『ワードン』を開けてみた&遊んでみた
言葉の戦艦を撃沈せよ!
(パッケージ裏面より)
プレイ人数:2人
対象年齢:6歳以上
プレイ時間:15分~
授業中にこっそり遊びたい
2人対戦型ゲーム『ワードン』は、ゲームマーケット2020春向けにナナワリさんが制作・発表された作品です。『ポラリッチ』『マドリーノ』『ライズオブザメトロ』と、ゲームマーケット開催ごとに話題となる作品を発表されている実力派サークルさんですね。直近2021秋に発表の『きょうの勝ち』も、Twitterに遊ばれている様子がひんぱんに投稿される良作です。
さて、『ワードン』はタイトルからしてワードゲームっぽいのですが、「推測&論理」がカギになるという悩ましい系の様子。どんなゲームになっているのか、実際に見てみましょう。
ゲームの概略がスッキリ説明されています。サイズはA6ですね。
1冊50枚綴りなので、2人対戦で50戦勝負できる、と。
さっそく実戦
- 【登場人物】
奉行藩の決裁担当。戦艦と言えば?「大和とヤマトかのう。ちなみに提督業はやっておらんのだ」
与力藩の買掛担当。戦艦と言えば?「グワジン。子どものみぎり、生まれて初めて知った戦艦と呼ばれるものでしたね」
与力今回はさっそくプレイへ移ってまいります。
奉行紙ペンゲームというやつなのか?
与力そうですね。とりあえずお手に取ってみてください。
奉行(パッドの表紙をめくり)ほほう、なるほどねえ。
奉行これは何となく見えた気がするぞ。分かりやすい。
与力分かってきましたか。では、ルール説明なのですが、こちらをご覧ください。
https://nanawari.myportfolio.com/wordon
与力簡易説明、きりんなべ様の紹介マンガ、説明動画、そして説明書自体も公開されておりますので、大変分かりやすくなっているかと存じます。余計な説明よりは、こちらをご覧いただいた方がよろしいかと。
奉行手がこんでるなー! そして、お主の出番ゼロじゃな、こうなると。
与力…一応、私なりに解釈した説明いたしますと、あいうえお表を使った海戦ゲームということです。
奉行食い下がった。うん、学校の空き時間とかで遊びたいやつだな。
便利なWikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E6%88%A6%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0
与力アレは連続するマス目に戦艦がいて、それを探して撃ちあうゲームでしたが、『ワードン』の戦艦は「テーマに沿った単語」でして、表から独立して記入されます。
奉行つまり、あいうえお表の連続するマス、たとえば「まはなた」とか選んで戦艦を配置するのではないってことだな。
与力「まはなた」ってもはや意味不明ですしね。攻撃し合って命中したかどうかを探るのにあいうえお表を使うのですが、あくまで狙いは相手が選んでいる「単語」ですね。
奉行なるほどな。1文字ずつ撃ってそれを調べていくわけだ。
与力ただし、単語を推測できた場合のために、一回で戦艦の撃沈を狙える「単語を攻撃する」という手段が用意されているんですね。
奉行2文字くらい命中させて何となく4文字の戦艦の正体が分かってきたら、一気に沈めてやれ、という。
与力あるいはテーマからヤマ勘で当てにいってもいい訳ですけどね。ただ、単語で攻撃する場合は、ハズレだった場合にヒントが返ってこないので、そこに注意しないとダメですね。
奉行よしよし、じゃあ遊んでみようか。テーマは「動物」な。
与力爬虫類、両生類もオッケーです?
奉行いや、哺乳類と鳥類だけでやろうか。なんとなく。
奉行んーと、「か」。
与力あ、命中です。では…「う」。
奉行「う」……「う」は水しぶき(至近弾)。
与力む、初弾夾叉…。
奉行んじゃ、「へ」。
与力ハズレですね。
(中略)
奉行単語攻撃。「ひぐま」だ。
与力直撃、撃沈です。では単語攻撃、「かぴばら」。
奉行それはハズレ。お返し単語攻撃、「かわうそ」。
与力あっ、やられた。全艦沈められてしまった…。
『ワードン』【ここがイカス!】
奉行お馴染み海戦ゲームをみごとに変化させておられる。いや、進化か。
与力戦艦を単語にしているから実現している、一発轟沈を狙える攻撃が楽しいですね。
奉行相手のチョイスを読み切れた時のうれしさな。
与力ゲーム時間がそれで長くなっているという感じも無いですしね。
奉行うん。遊びやすくて時間も手軽に終わるのはいいところだ。それに、このパッドを持っていると目隠しとかも必要ないので、ペンさえあれば遊べる。学校のカバンに、トランプと一緒に忍ばせておきたいところだ。
与力白熱するあまり授業中に対戦したり…
奉行それもまあ青春の一ページといえばそうだな。今の学校では廊下に立たされるとかはないのだろうか? 冗談はさておき、個人的にうならされたのが、これ、リモートで遊ぶシチュエーションにピッタリだよな。
与力そうですね。お互いにパッド1冊ずつ持っていればいいですし、対面でなくても音声だけで遊べますからねえ。
奉行頒布のオマケに特製ハガキがついていたのも納得よ。この2021年に最適なゲームの一つと言えそうだよなあ。
『ワードン』【ここはちょっと…】
奉行ゲームの特性を考えると、初対面の人と遊ぶというよりは、知っている同士の遊びの方が白熱しやすいのかもしらんな。
与力単語攻撃の話ですか?
奉行そう、単語攻撃はこのゲームのキモだと思うのよ。プレイ時間のスピードアップ、テンポの維持という観点でも。
与力なるほど?
奉行で、相手のことを多少なりとも知っていれば、「このテーマだったら、これとか選ぶだろ」という顔を見た推測も働きやすいので、積極的に単語攻撃を飛ばしやすいかなというかな。
与力きちんと表を使った論理と推測を活用しましょうよ。
奉行だからその点、仲を深めるのにすごくいいんじゃないかと思うよ。『ゲスラブ』とか『ガムトーク』とかで相手の趣味嗜好を知ったうえで、この『ワードン』に進む、みたいなね。
与力『ゲスラブ』で特殊性癖が明らかになるんですかねぇ…。
奉行あとはそうさな、白熱し過ぎたとしても、1パッケージでは50戦で打ち止めだ。
与力極真空手の百人組手みたいに百人ワードンとはいかない訳ですね。
奉行極真とは縁もゆかりもないヒョロ眼鏡なのに妙な例えを持ち出したな。まあ、パッドが無くなったらぜひまた新しく購入しよう。
与力シャンプーとか洗剤とか買い替える感覚で常備したいゲームですね。
奉行カピバラはおぬしが設定していたと思ったよ。最近とみに、温泉につかるカピバラの画像を見てきゃっきゃうふふしておるから。
与力むしろその発想を逆手にとって、お奉行が選んでいたと読んでいたんですよ。
奉行結局どっちも選んでいなかったというな。
与力でも選ぶだろうと思ってお互いフェイクで「か」から始まる動物は選んでいましたね。
奉行わしは「かわせみ」、おぬしは「かわうそ」だったもんな。相性がいいんだか、底意地が悪いコンビなんだか。