第三十回 KYOTOミレニアム
荒野を耕し 野武士の群れと戦い 無数の生と死を繰り返しながら 人は生き延びていた……
だが頼るもの縋るものなく生きていけるほど人は強くない 人は明日への希望を探した……
大友宗麟は救世主の降臨を説き 信じた人が集い 都ができた
かつて……二条御所と呼ばれた所に……
15XX年
かくして京は KYOTOミレニアムとなった
越後・新発田城―1584年からの戦略―
ふむ、越後制覇は完了か。ではM&Aに成功した米沢城へチームを送り込んで、東北にシェアを伸ばしていこうか。ところで、他のエリアは大丈夫かい?
甲斐親直「はあ、安房の方では元徳川家の武将たちが頑張っておりますな。榊原康政、酒井忠次、大久保忠世辺りが次々と北条の残党を攻め立てております」
角隈石宗「立花軍団本隊は相模を攻略し、武蔵へ入っております。上州を攻略した織田信長は、さらに東進して下野を攻略中ですな。これら三勢力は、このまま北上させ、常陸、磐城を目指せばよろしいかと」
龍造寺隆信「まあ何気に東北に最初に手をかけてるのは俺たちなんだよな。関東で暴れている連中が北上しやすくするために、伊達と最上をここらで一発ガツンとやっておきたいところだぜ」
……よし、では最上の山形城をターゲットにして仕掛けてみようか。私が出る!
―出羽・山形城―
宍戸隆家「将軍家御自らの御出馬とは恐れ入ります。この城攻め、正面大手口の先鋒は是非ともこの宍戸隆家にお命じ下され」
小早川隆景「それがいいですね(東北の果てまでわざわざ自分で足を延ばしてくるとは……意外と小心なのか、それともまだ我ら毛利家の者は信用されていないのか……)」
あー、その門は好きにやってみてください。私は……あっちにキャンプ張るから。じゃあ頑張って。
龍造寺「あいつら、あんたの城攻め見たことが無いんだったっけか? じゃあいい勉強になるんじゃないかな」
甲斐「……なりますかな?」
龍造寺「……ならねえかもな」
このゲームの城攻め、実はパターンが決まってくる。城のレイアウトがそんなに多くないからだね。今攻めてる城は山形城だけど、これはよく見る構造。外堀が内側に屈曲している場所の奥に二の丸の門があるので、上手いことそこに合わせて城外に築いた「大筒陣地」からの砲撃が、二の丸の門を破壊できるんだね。これでノーリスクで本丸への突破口ができる。
そしたら「土竜攻め」で城内へ入り込んでしまおう。二の丸の門は破壊済みなので、敵の抵抗を受けずに本丸の門へ迫れる。ここで龍造寺君の戦法「肥前の熊」を発動して門を叩く。さすが暴力的な彼の名を冠しているだけあって、構造物を破壊する速度が一気に向上するので、あっという間に門は壊れる。天守閣は目の前、もうカチカクよ。「肥前の熊」の効果時間が切れたら、親直の「詭計百出」を使ってもいい。体感だが、構造物の防御力にも効果がある……気がしている。イージーですね。まあ私の城攻めを止めたければ、ヴォーバン式要塞でももってこい、ってことですよ。
宍戸「な、なんという……」
小早川「……(なんだ、このむちゃくちゃは)」
いいかね、諸君。私が自ら前線にやってくるのは、それがオンスケで進めていくにあたって、あらゆる面で一番効率的だからなの。そこんとこ分かって、しっかり結果にコミットして下さい。
角隈「(……御屋形様はいったい誰に説明をなさっておられたのでしょうか」
甲斐「(……我々には見えない誰か、なのでしょうな)」
―???・1586年―
立花道雪「…………」
由布惟信「殿、思えば我らも長く戦ってまいりましたなあ。鍋島、長宗我部、高橋、それに島津辺りがよく張り切り、次々と城を攻め落としておるとか。あと、御屋形様も相変わらず最前線だそうで」
