ドン・カルロ(ボードゲームプレイ感想)

ボードゲーム愛好

『ドン・カルロ』を遊んでみた

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【登場人物】

奉行藩の決裁担当。エージェントと言えば?「ミッションインポッシブルかなあ」

与力藩の買掛担当。エージェントと言えば?「マトリックスですかね」

イタリア系の犬?

奉行ほー、これはなんか「ザ・ドイツカードゲーム」な感じが漂ってくるな。

与力イラストの感じが独特でいいですよね。

奉行ハマると1ゲームが手軽な分、ずっと遊んじゃうゲームが多いから楽しみだよね、カードゲームは。じゃあ準備をよしなに。

与力心得ました。

準備は非常に簡単です。各プレイヤーは4色のカードセットのうち、どれか1セットを受け取ったら各自でよく混ぜ、自分の前に山札として置いておきます。そしてプレイヤーの人数に応じて、決められた枚数の国カードを場に並べます。これで準備完了です。最も年少のプレイヤーがスタートプレイヤーとなり、ゲームを開始します。

ドン・カルロ
準備完了の図。

奉行この手札になるカードは、全員同じ構成なのだな。

与力そうです。0から6までの数字が書かれたカードが合計25枚です。ゲーム開始時に4枚引いてくださいね。

ドイツってギャングのイメージないんですよね

各プレイヤーは自分の手番になったら、エージェントをどこかの国に送り込み、影響力を強めようとします。その際、各エージェントにはコードネームがつけられます。そしてもっとも高い得点を獲得できたプレイヤーが勝者となります。

奉行コードネーム…「不知火の仁吉」とか「橋戸の甚四郎」とか、そんな感じか?

与力なぜ江戸。我々的にやむを得ないとはいえ、なぜこの世界設定のゲームに犯科帳風味を持ち出されたのです。

奉行お主のボケ封じかな。うん。

与力先手を打ち過ぎてスベってますよ。エージェントのコードネームは手札の数字を組み合わせてつくるんです。最大で4枚までのカードを使って、コードネームをつけてあげてください。

奉行ふむ、4枚…。

与力それで、そのコードネームに使われているカードの数字を合計し、それと等しい数字の国カードの下においてください。これでエージェントがどこかの国に送り込まれたことになります。

奉行すでに誰かのエージェントがいた場合には?

与力その下に並べましょう。なので、意外とカード列が縦に伸びていきますよ。

ドン・カルロ
中央、コードネーム2/5の緑エージェントが与力の指示によって7の国に潜入。

奉行あー、逆に言えばあれか。どこか送り込みたい先の国に合わせて、手札の数字をうまいこと組み合わせてエージェントを作れ、ということだな。

与力そうですね。注意したいのは、同じコードネームを持つエージェントは同時に同じ国に存在できないことです。例えば、すでに7の国には2/5がおりますので、今後は誰も同じ2/5というエージェントを送ることはもうできません。

奉行他のコードネームを作れということだな、ふむ。

与力なお、コードネームは必ず小さい数字から並べて読み上げます。ですから、今の例で言えば5/2にすれば送り込める、という訳ではございませんぞ。

フランス…『フレンチ・コネクション』?

奉行ただ、どういう指針でエージェントを送ればよいのかね。

与力えっとですね、エージェントを送り込むことが、あらゆる得点獲得の条件になるんです。

奉行ふむ、“あらゆる”ということは、いくつか得点する方法があるということじゃな。詳しく説明いたせ。

与力はい、以下の場合に得点が入ります。

1:エージェントをどこかの国に送り込んだ。

与力この場合、すでにその国に送り込まれているエージェントの人数に、今自分が送り込んだエージェント分の1を足した数と同じ得点を獲得できます。

ドン・カルロ
例えばこの場合、5の国に紫のコードネーム2/3が送り込まれたのであれば、3点となる。

奉行ふむ、つまりは毎手番必ず1点以上の得点はある、ということになるのかな。

与力基本的にはそうなりますね。エージェント手番では必ず送るので。

奉行とはいえ、カードの組み合わせ次第で送れないケースも出てくるじゃろ。どうやっても数字がかみ合わん、もういるエージェントと同じコードネームになってしまう、というような。

与力その場合にはですね、手札を全部表にして自分の前に並べて、そこに山札から1枚ずつカードを表にして足してコードネームを作れるか確認します。できなければさらに1枚、という感じでできるまで繰り返しますが…。

奉行が?

