パレオ~人類の黎明~(ボードゲームプレイ感想編)

ボードゲーム愛好

『パレオ~人類の黎明~』を遊んでみた

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【登場人物】

奉行藩の決裁担当。原始時代の象徴といえば?「石で作った槍とか斧のイメージがあるな」

与力藩の買掛担当。原始時代の象徴といえば?「骨などで作った装飾品ですかね」

イカれた時代を生き延びろ!

奉行『ファークライ プライマル』じゃな。

与力そのゲームのことが好きなのは知っていますが、初手からそういう例えを出すのは止めましょう。

奉行すんません。ところで、原始時代ってのも古代ローマと並んでボードゲーム化されやすい気がするのう。

与力と、思うじゃないですか。しかしこのゲームは、考古学者の方がデザインした本格派原始時代を生き延びる、という仕掛けになっておるところが違いなのですよ。

奉行原始時代に本格派もカジュアルもあるのか……?

与力それを体感すべく、ゲームを準備いたしましょうか。

『パレオ』のゲーム準備を始めます。ゲームボード、作業台、墓場などを所定の位置に並べ、トークン、タイル類は種類ごとに一まとめにしておきます。注意が必要になるのは、カードの準備です。このゲームでは、基本のカードセットに、難易度に応じた「モジュール」と呼ばれるカードセットを追加して「基本の山」と呼ばれる山札を作ります。追加するモジュールごとの説明をよく読み、山札を作ったあとに、各プレイヤーにカードを配布します。最後に、人物カードの山からプレイヤーごとに2枚ずつカードを引いて、準備を終えます。

パレオ~人類の黎明~
難易度に関わらず、配置はこんな感じです。

与力山札は配りきります。場合によってはプレイヤーごとに配られるカード枚数が変わることもあるそうですが、そこは気になさらず、ということだそうで。

奉行ほっほう。ともかく、モジュールを入れるのは配る前、じゃな。

与力そうですね。具体的にどう準備するかは、付録がついてますので、それを見ます。

奉行モジュールは10個、おススメの組み合わせは7つなのね。

与力あと、配られたカードは中身を見ないでください。自分の前に山札としてまとめておきます。

奉行おおっと、危ない! 見るところだった!

多彩な武器とスキルで強くなれ

パレオ~人類の黎明~
ゲームスタート時の与力集団。さて、どうやって時代に足跡を刻むか。

『パレオ』はモジュールの組み方により、原始時代の様々な局面、そして様々な難易度のゲームを楽しむことができます。ただし、ゲームの目的は常に1つで、それは壁画タイル5つを獲得し、マンモスの壁画を完成させることです。

与力てわけで、立派なマンモスを描くために、我々は協力して生き抜かなければなりません。

奉行すごい勝利条件じゃな。よし、分かった。では、どうすれば壁画を描けるのだ?

与力それは……わかりません!

奉行なんじゃと!

目的は同じですが、モジュールによって、そこへ至るプロセスは常に変化します。何をすればマンモスを描けるか? それはゲームを進めていかないと分かりません。ですから、最初にプレイヤーが目指すのは、「手探りで周りの状況を確認しながら、生き延びること」であると言えます。

与力基本的には、「昼」フェイズと「夜」フェイズの繰り返しですね。

奉行交互にくる感じなのだね。

与力どちらかと言えば、比重は昼にかかってますね。夜はコストの支払いとかの処理フェイズ的な感じです。

奉行ああ、原始時代と言えばやっぱり食料問題的なものは不可避なのだろうね。なんとなく察してしまったよ、怖いなあ。

≪昼フェイズ≫

昼フェイズでは、配られた自分の山札から1枚を選んでアクションを行うことによって、生き延びるための食料や、集団を強化するための道具の素材などを手に入れることができます。しかしいいことばかりが起きる訳でもなく、各種の危機・難題も含まれています。

与力昼フェイズでは、まず自分の山札から3枚引いて、並べます。まだ中身は見てはいけません。カードの裏面を注視してください。

奉行ま……まさか、裏面を見て決めろ、とでも?

与力その通り。裏面にはそれぞれ「どこへ出かけるか」の指針となる絵が描いてあります。で、どこに行ったかによって、「何が手に入るか」が大まかに決まっています。

奉行あー……つまり、森に行けば木が手に入るし、山に行けば石材が手に入る。そういうことか?