由布「先日は最上も滅びました」
立花宗茂「父上、また捷報にございますぞ。もはや大友家は敵なしにござります」
道雪「……宗茂よ。この父は命数を使い果たした。大友家による天下一統を見届けることなく果てるは無念である。だが、もはやその道の揺るぎないことを確信しておるゆえ、悔いはない」
宗茂「申し訳ございません、我らの進軍がもそっと早ければ……」
道雪「……よい。それより宗茂、聞きたいことがある。わしは今、武蔵の江戸城にて臥せっておったはずだな」
宗茂「いかにも」
宗茂「……惟信、これはどうしたことなのだ」
由布「おそれながら若殿、歴史イベントゆえに、メッセージが固定なのでございましょうな。殿、作り込みの問題でござるよ」
道雪「……なれば、已む無し」
立花誾千代「決意を新たにしたところで、ごめんなさいね。なぜか立花家の新軍団長は私らしいのよ」
宗茂「えっ」
―津軽海峡・1588年―
なんか、素っ頓狂な小話が発生した気がするけれど……。さて、気を取り直して、東北攻略についてはなーんの障害も無く進んだので、一気に時間が飛びました。我が主力軍団は現在、伊達政宗が逃げ込んだ蝦夷地を目指してます。
津軽側から私、下北側からは信長の軍が進軍中。総勢は……20万はいるっけ?
官兵衛「そうですな。東北攻めには60万を三段構えにして攻め込みましたから、今残っているのが、最後の三段目の備えにござる」
角隈「いやはや、まことに時間も距離も長い道のりにございましたなあ」
藤堂高虎「島津様、いかがなされまするか」
島津義弘「俺たちの主は神か大友宗麟だ。どっちもお前を助けちゃくれない!」
政宗「ぐっ、ならば籠城して最後の一戦を……」
だがしまったな、二連続でラスボスが伊達政宗になってしまった。マンネリ感も漂うが、地理的にはしょうがないか……。
甲斐「東北では必ず伊達が巨大化しますので。某氏のように時期がもそっと早ければ、南部晴政あたりが敵対したやもしれませぬが……」
まあそうね、仕方がない。では皆さん、最後の戦と言うことになります。頑張っていきましょう!
政宗「俺の出番、これだけかよ……」
いやあ、足掛け37年くらい? ついに大友家が天下を支配するときが来ました。皆さん、目標達成、おめでとうございます!
義弘「素晴らしい、おめでとう!」
島津歳久「ちょっとちょっと、何で将軍に上からモノ言ってんだよアンタは」
島津家久「まあまあ、兄上らしいじゃない」
鍋島直茂「終盤は全然出番もらえなかったですけどねー。いいですけどー」
長宗我部元親「仕事はしていたのだ。そう拗ねるな」
高橋紹運「まこと、皆の力を併せて見事に完全撃滅を達成し、感無量にござる」
栗山利安「おめでとう!ございます!!よかった!!!」
藤堂「青史に名を垂れる大業を成し遂げられました」
蒲生氏郷「何事も主のお導き……」
本願寺顕如「ちっ、伊達もだらしない。もう一波乱くらい……(将軍家のご威光、まことに恐れ入りました)」
織田信長「祝着至極、である」
明石全登「各地の軍団長も祝賀のため、京に馳せ参じましょう」
おう、軍団長たち……一萬田、木脇、納富、吉岡、蒲池、川崎、それ以外の軍団長らも、よくコミットしてくれた……礼を言わなければ。
その疑問については、同意せざるを得ない。さておき、もう今まで尽力してくれた皆さんには感謝カンゲキ雨嵐、帰京したら祝賀&慰労パーティーを開いていきたい、なんて考えてますがね。こうして実際に天下の主となって、最後に一つ思ったのはですね。
角隈「なんでございますか」
甲斐「どのような思い出を語られるのか……」
龍造寺「おう、バシッと最後の挨拶をしてくれや」
官兵衛「どうぞ、御屋形様」
達成感はそんなに前のプレイと変わらなかったなあ、と。