- 【どんなゲーム?】
- 詳しい説明は、こちら「ボードゲーム開封編」をどうぞ。
- 【登場人物】
与力藩の買掛担当。お寿司は中トロが好き。あれ、でもこの寿司屋にマグロは……?
奉行藩の決裁担当。お寿司は白身が好き。後、納豆巻。意外(?)と食いしん坊ですね。
カードが回る寿司屋です
『すしごー』の基本ルールはとてもシンプルです。まず、プレイ人数に合わせて、各プレイヤーに手札を配ります。各プレイヤーは自分の手札の中から欲しいカードを1枚選び、全員が選び終えたら、それを場に公開して自分のものにします。残った手札を左の人へ渡し、右の人から渡された手札を受け取ります。これで1ターン終了。渡される手札が無くなったら、ラウンド終了となり、得点を計算します。全3ラウンド寿司を選び続け、総合得点が最も高い人が勝者となります。
奉行……おや、説明が終わったな。
与力1枚カードを選んで隣に渡す。それだけなんですよ。こういうシステムをトレーディングカードゲーム用語では、“ブースター・ドラフト”とか呼ぶらしいですが。
奉行カードを回すというのが、回転寿司屋で上流から寿司が流れてくる様子を再現しておるのだろうな。微笑ましい。
与力さて、では、何を食べれば、もとい、何を選べば寿司王になれるかということなんですが。
奉行その称号はだいぶダサいな。
とにかく沢山食べましょう
回っているメニューにはいくつか得点パターンがあります。それぞれの特徴を覚えることが、このゲームで勝利する近道かもしれません。
奉行ノープランで食べても、得点は低いということだな。
与力満腹にはなるかもしれませんけどね。
1. 数を食べたいメニュー
巻き寿司のカードには、上部に巻き寿司アイコンが描かれています。各ラウンド終了時、最も巻き寿司アイコンを集めていた人が6点、二番手の人が3点を獲得します。同数のプレイヤーがいた場合には、均等になるように得点を配分します。
奉行巻き物は結構腹に溜まるから、色々食べるなら抑え目にしておきたいが…
与力食べてください。あと、同着一番手がいた場合、二番手の3点は消滅します。複数人の一位が出たら、以降の順位は“一位・一位・三位”って感じで繰り下がるってことですね。
奉行しかしこれは、カリフォルニアロールなのかのう……?
天ぷらとお刺身は、それぞれ2枚ずつ、3枚ずつと揃えて獲得できると、得点を得られます。
与力天ぷらセットは5点、刺身セットは10点ですね。シンプルな形で得点を得られる二品です。ただし、セットにならなければ得点にはならないので、計画性も求められるでしょう。
奉行わしは年だし、揚げ物はいいかなあ。寿司を食べたいなあ。
与力さっきから何を言ってるんです?
ぎょうざは、集めれば集めるほど高得点が得られます。最大5枚で15点まで獲得できます。
奉行ついに中華料理が登場か。
与力まあ、昨今の回転寿司は何でも提供してくれそうですからね。
奉行しかし、回っているぎょうざはちょっとな……熱々を希望するぞ。
2. 一品メニュー
握り寿司は一枚で得点を得られます。ネタはイカ(3点)、サーモン(2点)、タマゴ(1点)の3種類です。
奉行わりとお値打ち価格なネタが人気なのだな。まあサーモンは好きだからよいが、もそっとヒラメとかアジとか中トロとか食べたいものだ。
与力この店はこのメニューでずっとやってきてるんですよ、きっと。
3. 特別メニュー
わさびカードは、次に獲得する握り寿司カードの得点を3倍にしてくれます。単体では得点になりません。
奉行ふむ、さび抜きであったのか。苦手な人も安心だな。
与力わさびはボーナスカードですね。次に握り寿司が回ってくるかどうか見計らって、準備しておきたいものです。
奉行イカなら紅葉おろしでも美味いぞ。
与力ないです。
おはしは得点になりませんが、手元に持っておくと、カードを公開する際に、「すしごー!」と叫ぶことで、おはしと交換に、手札からさらにもう一枚カードを選んで自分のものにすることができます。
与力おはしは好きなタイミングで二枚同時獲得ができるようになる、特殊カードって訳です。
奉行使ったら戻すのは、回るカード枚数を保つためなのだな。取り箸と思えば良いのだろうか?
