『音速厨房』を遊んでみた
- 【関連記事】
- 『音速厨房』の開封編はこちら
- 【登場人物】
奉行藩の決裁担当。好きな中華料理は?「チャーハンと山椒の辛さ抑えめの麻婆豆腐」
与力藩の買掛担当。好きな中華料理は?「エビチリです」
密着・中華料理屋24時
奉行中華食べたいなあ。
与力ゲームを見た最初の一言がそれですか?
奉行夜に遊び始めてはいかんね、テーマ的に。ともあれ、コンパクトなゲームだな。
与力はい、しかしコンパクトながら、なんと3つのルールで楽しめてしまうカードゲームなんですよ。
奉行ほう、それはオトクな。ラーメン・半チャーハン・ギョウザのセットみたいじゃのう。
与力すでに食べることしか頭にないんですね。
『音速厨房』は52枚のカードを使って「音速厨房(オンソクチューボー)」、「気紛賄飯(キマグレマカナイメシ)」、「美食酔弱(ビショクスイジャク)」という3種類のゲームを遊ぶことができます。
①音速厨房(オンソクチューボー)
奉行ゲームタイトルと同じ名前のルールじゃな。
与力これが看板メニューならぬ、看板ルールということになるかと思います。
「音速厨房」ルールは、各プレイヤーは配られた手札をいち早く使い切る速度を競う、トランプゲーム「スピード」系のゲームとなっています。全52枚のカードを参加するプレイヤーに均等に配り、料理長(スタートプレイヤー)が最初の1枚を出したら、そこから早い者勝ちで手札を出して、全9種類のメニューを完成させていきましょう。
与力“ミソ”が最初の1枚だったとしたら、“ミソラーメン”が完成させられるメニューになるので、誰でもいいから“ラー”、“メン”と手札から場に出していきます。
奉行あくまで1枚ずつだな。
与力で、メニューが完成したら、次のメニューの最初になる1枚を、やはり誰でもいいので場に出します。これを繰り返して手札を無くすわけですね。基本的には3枚組み合わせるとメニューが1個できる感じです。
奉行“ギョウザ”は?
与力ギョウザは1枚で完結しているので、メニューの間に1枚だけ投げ込むことができますね。
奉行ふむ…、忙しそうだな。
与力実際のプレイの雰囲気は、すごろくやさんの紹介動画が分かりやすかろうと思います。https://www.youtube.com/watch?v=yt4CkhrEwIQ
ゲームの方も、すごろくやさんでお取り扱いがございますね。
奉行おおぅ。すごろくやさんのこの種のゲーム動画と言えば、『ピット』の動画が楽しそうだったなあ。
与力地味に何かをアピールするような発言ですね。
~プレイ開始~
奉行ハン、ハンはどこだ! メシ持ってこい、メシは炊けているのか!
与力テンメンジャン単品頼むお客さんって、いったいなにがしたいんです!?
奉行テンシン…違う、これメンだ!
与力タンタンメン、ワンタンタン! タン!?
奉行ギョウザ!
与力くっ、ギョウザ返し!
奉行さて、手札が余ったのじゃが。
与力作ったメニューによっては、カードが余ることがありますね。その場合には全員手詰まりになった時点で、手札が少ない人が勝利となります。
奉行わし1枚、お主2枚だから、わしが勝利だな。
②気紛賄飯(キマグレマカナイメシ)
与力さて、興奮冷めやらぬところで第二ゲームです。
奉行なんか昭和から平成初期のバラエティー番組みたいな進行じゃな。
与力これは山札をめくっていって、いち早く手札からメニューを2つ作れた人が勝ち、というシンプルなゲームです。
「気紛賄飯」ルールでは、各プレイヤーには6枚の手札が配られます。手番がきたプレイヤーは山札をめくり、手札と組み合わせてメニューが完成したら3枚揃えて公開します。揃っても揃わなくても1枚カードを捨て、次のプレイヤーに手番を回します。これを繰り返し、メニューを2つ出せたプレイヤーが勝者となります。
奉行厨房の材料を集めて賄い飯を作ろう、的な。
与力「忙しい中華料理屋の厨房に昼が来た!」みたいな。
奉行ナニメシなのよ。ところで、ギョウザを引いた場合は?
与力ギョウザは対象外メニューなので、引いたらそのまま公開して、もう1回引き直しです。
~プレイ開始~
奉行こないなー、全然。
与力さっきから手札が同じワードで揃ってるんですよね。
奉行1個はすぐできるんだよな。手札が3枚に減ってからがキツい。
与力とにかく引くしかない…! タンタンテンとかにしかならないなあ。
奉行あ、ギョウザ…。
与力ここ、タンタンメンゾーンだなあ。違う待ちなんだけどなあ。
奉行きた、テンシンハンで2個目完成!
与力お、おめでとうございます。(残りの山札をめくって)ああ、私の当たりカードもそれだけでしたね。
奉行いや、シンプルに運が試されるルールじゃな。
③美食酔弱(ビショクスイジャク)
与力(カードを並べながら)では、最終ゲームに入ります。
奉行これは、もしかするとアレだな?
与力おそらく、ご想像の通りかと。
奉行うわー、色々遊んだ最後に、記憶系かぁー!
与力お若い方、あるいは常に記憶力抜群の方に補足させていただきますと、我々、なかなかそうもいかないお年頃でしてね。さて、やってみましょう。
「美食酔弱」ルールは、神経衰弱です。52枚のカードを裏向きに場に並べたら、スタートプレイヤーからカードを3枚選んでめくります。3枚でメニューが完成したらカードを獲得し、さらに続けて3枚をめくることができます。メニューができなかったら、次のプレイヤーに手番が移ります。これを繰り返して、最もカードを獲得できたプレイヤーが勝者となります。
奉行ギョウザは?