与力できなければ残念、あなたのゲームはここで終わってしまった!という運びになります。

奉行なるほどね、エージェントを送れなくなった時点で脱落なんだな。

2:連番コードネーム。

与力コードネームを特定の3枚のカードで作成した場合に、ボーナスで得点がもらえます。「1・2・3」などの連番で1点、「3・3・3」などの同じ数で2点です。

奉行有名なエージェントを作ったみたいなことなのかな、007みたいな。

与力注意点としては、数列はループしていないので、一番大きい6から0へつないでも、連番になったとは見なされないことが1つ。あと、「この3枚を含むように」作るのではなく、ちょうど3枚で作らないとダメです。

奉行調子にのって4枚にしてはイカン、と。

3:国の獲得

与力カードの組み合わせ的に無理とか、カードを使い切ったとかで、全プレイヤーがエージェントを送れなくなると、ゲームは終了するんですけれども。

奉行急に終了条件の説明をしたな、お主。

与力その後で、それぞれの国で誰の影響が一番強いかを確認します。最も影響を及ぼしているプレイヤーが国を支配下に置き、国の数字と同じだけの得点を獲得しますよ。

奉行ふむ。影響力は、エージェントの人数か?

与力その通りです。ただし、あくまで人数であって、カードの枚数ではないことをお忘れなく。

奉行人数が同じであれば?

与力その場合、先にエージェントを送りこんでいたプレイヤーが得点します。

奉行あ、それがひと目でわかるように、カード列が縦に伸びていた訳ね。

与力こんな感じで名誉の称号「ドン・カルロ」を目指して勝負しましょう、というゲームでございます。

ドン・カルロ
なにか湖の形がペンギンに見える、と奉行が言い出した一枚。

『ドン・カルロ』【ここがイカス!】

奉行うーん! これはもう一勝負いこう、となるね。

与力リプレイ欲が刺激されますか。

奉行やること自体はシンプルなんだけど、いろんな要素が詰まっているのよ。早取りとか、コードネームを作るカード枚数の調整とか、エージェントの配分とか…。

与力そういや私は3枚のボーナスを狙い過ぎて、カードが枯渇していましたね。

奉行うむ、できれば少ない枚数で影響力を及ぼしたい。すると当然、コードネームが被る可能性が高くなるから早く出したい。とはいえ、そこで6や5を使ってしまって大丈夫なのか…と、色々悩むわけよ。

与力山札は全員同じですけど、引き運も絡んできますね。

奉行そうね。そこがあるので逆にこうできてたら勝てたのに!ということで「もう一勝負やりましょうか」ってなりやすいんじゃないのかな。

与力見た目にも分かりやすいし、いいゲームですね。

奉行後、淡々としたシステムとテーマがマッチする。ついクールにカードを出したくなる。

与力タバコ風のお菓子をくわえてみたり?

奉行猫を膝にのせてみたり。

与力どんどんイメージが偏ってきましたね。

『ドン・カルロ』【ここはちょっと…】

奉行こういうカードゲームだけに淡々とゲームを進めている印象になるかな。このドライさを良しとするかしないかっていうのはあるよね。

与力数字遊びが好きかどうか、みたいなところでしょうか。

奉行ストーリーとかプレイヤー間の交渉がどうこうとか、そういう要素はないからね。それに引き運がどうしても大きくなる。そこ次第ではなかなかエージェントを送れなくて悶絶するケースがあるかもね。

与力自力ではどうにもならない部分で負けてしまうという。

奉行ただ、だからこそ「得点を記録する係を選ぶ」なんてことがルールに書かれているのかもよ。何ゲームかプレイして、その合計で勝負を競う的な。

与力それこそセブンブリッジや麻雀のように、何度か遊んで最終的な勝者を決めるという。

奉行そうそう。「シンプルだからこそ、ついつい回数を重ねてしまうポテンシャル」があると思うのよ。

ドン・カルロ
ファミリーの紋章。肉球。

奉行ところでカード1枚のコードネームってのはアリで良かったのか?

与力添付のルールでは「最大4つの数字、カード4枚まで」という説明なので、アリなのではないでしょうか。

奉行でもなんか数字1つのコードネームって少し不安にならない?

与力つい0を前に2つつけてあげたくなりますね。007みたいに。

奉行確かに。7はないけどもね。