プリンは、3ラウンドが終了した時点で得点計算が行われる特殊メニューです。最も多くのプリンカードを持っていた人が6点のボーナスをもらい、最もプリンカードが少なかった人が、6点のペナルティを受けます。
奉行何? プラス・マイナス6点とは結構大きいのではないか?
与力状況を見て、ちょくちょくプリンは食べておけ、ってことですね。
奉行寿司屋での勝負が、最終的にプリンで決着することも有り得る訳だな。
与力そもそもなんの勝負なんだかは分かりませんがね。
実プレイでは二度勝負して、二度とも奉行の勝利。
奉行二人プレイの場合にはまた少しルールが変わるな。我らは説明書にある“二人プレイ時用のダミープレイヤー”を入れて遊んでみたが、なかなか面白かった。しかし、お主の手札運はないのう。
与力うぐぐぐ。引いていたのがどうしようもないカードってのは、どうしてもバレますね。
すしごー【ここがイカス!】
奉行回転寿司というテーマを、とてもうまく再現しているな。
与力手札を回していくのも、自分のところまで何が残っているのかドキドキする感じも、回転寿司っぽいですよね。
奉行そこら辺がゲームの駆け引きにもなっているな。どれを止めるか、取るかという。
与力相手の手を見つつ、邪魔をするか自分の手を伸ばしていくか、判断するのがポイントになってきますね。という意味では、案外と戦略が求められるかもしれません。
奉行パッケージ裏に書いてある「育つ力」が“戦略”と“可能性”ということだからな。ただ、「戻ってくるときにはアレが残っているだろう」と思ってカードを回しても、実際には自分の所に戻ってきてみると、期待していたカードは既に取られているというのは、人数が増えれば増えるほど発生するであろうから、そうなると戦略性というよりは可能性の方にかけるウェイトが大きくなりそうだなあ。
与力その時その時で良さそうなカードを取っていく、というのが結局いいのかもしれませんね。
奉行プリンを積み重ねていく適度な戦略性や、初手ぎょうざのようなプチギャンブルを楽しんでみて欲しい。
すしごー【ここはちょっと…】
奉行まあ要素がシンプルであるから、思いのほか盛り上がるところは少ない。
与力あれ、そうですか?
奉行分かりやすい大きな得点・失点要素がさほど感じられなかったせいかな。ある程度、場が整うまで淡々とプレイを続けることになるやもしれんな、と。
与力なんかちょっと寂しくありませんか?
奉行ネガティブな意味ではないのだ。これには個人差があると思うが、「あそこにはあれが入っていて、あいつはアレを取るから、そうするとこれを取れるので…」みたいにゲームに入り込めば入り込むほど、なんか黙ってしまう。だから、カード公開! 大笑い!といった部分は少なく感じる。しばらく回してから、「おい、寿司屋でプリンしか食わないのかよ!」「うるせー、お前はぎょうざばっかりのクセに!」「私のイカを取ったの誰よ!」という話題で盛り上がるかも、という。
与力それはなかなか残念な。
奉行いやいや、しかし「なんか後を引く感じ」というか、癖になるというか、そういう味はある。『5本のキュウリ』をやった時に近いかな。ゲームとしては全くベツモノだが、何となくもう一勝負いこうか、と続けてしまう雰囲気があるな。
与力それなら良かったですが、パーティー的なノリでパッと楽しむ感じではない印象を持たれた、ということですね。
奉行毎度言っておるが、あくまでわし個人の感想だ。テーマで言えば、ゲーム慣れしていない人にもとっつきやすいだろうと感じるしな。あ、それ以上に……カードの表面加工がすっごいスルスルする。すべる。プレイしていて一番気になったのはそれかもしれんなあ。
与力受け渡しが発生するゲームですから、カードをばらまかないように注意したいですね。
奉行しかし昨今の回転寿司はだいぶ侮れなくなっているよな。
与力注文システムとか、いろいろハイテクな技術が満載ですよね。
奉行……ハイテクという表現にお主の年齢を感じる。