音速飯店(ボードゲームプレイ感想編)

ボードゲーム愛好

『音速飯店』を遊んでみた

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【登場人物】

奉行藩の決裁担当。つい頼んでしまう中華麺と言えば?「どうしてもトンコツに手が伸びてしまうのだ…」

与力藩の買掛担当。つい頼んでしまう中華麺と言えば?「ついつい五目麺を頼んでしまいます」

中華は火力

奉行おお、料理長、いつもお世話になっております。

与力そんなに常連客なんです?

奉行やめろよ、常連だと思っていったら「誰?」って顔された気持ちになるツッコミは。このゲーム楽しいんだよなあ。しかし、ちょっと見ないうちに相当繁盛したんだな。店構えがだいぶ変った。

与力そうですね、見た目は大きく変わりましたね。あと、ルールの変更はほとんどありませんが、グランドメニューにも多少の変更がありましたんで、ちょっとそこら辺を確認しながら、遊んでみましょうか。

奉行おう、よろしく頼むぞ。

変更①:ルールは“音速厨房”

『音速厨房』では、スピードゲームの“音速厨房”、手札を揃える“気紛賄飯”、神経衰弱である“美食衰弱”と3つのルールを遊ぶことができましたが、『音速飯店』では、後者2つは応用ルールとして扱われており、基本的には“音速厨房”で遊ぶことが基本となっています。

奉行なるほど、説明書付属のQRコードを読みこむと、応用ルールがダウンロードできるのね。

与力特に“美食衰弱”は面白いですから、ぜひ遊んでもらいたいと思っております。個人的に。

変更②完成するメニューの違い

音速飯店
味を想像してしまう文字列。

『音速飯店』でカードの組み合わせによってゲーム中に完成する料理は、以下の通りです。
ラーメン シオラーメン ミソラーメン チャーシューメン タンメン タンタンメン チャーハン エビチャーハン テンシンハン シューマイ エビシューマイ サンラータン

『音速厨房』では、以下の通りでした。
シオラーメン ミソラーメン チャーシューメン ワンタンメン タンタンメン ハンチャーハン テンシンハン テンメンジャン ギョウザ

奉行原作では「3枚で1メニュー」だったところ、今作は「2枚で1メニュー」のもあるのだな。

与力ラーメン、タンメン、チャーハン、シューマイあたりがそうですね。3枚1メニューだと、作れずに手札に余るカードが出てきていた部分への対処ということでしょうか。あと、謎の「テンメンジャン単品注文の客」が来なくなりましたね。

奉行ああ、テンメンジャンだけ出すという、裏メニューというか、何か仄暗いものを感じさせる部分が消えたのは残念だな。

与力そこまでですか? あと、大きな変更として、1枚で完成していたギョウザが無くなり、その役割をとりけしカードが担うことになりました。

奉行他のメニュー作ってるときに、急にギョウザが飛び込んでくるのは楽しかったけどな。より分かりやすくってことかな。

音速飯店
よろしく、オーダーキャンセル

もやしを見習うべきだ

奉行で、ゲームの内容だが。

与力はい。まずカードを全部配りきります。そして全員の準備ができたら、一斉に自分の前のカードを取り、誰でもよいので、料理の始まりになるワードのカードをトレイに投げ込みます。そしたらその料理を完成させるように続くワードのカードを投げ込んでいきます。一品完成したら、次の料理の始まりカード、という形で、手番順などはありません。それからとりけしカードは料理を作っている間に出すことができ、料理をキャンセルすることができます。

奉行オーダーキャンセルで、改めて始まりのワードを出すことになるんだよな。

与力はい。そして手札をすべて出しきれたらあがりとなります。

実際のプレイ風景

音速飯店
えーと、どれだどれだ、となる。

奉行ふむ。ん、あがり…?

与力はい。原作の方では、「カードをいち早く出し切った人が、次の料理長(一番最初にカードを出すプレイヤー)になる」という、ゲームごとにスタートプレイヤーを変えていく方式だったんですね。

奉行そうだった。「料理は愛情!」とか言ってな。

与力今回は、1回のゲームを1試合として、手札を出し切れた人から順に抜けていくシステムになっています。それで、「最後の1人だけが残る」か「誰も出せるカードが無くなってしまった」状態になったら試合終了。残っていたプレイヤーは脱落者となります。そして抜けられたプレイヤーだけで次の試合を開始します。これを繰り返して1人だけが抜けられたら、その人が優勝、というルールになっております。

奉行あー、基本的には最後は「1vs1」になるような形なのか。料理の鉄人みたいに。

与力それは分かりませんが、競技志向が強くなったかもしれませんね。

『音速飯店』ここがイカス!

奉行音速厨房ルールが遊びやすくなった。物理的に。

与力物理的にですか。

奉行まあ、コンポーネントの勝利よね。原作は四角いカードが手に刺さったし、投げ込む場所は無くてテーブルの真ん中にどんどん重ねていく方式だったからね。時々崩れてどれが一番上か分からなくなってた。

与力自分でダイストレイとかを準備する必要がありましたね。

奉行カードを円形にして投げやすく、そしてカード受けとなるトレイを同梱したことで、投げるポイントが明確になった。投げ込み失敗の判定もしやすくなり、良いことづくめだ。ちょっとだけカードの文字が小さくなったのは、町中華屋もメニュー周りのデザインが洗練されたなあ、ということで。

与力ゲームとしてはどうですか?

奉行これは非の打ち所がないと思う。ま、もともと面白いゲームだと思っているからね、わしは。

『音速飯店』ここはちょっと…

奉行残った1人が優勝する勝ち抜きラストマンスタンディング方式ルールは余計かも知らんな。

与力ですかねえ。はっきり勝敗がついていいんじゃないですか。

奉行ゲームが完了するまで長いと感じたり、抜けた人が暇になるという問題もついて回る。まあどうしても「白黒勝敗をつけたい!」というメンバーなら同梱ルールで、そうでなくて勝ち負けこだわらず、ゆるゆると楽しく遊びたいなら原作ルールを採用してもいいくらいじゃないかな。

与力なるほど。その辺りの懸念は、脱落者が出るゲームの常ではありますね。

奉行あと、対応年齢6歳からになっているが、4人プレイくらいまでだと、それくらいの年齢の子どもは、初期配布枚数のカードを持てない、繰れない、という問題があった。子どもによるんだろうけどな。

与力ああ、手のサイズと力的な問題ですか。それで素早く目当てのカードを選んで出すというプレイができないと。

奉行なので、全部テーブルに表向きに並べさせて、そこから出すカードを選ばせる方式で遊んでみたが、まあ、子供なのでカードを上からわしづかみにするよな。カードの耐久性が心配になったわ。

与力こういうゲームの常ではありますね。

奉行そこは消耗品と割り切ってガンガン遊んだ方がいいかもね。

音速飯店
二店舗そろって。

与力ところで、先ほど突然「子どもと遊んでいる」的な話が舞い込んでまいりましたが?

奉行ああ、本当に偶然なんだが、親類縁者と縁があってな。まさか「やる!」って言われるとは思わなかったんだが…。なかなか楽しかったんだが、「君、サンラータンとか知ってるの?」とは思った。

与力あんまり子ども向けの食べ物とも申せませんからね。まあ、言葉の響きが面白くて叫んでいるかもしれないですね。