『シルバー&ゴールド(Silver&Gold)』を遊んでみた
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奉行藩の決裁担当。宝探しといえば?「宝探しゲームなどすると、たまに見つからないまま忘れ去られる宝もあったよな…と思って検索してみたら、今は大人向けのイベントもあるんだな」
与力藩の買掛担当。宝探しといえば?「グーニーズですね」
得意な人は超得意なゲームシステム
奉行(カードを見ながら)こりゃあ、『テトリス』かな?
与力(ルールを読みながら)それかどうかはともかく、まあパズルゲームですね、これは。
奉行ふうむ、パズルと言えばあの、『アグリコラ』のローゼンベルグ氏が三部作出しておったのが最近話題だったな。あれはタイルを組み合わせていくボードゲームだったか。
与力そこで『ウボンゴ』って言わない辺り、ちょっと頑張って通ぶってますよね。
奉行うるさいわい。いずれにせよ、ちょくちょく見るゲームシステムな気がするのう。
与力タイル組み合わせてマップ作るのもパズルといえばパズルですしね。ともかく、遊んでみましょうか。
まず、各プレイヤーはペンとスコアカードを受け取り、自分の前に置きます。ラウンドカードは全員から見えるように場の中央に置きます。
更に全ての地図カードをよく混ぜて、各プレイヤーに4枚ずつ配ります。配られたカードを見た上で、各プレイヤーはその中から2枚を選び、自分の前に表にして置いておきます。選ばなかったカードはまとめて残りの地図カードの中に入れ、再びよくまぜて山札とし、上から4枚をめくって表向きにして並べておきます。
最後に、8枚の探検カードをよく混ぜ、裏向きの山札にして地図カードの列の横に置きます。最後にスタートプレイヤーを決めたら、ゲーム開始です。
奉行それじゃ、ペンを握りしめて宝を探しに行こうか。
与力どうなるか楽しみですね。
棒だよ、必要なのは棒なんだよ
ゲームがスタートしたら、探検カードが1枚ずつ公開されます。各プレイヤーはその探検カードに示されたパターンを確認して、同じ形になるように自分の前の地図カードにチェックを入れていきます。これを繰り返し、より多くの勝利点の獲得を目指します。
奉行要は「探検カードをめくるとブロックが落ちてくるから、それを自分の地図カードのどこかに上手くハマるように受け止めろ」と。
与力ミもフタもない表現ですが、大雑把に言えばそんな感じの進行ですね。
奉行こういう想像は大事だと思うぞ、個人的に。では、具体的な説明を頼む。
与力はいはい、分かりました。ゲームがスタートしたら、各プレイヤーの手番では「探検カードをめくる」「地図カードのフィールドにチェックを入れる」「得点を集計する」の3つが順に行われます。
①探検カードをめくる
手番プレイヤーは、探検カードの山札の一番上をめくり、表にして山札の横に置きます。
与力この探検カードに描かれたパターンが、次の手順で使われるわけです。
奉行上から落っこちてきたブロックの形じゃな。
与力これ、ラウンドカードの下の所に、8枚の探検カードにそれぞれどんなパターンが描かれているか、6種類全部が載っています。
奉行お……ということは、めくられていくと、ある程度は次のパターンの予想もつく、ということか。
与力そうですね。ただし、1ラウンド中には、8枚の探検カードのうち、7枚までしか使われません。
奉行なぬ。1枚は出てこないということか?
与力はい。7枚表にしたら、次のラウンドになりますので、探検カードの山を作り直すことになります。
奉行なるほどな、出てくる形が常に一定ではないようになっている、ということか。待ってれば必ず希望の形が出てくるでは、面白くはないものな。
②フィールドにチェックを入れる。
各プレイヤーは、自分の前に置かれた地図カードから1枚を選んで、①の手順で表にされた探検カードのパターン通りに空白のマスにチェックを入れていきます。
与力ここの処理がちょっとだけ色々あります。
奉行ちょっとなのか沢山なのか、ハッキリしてはくれんか?