与力いえ、あくまで可能性のレベルです。森に行ったら猛獣に遭遇し、山に行けば落石に遭う。そんなことだって十分にあり得ます。

奉行ひええ、まさに一寸先は闇、か。

パレオ~人類の黎明~
ネタバレ感の低いカードを具体例として示しておきます。

3枚のカードから1枚を選んだら、残り2枚はそのまま同じ順番で山札に戻し、全プレイヤー同時にカードを表にします。カードには取れるアクションと結果が書かれており、プレイヤーは相談してどのアクションをどのような順番で解決するかを決めます。

与力写真のカードだと、「(材料が足りれば)道具を1つ作る」、「集団の洞察力1以上あれば先見のカードを1枚山札に加える」、そして「誰かのアクションを助ける」のどれかを選んで実行します。

パレオ~人類の黎明~
道具は人物を強くする。新たな素材や技術の発見により、道具の種類は増える。うーん、人類史。

奉行話し合いがある、ということは、誰かを助けるのが重要、ってことなのか?

与力その通りです。基本的には、何かを手に入れる場合には「集団にどのくらいの能力が備わっているか」が問われますが、1人のプレイヤーがそれをあっさり満たすのは難しいです。特に序盤や、難易度が高いカードだとね。

奉行そうか、この人物たちは、プレイヤーごとの集団であり、全員の集団でもあるから、割り振りをしっかり考えないといけないのか。

与力まあ、あまりにも難易度が高い場合には、あきらめてカードを捨てることも大切です。

奉行あ、パス有りなのね。

与力まあ、一部を除いては、ですけどね。基本的には「3枚引く」「1枚選ぶ」「全員のアクションを見て、どれを解決するか決める」の繰り返しです。

パレオ~人類の黎明~
いつの間にかオオカミも仲間にした与力集団だが、自分たちだけで生き抜けるほど原始時代は甘くない。

山札をめくり、アクションを行っていく上で注意しなければいけないこともあります。それは、「捨てるとマイナスが発生するカード」と、「クリアすると無くなるカード」です。

奉行んんん???

与力「捨てる」のには2パターン有りましてね。1つは、「アクションをできない、したくないカードを捨てる」、もう1つは「アクションをクリアする条件として山札からカードを指定枚数捨てる」ってのが有るんですよ。

奉行ああ、そういえば「2枚捨てる」みたいなのがあったな。

与力で、裏面が赤いヤバそうなカード、「危機カード」と言いますが、あれを山札からそのまま捨てると、人物がダメージ喰らいます。

奉行うげ、危険を目の前にしたら、尻尾を巻いて逃げる訳にはいかんのか。

与力まあ、危機カードは表にしたら「絶対に書かれているアクションのどれかをしなければならない」というルールもあるので、結局クリアできなくてダメージ喰らう、みたいなこともあるんですけどね。

奉行危機は分かった。あと、「クリアすると無くなる」っていうのはどういうことだ?

与力獲物は狩猟すればいなくなり、植物は根こそぎ収穫すれば絶えるんですよ…。

奉行……あ。そうか。

与力はい。アクションをクリアした時に、捨て札にするのではなく「墓地行き」が指示されているカードがあります。これらは墓地に捨てられ、その回のゲームでは二度と出てきません。

パレオ~人類の黎明~
危険、そして墓地。

≪夜フェイズ≫

全プレイヤーが山札を使い切ったら、夜フェイズに入ります。

与力基本的には中間処理ですね。全プレイヤーの人物数合計と同じだけの食料トークンを支払います。また、モジュールごとに満たしておかないといけない「試練」が設定されているので、その条件を満たせているかを確認します。

奉行「何か素材や道具を準備しておけ」みたいなやつだな。

与力で、食料不足や条件未達成で、ドクロトークンがボードに置かれます。

パレオ~人類の黎明~
頭蓋骨。まごうこと無き。

与力より深刻なのは多分食料不足で、不足1つにつき、ドクロ1つです。ドクロ5つでゲームオーバーを迎えますから、食料集めを怠ると、一瞬で集団は全滅します。

奉行恐ろしいのう…。

与力なお、ドクロトークンは、人物がダメージによって死亡しても増えます。昼の犠牲にも注意を払いましょう。

奉行ノープランではサバイヴできん時代じゃな。

パレオ~人類の黎明~
これだけあれば、そうそう飢えることはないが、いつまでもつか…。

夜フェイズが終了したら、墓地以外の捨て札カードを集めてよく混ぜ、再び各プレイヤーの山札として配ります。そして新たな昼フェイズが始まります。これを繰り返し、マンモスの壁画を完成させれば勝利です。

奉行なるほどな。だんだん、今回のゲームのカードがどういう内容か分かってくるのか。

与力はい。スキップしたアクションの内容などから、だんだん自分たちの置かれた環境・状況が理解できてくる訳です。考える材料が増えていくんですね。

奉行しかし、食料や素材は少しずつ減っていく、と。時間切れになる前に、自分たちの足跡を時代に刻み込めるかの勝負じゃな!

