚、など)
一、各フェリールートは、任意の札3枚を機関車の代用として適用できる。 ぜひお試しあれ。」

奉行与力よ、いかに。

与力はっ、説明書を確認いたしましたところ、「都市間のルートをつなぐ」の部分に、左様な特例が有ること、書かれておりました。私の見落としでございます。

奉行これでは全くゲーム性が変化する。痛いルール間違いではないか。

与力はい……。列車カードのやりくり先が見つかりますので、これならば悲し気にひたすらカードを引きまくる、とか言うプレイは、そう発生しないであろうと思われます。

与力で、なぜ、このようなミスをしたか。

与力SLカードのルールの方に気を取られて、通常カードの扱いが変わったことに気が付きませんでした。凡ミス以外の何物でもありません。

奉行やれやれ。よいか、慣れたシリーズのルールだからという安心感が、説明書を適当に読み飛ばす油断を生じさせたのよ。

与力ちょっと運転に慣れた頃に事故を起こしやすい、という自動車事故のケースと同じですね。エヘヘ、エヘ……。

奉行上手いことでも言ったつもりか、たわけめ!! かかる失態が続けば、以後「エアプ」などの誹りも免れまいぞ。きつく叱りおくゆえ、以後きっと用心致せ。また、罰として欲しがっておった『レイダーズ・オブ・ザ・ノースシー』購入の件は棚上げといたす。よいな。

与力ハ、ハハーッ。

奉行後、早めに再度プレイをするのだ。

与力御尤もです。

奉行大切なコメントを下されたG_Beta殿には厚く御礼を申し上げます。今後も与力めに至らぬ点がございましたら、何卒厳しくご指摘くだされたい。

与力まこと大変に、有難うございました。