与力まず、「パターンは回転させても、反転させてもよい」ということです。90度、180度と回してもいいですし、鏡像反転で左右を入れ替えてもよいです。
奉行おお、ボタンを押してグルグル回す的なことじゃな。
与力ただし、パターンを分解したり、1部だけ使ったり、組み替えたりして使ってはいけません。
奉行そりゃそうだな。それじゃパターンの意味がなくなる。
与力なお、まったくもってパターンが自分の地図の中に上手く落とし込めない、あるいはそのパターンは使いたくない、という場合には、「1マスだけチェックを入れる」という選択肢も有ります。
奉行ほほう、救済措置というか、パスの代わりというか?
与力そんなとこです。ちなみに、「1マスも埋めないでパス」は許されません。
奉行絶対にどっかチェックしろ、ということじゃな。粘って欲しいのを待つ作戦は駄目なわけだな。
与力地図には「×(バツ印)」「コイン」「ヤシの木」という3つのアイコンがあります。このアイコンのあるマスにチェックを入れることで、特別な効果が生じます。
奉行おう。「それらは積極的につぶしていけ」と、そういうことか?
与力うーん、どうでしょうね。順に解説しますよ。まず「×」にチェックを入れると、自分の持っている地図カードの任意のマスにチェックを入れて埋めることができます。
奉行ははあなるほど、ダブルアクションができるマスということか。
与力「コイン」にチェックを入れたら、自分のスコアカードのコインスペースのマスに印をつけることができます。
与力コインは最終的に勝利点になりますが、スコアカードのコインスペースを一列埋めるごとにボーナスの勝利点を貰えるので、できるだけ早く埋めていきたいですね。
奉行ううむ、やはり現ナマは重要か……。
与力最後に「ヤシの木」にチェックを入れると、それで勝利点1点です。
奉行ボーナス1点か。
与力それだけではなく、追加で公開されている地図カードに描かれた同じ「ヤシの木」アイコン1つごとに1点のボーナスが貰えます。公開されている地図カードとは、山札の横に並んでいる4枚のカードのことですね。
奉行なぬう、そんなところに勝利点の要素が!?
与力ただし、ヤシの木をチェックすることでもらえる勝利点は、1ゲーム中に4回しか手に入らないんですよ。ですから、どんな地図カードが公開されているかをよく見て、チェックをしにいくことが重要になると思います。
③得点の集計
②の手順で地図カードの全てのマスにチェックを入れることができた、あるいはスコアカードのコインを一列埋めることができたプレイヤーは、勝利点を獲得することができます。得点の処理は、必ずスタートプレイヤーから時計回りで順番に行います。
与力えっと、まず完成した地図カードは、横に置いておきます。ゲーム終了後の得点集計時に計算になりますね。
奉行なんだ、このタイミングでもらえる訳では無いのか。
与力そうですね、このタイミングでは完成させたカードに替わる新しい地図カードを、公開されている4枚の中から選んで取るか、山札から引くかして、補充することになります。
奉行ふうむ、では、コインの列は?
与力はい、ラウンドカードを見てもらえれば分かるんですが、トロフィーが6点から1点まで、6個並んでいます。コイン列を早く埋められた人から、高い点のトロフィーを貰って、スコアカードのトロフィー欄に勝利点として書き込むんですね。
奉行おお、コイン列の一番右端にあるトロフィーのところな。
与力で、もし同じタイミングで複数のプレイヤーが同時にコイン列を埋めた場合、スタートプレイヤーから時計回りに高い点のトロフィーを貰う、と、そういうことです。
奉行なるほど、そこをハッキリさせるための「スタートプレイヤーからの処理」か。ちなみに、トロフィーは6個だけ?
与力だけです。先着6名様ということですね。もちろん、1人が複数回貰っても構わないので、6回しかチャンスがない、という理解でよろしいのではないでしょうか。
奉行うむ、わかった。
以上の手順が終了したら、スタートプレイヤーが左隣に移動し、再び①から手順を繰り返します。探検カードの山札が7枚めくられたら、ラウンドは終了します。ラウンドカードの空欄にチェックを入れてラウンドの進行を記録し、探検カードの山札を作り直して、次のラウンドを開始します。
4ラウンド終了後、最終的な勝利点の計算が行われ、勝者が決定します。引き分けの場合には、完成させた灰色の地図カードが多かったプレイヤーが勝者です。それも引き分けであれば、緑、橙、紫の地図カードの完成させた枚数を比較して勝者を決定します。
奉行意外と計算する数字が多いな。
与力ですね。まあ、でもコインとヤシの木絡みの点は、今まで記入してきた数字プラス、コイン列につけたチェック1つにつき1点です。
奉行スコアカードを見て計算、計算……あとは地図だな。
与力はい。地図は左上に完成させた場合に獲得できる勝利点が書かれているので、それがそのまま点になります。あとは、カードの右上に封蝋マークが有る場合ですね。
奉行なんぞ追加得点が発生するのか?