パレオ~人類の黎明~
我々はマンモスを狩り、ここで生活を営んだ。その記録をここに記す(絵で)。

『パレオ』【ここがイカス!】

与力ネタバレを避けて骨子だけの説明になりましたが、『パレオ』、いかがでしたでしょうか。

奉行いやー! これほど次のカードをめくるのにワクワクドキドキしたゲームは久しぶりかもしれん。

与力ワクワクですか。私は微妙にコワゴワでしたが。

奉行いや、怖かったぞ。しかし、ゲームの進行によって世界が開けていく、世界を理解できていく感覚、そして道が示される過程、素晴らしい没入感だ。

与力原始時代の再現のされ方ってことですね。

奉行そう。しかも狩猟採集時代っぽく、だんだんと獲物が減って生活がしづらくなっていく。生活できなくなれば全部捨てて新しい場所に移動しなければならない……テーマとゲームの勝敗に関わる制約もしっかりマッチしている。すごいよ。我々の与太話の出だしでおぬしが「本格派」って言ったの、めちゃくちゃ納得した。

与力ゲームルール的なことで言えば、どれを解決していくかの相談は面白かったですね。

奉行そうだね。ただ、各所で指摘されていることだが、「あれをしたいからこうしろ」的な指示が通りづらい、いわゆる「奉行問題」対策ができているのも好感が持てる。

与力協力ゲームとは切っても切れない問題ですが、パレオの場合、裏面を見てカードを選ぶから、ですよね。

奉行しかも、必ずしもいいことばかりが起きる訳ではないしね。狙って何かができるようになるのは、昼夜を何度か過ごしてカードの内容を把握してからだな。

与力それがあるので、自然と夜フェイズの後は「これからどうしようか」みたいな相談が熱を帯びたりしたりしますね。

奉行本気で生き残りをかける原始人集団の気分が味わえているのかもしれないな。

与力今回、我々は最低対応人数の2人で遊びましたが、ゲームのテンポも悪くなかったですね。

奉行うむ。会話も弾んだし、非常に面白かった。2人用のがっつり協力ゲームを求めている人にバチッとハマるゲームなんじゃないか。

与力お奉行には相当ぶっささったみたいですね。ドイツゲーム大賞恐るべし、です。

『パレオ』【ここはちょっと…】

奉行片付けが面倒くさい。

与力いきなり端的な話ですね。

奉行墓地と作業台は立体物なんだが、これ、毎回バラさないと箱に入らないんだよなあ。特に片付ける時、なんかばきっとやらかしそうな気もする。ヘビーユーザーなら組み立てたまま出しておくのも手だな。

与力表裏一体で準備も楽になりますしね。

奉行あとはそうだな、ゲームカードの効果は全てアイコンで示されているので、慣れてくれば分かりやすいが、初見では何のことやらさっぱり、かもしれん。

与力説明書は常にお手元へ、ですね。

奉行アイコンの種類が多いんだよな。あと、アイコンだけで説明しているので、なんだか分からなくなることもある。文字が無い原始時代の苦労がしのばれる。

与力そこまで意図的に原始時代にはしてないんじゃないかと思いますけど。現代の最先端デバイスだって、アイコンだけで示していることが多いですよ。

奉行それから、モジュールの準備、カードの内容などについては説明書とは別の付録を見ないといけなくて、こちらに説明書にはない記述も含まれている。

与力付録というよりは分冊ですよね。

奉行そうな。説明が2冊にばらけてしまっている、ということなので、両方しっかり目を通さないとダメだと思う。特にモジュールごとに含まれるユニークカードの処理などは、付録をよく確認せんと。

与力私もしっかり確認して次に備えます。

奉行あと、最大の問題が、止め時が分からなくなることかな。もう1回遊びたい。次のモジュールの組み合わせで遊びたい。あるいは、負けて悔しいからなんとかしたい。

与力そこはプレイヤーの都合で決めましょうね。大人なんだから。

奉行ちぇっ、現代人は時間と社会にしばられて自由が足りないんだよな。

パレオ~人類の黎明~
秘密カード6番、奉行所での通称“勇人”。局面を一変させるスペシャルな技術や道具、あるは異様に強い脅威が突然降って湧くと、プレイヤーは異様に盛り上がる。

与力なお、今度のエッセンシュピールで拡張セットが発表されるようですよ。どうやら家畜の飼育を始めるっぽいです。

奉行おお、徐々に定住文化へと近づいていくのか?

与力最終的には『パレオ~古代地中海帝国の繁栄~』みたいなセットに到達したりして。

奉行それ、もはやローマ人の物語じゃん。