与力ギョウザは1枚でメニューになっているので、ハズレ扱いですかね、このモードでは。(編集注:この記述は誤りで、ハズレではありません。続く下にある「訂正」をご覧ください)
奉行ううむ、ギョウザを引かぬように、引いたら場所を覚えておくように…。
~プレイ開始~
与力えーと、「ハン」「シン」「メン」…違う。
奉行「テン」。お、できたな。「ハン」、「ジャン」。ん?
与力ははは、こっちですって。「テン」「シン」「メン」。あれ?
奉行お前、覚える気があるのか? 「ギョウザ」…。
与力お互い様じゃないですか。「ワン」「テン」「メン」…。
奉行なんか酔っぱらった人の注文って設定らしいから、そんな頼み方してもおかしくなさそうなのがな。
与力「すんませ~ん、ワンテンメンくださ~い、ヒック」みたいな?
奉行コントだな、ほんと。あ、また「ギョウザ」…。
奉行3枚揃える神経衰弱って、地味にきつい。
与力記憶系のゲームは、年齢を実感させられますね…。
訂正(美食衰弱ルールの"ギョウザ"について)
与力ギョウザの扱いについて誤りがございましたので、お詫びして訂正申し上げます。"表にあるメニューを完成させる"のが美食衰弱ルール。"3枚のカードでメニューるを作るもの"ではない餃子は、めくったら即座にとれるようです。で、改めてめくったカードが3枚になるようにする、が正解のようです。
奉行4手以上になる可能性がある、ってことね。
与力そこに気づかぬままのプレイ体験記だった、ということでひとつご容赦を。
奉行記憶力に衰えの見えてきた我々だが、さらに注意力まで散漫になってきたと。
与力気を付けます…
『音速厨房』【ここがイカス!】
奉行ゲームルールとしては、トランプなどでお馴染みのものをアレンジした感じなので、遊び始めるのに苦労はなく、すぐに楽しめると思う。
与力そうですね。カード1枚に収まる簡単ルールです。
奉行と、一口にいうのはこれまた簡単なのだが、どれもひねりの利いた非常に面白いゲームに仕上がっている。
与力ほう。それはどういう要素によって、でしょうか?
奉行まず、デザインかな。このフォントが微妙に可読性が低いよな。それが急かされた時に迷いを産む原因を作り、プレイヤーが泡を食っているオモシロシチュエーションが繰り広げられる。これはデザインの勝利じゃないかね。
与力そう言われてみると、確かに同じように見えちゃう文字がありますねぇ。テンだとおもったらシンだったり。
奉行かつ、テーマが中華料理ということで、選ぶのが“テン”とか“シン”とか“タン”とか似たような音なので、またこれも焦りを産む。という二重の仕掛けにより、看板ルール「音速厨房」は、かなり手強く、面白くなる。
与力まあなんか白熱しちゃうというか、笑いが漏れるというか。
奉行テンとかタンとかハンとか必死に叫んでいる最中にギョウザが飛んでくるとかね。なんか遊んでいると自然と楽しくなっていく系ゲームだ。
与力家族や仲のいい友達同士で過ごす夜の時間とかに、ちょうどいいスパイスになるかもしれませんね。
奉行ゲーム棚に1個持っておいて損はないゲームだよ。「音速厨房」ルールは、室内のムードを一変させる力を持っていると思う。童心…よりは中高生くらいの心に帰る感じかなあ。
与力私としては「美食酔弱」ルールが素晴らしいと思いました。
奉行いい歳の大人が自らの脳力の衰えに気づかされたな。こちらも、似た音をめくっていく、しかも似たような文字、という点で、なんかカードの配置が頭に入ってきづらいのが、とてもよい味になっていると思う。
与力3枚めくれ、ですしね。まあ必死に覚えれば、みたいな話も出るかもしれませんが…。
奉行力を抜いて遊んだほうが楽しいと思うよ。よく言われる「お酒が入ると楽しいゲーム」。みんなで楽しく飲んでいる合間、飲んだ後に遊んでみると、記憶がよりあやふやで、かなりいい塩梅に楽しめるんじゃないか。
与力子供と遊ぶと、絶対勝てないかもしれませんね。
奉行軽く絶望感を味わえるかもな。
与力という訳で、非常にオトクなゲームだと思います。おススメです。
奉行ルール、テーマ、デザインが見事に融合した、インパクトのあるいいゲームだ。
『音速厨房』【ここはちょっと…】
奉行遊んでいると、お腹が空いてくる。いかん。
与力夜中になれば特に、ですね。
奉行ちと中華を食べたいなあ、食べに行こうか、みたいな気になってしまうので、そこが最大の難点だろうな。
与力カップラーメンとか用意しときましょうかね。
奉行あとは説明書にも注意書きがあるのだが、カードの角が丸まっていないので、手に刺さるかもしれないよ、ということ。そして「音速厨房」ルールでは特にカードを激しく扱うかもしれないので、カードが痛んで早く消耗するかもしれない、ということかな。
与力耐久性は気になりますが、それはそれで、ゲームにとっては勲章かもしれません。
奉行スリーブを使うのも手かな。総じて、とにかく腹が減る。よし、では今から青葉新館に行こうか。
与力鳳林でもいいですよ?
与力「音速厨房」ルールの時、手札は配られた状態から並び替えない方がエキサイティングですかね?
奉行どうかなあ。並び替えたとしても、結局慌てることに違いはないんじゃないだろうか?
『音速厨房』のリニューアル版『音速飯店』が発売されています!→開封記事へ
『音速厨房』を購入するなら
Twitterアカウントはこちら。
Tweets by Sakuragoround
また、「すごろくや」さんで通信販売・店舗での取り扱い情報が見られるようです。