与力ええ。「封蝋の色と同じ色の地図カード」を完成させていたら、『その枚数×封蝋のボーナス点』が手に入りますよ。
奉行つまり、プレイ中に封蝋付きの地図を完成させたら、狙う色が自然と決まっていくということだな。はあ、色々と選択肢があるもんだなあ。
奉行意外とパターンがはまって、結果につながったぞ。
与力うーむ。パスして1マスを選択し過ぎましたかねえ。
『シルバー&ゴールド』【ここがイカス!】
奉行うん、分かりやすいゲームだ。紙ペン……なのかどうかは分からんが、誰にでも親しみやすいゲームだと思うぞ。
与力1回やれば、だいたい勘所はつかめますね。
奉行まさに、想像した通りのパズルゲームだからな。ボーナスアイコンである「×、コイン、ヤシ」の木をどのタイミングでどう使うかという部分で考えどころもある。
与力トロフィーの早い者勝ちとか、競争する要素もあって、相手の様子が気になる感じも面白いですよね。この手のゲームは自分ひとりでコツコツになるイメージがあるんですが。
奉行確かにな。基本は自分の手に専念してベストを尽くしていれば、自然と結果はついて来るところなんだが、やっぱり皆で遊ぶからにはある程度、他プレイヤーを意識したい。
与力パズルっぽくて難しそうと思いきや、案外とストレスフリーな感じで地図も完成するんですよね。
奉行うん。パターンを回したり反転させると、うまいこと入ってくれるし、1マス埋めてパスで微調整もできる。多少手は遅れるので、乱発は考え物だけどな。
与力私は乱発し過ぎましたね。うーん、もっかいやりましょうよ。
『シルバー&ゴールド』【ここはちょっと……】
奉行他者との関わりはあるとは言ったが、ボードゲームとしてみれば、ソロプレイ感はかなり強いかなあと思うな。
与力そうですね。直接的な妨害はありません。
奉行インタラクションの要素はトロフィー、封蝋絡みの地図カードの色選択などか。無くはないが、まあゲームのキモは「パズルを上手くやれるかどうか?」だからな。
与力あと、テーマ性とかはどうでしょうか。
奉行うーん、無きに等しい。これが宝探しではなくて、倉庫に荷物を上手く並べていくゲームだと言われてもそれで遊べてしまうだろうな。
与力そういう実際にあるゲームを引き合いに出しますか。
奉行え、あるのか。まあなんだ、テーマ重視でこれを買う……ということは無いとは思うが、そこは期待してはいかんかな。
与力NSVの出しているゲームは、こういうフレーバーの薄いものが多いですね。
奉行確か『ザ・ゲーム』『マインド』『イリュージョン』とかのメーカーさんだよな。あれらもモノによっては一応なんかしら設定がついてたりした気がするが、完全に添え物だわな。
与力刺身の上に乗ってるタンポポ的な。
奉行そういやそういうゲームも有ったな。いずれにせよ、ゲームに雰囲気を盛り上げる要素を付け加えるよりは、システムの完成度で勝負するメーカーさんのゲームだ、ということなのかな。
与力ですね。遊びごたえは十分にありますよ。
奉行うむ、相当楽しいと思うよ。なんか「仕事を後回しにして、ずっと遊んでしまうアプリゲーム」的な趣は、ノンテーマゆえに醸し出されているのかもな。
奉行このペン、凄くいい。日本国内で同じものは手に入らんだろうなあ。
与力似た規格のは見つかると思いますが、無地の白というペンは、どうでしょうかね。
奉行インク切れたらちょっと悲しいなあ。